安全管理編

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  未熟な左手が作った第2種MEの安全管理に関するノートです。
誤りがございましたら、ご連絡下さい。


漏れ電流許容値の根拠 (覚え方)

漏れ電流許容値

漏れ電流経路B形装着部BF形装着部CF形装着部
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
接地漏れ電流5000 μA10000 μA5000 μA10000 μA5000 μA10000 μA
接触電流100 μA500 μA100 μA500 μA100 μA500 μA
患者測定電流直流10 μA50 μA10 μA50 μA10 μA50 μA
交流100 μA500 μA100 μA500 μA10 μA50 μA
患者漏れ電流患者接続部から大地への電流
又は
SIP/SOPへ外部電圧を印加した場合の電流
直流10 μA50 μA10 μA50 μA10 μA50 μA
交流100 μA500 μA100 μA500 μA10 μA50 μA
合計患者漏れ電流一緒に接続した同一形装着部からの電流
又は
SIP/SOPへ外部電圧を印加した場合の電流
直流50 μA100 μA50 μA100 μA50 μA100 μA
交流500 μA1000 μA500 μA1000 μA50 μA100 μA

特別の試験条件下の患者漏れ電流の許容値

漏れ電流経路B形装着部BF形装着部CF形装着部
患者漏れ電流F形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合の電流非該当5000 μA50 μA
保護接地していない金属の接触可能部分へ外部電圧を印加した場合の電流500 μA500 μA
合計患者漏れ電流F形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合の電流非該当5000 μA100 μA
保護接地していない金属の接触可能部分へ外部電圧を印加した場合の電流1000 μA1000 μA

漏れ電流の許容値の根拠

  漏れ電流の許容値の根拠を元にややこしい漏れ電流許容値を覚える取っ掛かりにしていただけたらと思います。
マクロショック・ミクロショック対策は、大まかな考え方を示しています。

マクロショック対策≫

  接触電流患者漏れ電流(B形BF形)、患者測定電流 (B形、BF形)は、体表に接触することで起こるマクロショックを考慮した許容値が設定されています。
そのため、最小感知電流1000 μAを基準として、安全係数を10倍とり、その1/10の100 μAが、マクロショック対策の正常状態の許容値となります。
単一故障状態では、正常状態の5倍まで許容されるため500 μAがマクロショック対策の単一故障状態の許容値となります(マクロショックによる最小感知電流1000 μAの1/2の値)。

漏れ電流B形装着部BF形装着部CF形装着部
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
接触電流100 μA500 μA100 μA500 μA100 μA500 μA
患者測定電流交流100 μA500 μA100 μA500 μA
患者漏れ電流交流100 μA500 μA100 μA500 μA

ミクロショック対策≫

  患者漏れ電流(CF形)、患者漏れ電流(CF形)は、心臓に直接接触することで起こるミクロショックを考慮した許容値が設定されています。
そのため、ミクロショックで心室細動を起こす100 μAを基準として、安全係数を10倍とり、その1/10の10 μAが、ミクロショック対策の正常状態の許容値となります。
単一故障状態では、正常状態の5倍まで許容されるため50 μAがミクロショック対策の単一故障状態の許容値となります(ミクロショックによる心室細動発生電流100 μAの1/2の値)。

漏れ電流CF形装着部
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
患者測定電流交流10 μA50 μA
患者漏れ電流交流10 μA50 μA

≪直流規制値≫

  患者漏れ電流及び患者測定電流には、直流規制値があります。
これは、直流により電解質溶液(人体組織)の電気分解によって生じる有害物質が人体組織を損傷する恐れがあるため交流に比べ厳しい基準が設けられています。
そのため、交流のCF形(心臓適用可)と同じ正常状態10 μA、単一故障状態50 μAの厳しい許容値となっています。

漏れ電流B形装着部BF形装着部CF形装着部
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
患者測定電流直流10 μA50 μA10 μA50 μA10 μA50 μA
患者漏れ電流直流10 μA50 μA10 μA50 μA10 μA50 μA

