監視項目
血液側監視
@ 漏血
中空糸の破損による透析液への漏血は、流出透析液側での光の減衰量を測定することにより監視する。漏血の結果、血液汚染、失血を招く。 透析液1l中にヘマトクリット20%の血液0.5ml混入したときに作動しなければならない
A 気泡
患者血液をダイアライザから還流する際に気泡が混入しないよう監視。血液回路を超音波により測定することが多い。 血液流量200ml/minで1mlの単独気泡が通過した際、作動しなくてはならない
B 血液側回路内圧
ダイアライザへの血液の供給、限外濾過、患者への返血が無理無く施行されているか監視する 静脈圧だけをモニタすることが多い。
上昇 | : | @ 返血留置針穿刺不良 A 回路内凝固 B 回路の折れ曲がり |
下降 | : | @ 脱血留置針穿刺不良 A 膜破損により血液リーク B 気泡混入 |
透析側監視
@ 透析液の温度 A 透析液圧 B 流量 C (濃度) が監視される
トラブル
透析液の異常
@ 濃度異常(浸透圧異常)
高濃度 | : | 頭痛、口渇、血圧上昇、意識障害 |
低濃度 | : | 頭痛、悪心・嘔吐、筋痙攣、血圧低下、溶血 |
A 温度異常(通常36〜37℃に維持)
高温 | : | 発熱、発汗、体温上昇、溶血 |
低温 | : | 冷感、悪寒、体温低下 |
空気誤入
原 因 | : | 脱血側の穿刺針・接続部・採血ボタン・ピンホール、輸液回路、液面調整不良 |
臨床症状 | : | 咳嗽、胸部不快感、呼吸困難、血圧低下、意識障害 |
≪対処≫
@ | 血液ポンプ停止 |
A | 静脈側血液回路遮断 |
B | 頭を低く、足を高く。左側臥位でトレンデレンブルグ体位 |
C | 酸素投与、必要に応じて気道確保 |
※ | これらの処置が無効な場合高圧酸素治療 |
ダイアライザ・回路内凝固
原因 | : | 抗凝固剤の不足、血液の異常停滞などにより起こる。 |
対策 | : | 抗凝固剤の増量。回路交換。 |
保守点検
血液ポンプ
オクルージョン、流量測定
ヘパリンポンプ
流量確認、圧力警報確認
気泡検出器
感度調節、クランプ圧確認
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