バイオセラミック

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  未熟な左手が作った臨床工学技士国家試験の生体材料工学に関するよりぬきノートです。
誤りがございましたら、ご連絡下さい。




バイオセラミック

  バイオセラミックとは、生体に用いられる非金属無機材料のことをいう。

≪種類≫

生体内不活性材料生体組織との間に化学結合は形成されない材料
例) カーボン、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)など
生体内活性材料生体組織との間に生体反応が起こり、強い化学結合が形成される材料
例) リン酸Ca(HAP ; ヒドロキシアパタイト)、生体ガラス、結晶化ガラスなど
生体内崩壊性材料生体組織内で次第に崩壊して逐次、新生骨へと置換されていく材料
例) トリカルシウムホスフェイト(TCP)、テトラカルシウムホスフェイト(4CP)など

アルミナ Al2O3

≪生成≫

  ボーキサイトから化学的に分離生成したものを粉末にし高温焼結したもの。
天然に産出するサファイアやルビーの主成分でもある。


≪多孔質材料≫

  アルミナ微粉末を少量のビーズや金属繊維などを加えて焼成した多孔性材料は通常のアルミナ素材に比べて骨組織の内部充填が早い。


≪特性≫

@ダイヤモンドに次ぐ2番目の硬さをもつ
A耐摩耗性に優れている
B骨との親和性が高い

≪用途≫

  骨折固定材料、人工関節(骨頭)、歯科用材料


ジルコニア ZrO2

≪生成≫

  バッデリ石として産出


≪特性≫

@アルミナよりも強度が大きい
A耐摩耗性や耐摩擦性が優れている
B生体内で安定している

≪用途≫

  人工歯根、人工関節(骨頭)



カーボン (ピロライトカーボン)

≪生成≫

  熱硬化性樹脂を2000℃付近で加熱炭化させたもの


≪特性≫

@金属より軽い
A機械的性質、耐疲労特性に優れている
B生体との親和性が高く、安定で抗血栓性に優れている

≪用途≫

  人工弁など


バイオガラス

≪生成≫

  Na2O-CaO-SiO2系ガラスにP2O5などを加えた特殊なガラス


≪種類≫

生体ガラス機械的強度が弱い
結晶化ガラス機械的強度が強い

≪特性≫

  骨との親和性が高く、溶出することで造骨を促進する


≪用途≫

  コーティング材料


ヒドロキシアパタイト (HAP)

≪特性≫

@生体中の骨や歯の無機成分組成に酷似し、生体組織との間に強い親和性をもつ
A骨内部に埋込まれると短期間に新生骨の侵入が見られる
B機械的性質が悪い

≪用途≫

  歯槽骨充填用顆粒や骨置換用多孔質ブロック








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