接地漏れ電流

  接地漏れ電流は、人体を通らずに保護接地線(アース線)を介して機器側に漏れ電流が溜まらない様に大地に逃がす電流です。
人体を通らずに流れる電流であるため、マクロショックにもミクロショックにもあたらないが、過度に接地漏れ電流が流れると漏電ブレーカーを作動させてしまう恐れがあるため1999年度版の永久設置形ME機器の接地漏れ電流の正常状態5000 μA、単一故障状態10000 μAに2012年度版より緩和統一されました。

漏れ電流B形装着部BF形装着部CF形装着部
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
接地漏れ電流5000 μA10000 μA5000 μA10000 μA5000 μA10000 μA

  しかし、保護接地線の断線が起こった場合、保護接地線に流れていた漏れ電流は、通常外装に流れ込み、その外装に触れることで外装→人体→大地という接触電流のマクロショックを起こすため、接触電流の単一故障状態の保護接地線の断線時の漏れ電流は、マクロショックによる最小感知電流1000 μAの1/2の値である500 μAの許容値が設定されています。
このため、正常状態の接地漏れ電流の5000 μAは、単一故障状態の接触電流において実質的に500 μAに規制されています。


接触電流

  機器の外装を触った時に体表流れ込む電流(マクロショック)であるため、B、BF、CF形ともに共通となっています。
数値の根拠は、マクロショック対策と同じ考えです。


患者測定電流

  B、BF形装着部をもつ機器は体表のみ使用が許されるためマクロショック対策を考慮し、その根拠が適用されます。
CF形装着部をもつ機器は、心臓に直接使用できるためミクロショック対策を考慮し、その根拠が適用されます。
又、直流には直流規制値の根拠が適用されます。


患者漏れ電流

  B、BF形装着部をもつ機器は体表のみ使用が許されるためマクロショック対策を考慮し、その根拠が適用されます。
CF形装着部をもつ機器は、心臓に直接使用できるためミクロショック対策を考慮し、その根拠が適用されます。
又、直流には直流規制値の根拠が適用されます。


≪合計患者漏れ電流≫

  生体情報モニタのような装着部が複数あるME機器が増えてきたため、2012年度版より、同一形式全ての装着部を接続した合計の漏れ電流の許容値が規定されました。許容値の値は、正常状態で個々の患者漏れ電流の正常状態の5倍まで許容。単一故障状態では、正常状態の2倍まで許容されています。

漏れ電流B形装着部BF形装着部CF形装着部
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
合計患者漏れ電流直流50 μA100 μA50 μA100 μA50 μA100 μA
交流500 μA1000 μA500 μA1000 μA50 μA100 μA

特別の試験条件下の患者漏れ電流の許容値

F形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合の電流

  1999年度版の患者漏れ電流−Vに規定されていたものでBF、CF形装着部をもつ機器の単一故障状態についてのみ定められています。
これは、フローティングの性能をテストすることを目的とした漏れ電流であり、F形装着部に電源電圧がかかること自体が単一故障状態であり、生じてはならない危害であるため特別な試験条件下として規定しています。フローティングされていないB形装着部をもつ機器にフローティングのテストをしても無意味なので規定されていません。もし仮に、B形装着部をもつ機器に別の機器からの装着部から電源電圧がかかると装着部→患者→B形機器→大地という流れが形成され、患者は必ず感電してしまいます。
 BF形5000 μA、CF形50 μAの根拠ですが、BF形5000 μAは、マクロショックの離脱不能に陥る電流(離脱限界電流)10 mA(10000 μA)の半分の値、CF形は、ミクロショックによる心室細動発生電流0.1 mA(100 μA)の半分の値で規定されています。

漏れ電流経路B形装着部BF形装着部CF形装着部
患者漏れ電流F形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合の電流非該当5000 μA50 μA

保護接地していない金属の接触可能部分へ外部電圧を印加した場合の電流

  保護接地していない金属の接触可能部分へ外部電圧がかかること自体が単一故障状態であり、生じてはならない危害であるため特別な試験条件下として規定されています。CF形装着部に関しては、上記のF形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合で試験を扱っているため、試験は行わなくてよい。
 B形500 μA、BF形500 μAの根拠は、マクロショックの単一故障と同じであり、接触電流の単一故障状態と同じ値となっています。

