透析液
透析液組成(血液透析)
組成 | 血清濃度(正常値) | 透析液濃度 |
Na [mEq/l] | 136〜147 | 135〜140 |
K [mEq/l] | 3.5〜5.0 | 2.0 |
Ca | 4.5〜5.5 [mEq/l] 9.0〜11.0 [mg/dl] | 2.5〜3.5 [mEq/l] 5.0〜7.0 [mg/dl] |
Mg [mEq/l] | 1.8〜2.6 | 1.0〜1.5 |
Cl [mEq/l] | 98〜108 | 105〜114 |
HCO3- (重炭酸) [mEq/l] | 24±2 | 25〜30 |
CH3COO- (アセテート) [mEq/l] | ― | 7〜8 (重曹透析液) 35 (酢酸透析液) |
C6H12O6(ブドウ糖) [mg/dl] | 60〜110 | 100〜150 |
浸透圧 [mOsm/l] | 270〜295 | 280〜300 |
@ Na
・ | 透析治療中の浸透圧不均等症候群の予防や低血圧の発現防止に血清正常範囲内の濃度を使用 |
・ | 常時低血圧症、透析困難症例では、150〜155mEq/lの高Na濃度透析液を用いることがある |
A K
・ | 腎不全状態では、高K血症を合併するので積極的な除去のために低K透析液を使用 |
・ | 食事摂取の量の少ない患者や濃度2.0mEq/l未満では、低K血漿を招くことがある |
B Ca
・ | 従来は、透析患者はCaが低下傾向であったため透析液のCa濃度を高くして体内に移行させる必要があった。近年、活性型ビタミンD製剤、リン吸着剤として炭酸Caが使われるようになり、Ca補給の必要が無く、むしろ透析液のCa濃度を低くしてCaを除去する低Ca透析液が作成されている。 |
C Mg
・ | 腎不全状態では、高Mg血症を合併するので積極的な除去のために低Mg透析液を使用 |
D Cl
E HCO3-(重炭酸)
F アセテート
・ | 代謝性アシドーシスの是正のためのアルカリ化剤 |
・ | アセテートは、弱酸で肝臓で緩やかに代謝され重炭酸となるアルカリ化剤 |
・ | 重炭酸透析液でも炭酸塩析出防止のため、pH調整の目的で8mEq/l程度含まれる。 |
G ブドウ糖
・ | 糖尿病患者の透析中の低血糖防止のため、正常血清範囲と同程度〜やや高い透析液を使用 |
H 浸透圧
・ | 腎不全患者では、溶質成分が蓄積しており、透析前は高浸透圧となっているため不均等症候群防止のため、血液正常浸透圧と同じ〜やや高め |
CAPD用透析液
@ | Kが含まれない →食事で積極的にKを補給 |
A | 限外濾過を得る為、浸透圧物質としてグルコース(ブドウ糖)、イコデキストリン使用 |
B | アルカリ化剤として乳酸を使用 |
|
|