漏れ電流経路B形装着部BF形装着部CF形装着部
患者漏れ電流保護接地していない金属の接触可能部分へ外部電圧を印加した場合の電流500 μA500 μA

≪特別の試験条件下の合計患者漏れ電流≫

  上記の合計患者漏れ電流の単一故障状態と同じ考えで、2倍まで許容と考えて頂いていいのですが、F形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合の電流のBF形装着部に関しては、例外で装着部を合計していない許容値と同じ5000 μAとなっています(根拠不明)。

漏れ電流経路B形装着部BF形装着部CF形装着部
合計患者漏れ電流F形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合の電流非該当5000 μA100 μA
保護接地していない金属の接触可能部分へ外部電圧を印加した場合の電流1000 μA1000 μA


漏れ電流の許容値のまとめ

◎ 接地漏れ電流

正常状態5000 μA(5 mA)
単一故障状態10000 μA(10 mA)
根拠人体を通らずに流れる電流であり、過度に接地漏れ電流が流れると漏電ブレーカーを作動させてしまう恐れがあるため
単一故障状態は正常状態の2倍まで許容

◎ 接触電流、患者漏れ電流(B形・交流、BF形・交流)、患者測定電流 (B形・交流、BF形・交流)、特別の試験条件下の患者漏れ電流(保護接地していない金属の接触可能部分へ外部電圧を印加した場合)

正常状態100 μA
単一故障状態500 μA
直流(正常状態)10 μA
直流(単一故障状態)50 μA
根拠マクロショック対策のため正常状態は最小感知電流1 mAの1/10
単一故障状態は正常状態の5倍まで許容
保護接地していない金属の接触可能部分へ外部電圧を印加した場合は、単一故障状態のマクロショック対策

◎ 患者漏れ電流(CF形・交流、直流)、患者測定電流 (F形・交流、直流)

正常状態10 μA
単一故障状態50 μA
根拠ミクロショック対策のため正常状態はミクロショックによる心室細動発生電流0.1 mAの1/10
単一故障状態は正常状態の5倍まで許容
直流は、有害物質発生の恐れがあるため交流のCF形と同じ厳しい許容値

◎ 特別の試験条件下の患者漏れ電流(F形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合)

BF形5000 μA
CF形50 μA
根拠BF形、CF形装着部をもつ機器のみの規定は、フローティングのテストを目的としているため
BF形は、マクロショックの離脱不能に陥る電流(離脱限界電流)10 mAの半分の値
CF形は、ミクロショックによる心室細動発生電流0.1 mAの半分の値

◎ 合計患者漏れ電流

正常状態個々の患者漏れ電流の正常状態の5倍
単一故障状態個々の患者漏れ電流の単一故障状態の2倍(特別の試験条件下は単一故障状態)
例外特別の試験条件下のF形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合の合計患者漏れ電のBF形は、5000 μA(個々と同じ)


漏れ電流の許容値の練習問題

  根拠別に色分けしてあります。答えはドラッグするとわかります。

漏れ電流経路B形装着部BF形装着部CF形装着部
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
正常状態
(NC)
単一故障
(SFC)
接地漏れ電流5000 μA10000 μA5000 μA10000 μA5000 μA10000 μA
接触電流100 μA500 μA100 μA500 μA100 μA500 μA
患者測定電流直流10 μA50 μA10 μA50 μA10 μA50 μA
交流100 μA500 μA100 μA500 μA10 μA50 μA
患者漏れ電流患者接続部から大地への電流
又は
SIP/SOPへ外部電圧を印加した場合の電流
直流10 μA50 μA10 μA50 μA10 μA50 μA
交流100 μA500 μA100 μA500 μA10 μA50 μA
合計患者漏れ電流一緒に接続した同一形装着部からの電流
又は
SIP/SOPへ外部電圧を印加した場合の電流
直流50 μA100 μA50 μA100 μA50 μA100 μA
交流500 μA1000 μA500 μA1000 μA50 μA100 μA

漏れ電流経路B形装着部BF形装着部CF形装着部
患者漏れ電流F形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合の電流非該当5000 μA50 μA
保護接地していない金属の接触可能部分へ外部電圧を印加した場合の電流500 μA500 μA
合計患者漏れ電流F形装着部の患者接続部へ外部電圧が印加した場合の電流非該当5000 μA100 μA
保護接地していない金属の接触可能部分へ外部電圧を印加した場合の電流1000 μA1000 μA




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