音波と超音波と熱力学

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  未熟な左手が作った臨床工学技士国家試験の医用機械工学に関するよりぬきノートです。
誤りがございましたら、ご連絡下さい。




音波と超音波

波の種類

縦波媒質の振動の方向と波の伝わる方向が平行(同じ向き)。粗密波である
固体・液体・気体中で伝搬する。
横波媒質の振動の方向と波の伝わる方向が直交
弾性固体中のみ伝搬する

縦波と横波


波の進行速度

≪伝搬速度≫

  縦波(P波)>横波(S波)


≪波の伝搬速度の公式≫

   波の伝搬速度の公式


≪弾性体を伝わる波の伝搬速度≫

  硬い物質ほど伝搬速度が速く、密度が大きいほど伝搬速度は遅い
   弾性体を伝わる波の伝搬速度

水中や生体軟組織約1500m/s
空気中約340m/s (高温ほど速い;v=331+0.6T T:温度)

音の強さ・大きさ

  感覚上の音の大小を音の大きさをいい、一般に音の強さとの間にウェーバー・フェヒナの法則が適用される。


超音波

  超音波とは、周波数が20k[Hz]以上の音波をいう。

≪音響インピーダンス≫

  音響インピーダンスとは、音の伝わりにくさを表す指標
音響インピーダンス


≪生体内音響インピーダンス≫

  骨>軟部組織(筋肉>脂肪)>血液>肺


≪超音波の減衰≫

  水のような超音波の吸収が粘性に依存する場合は、周波数の2乗に比例して減衰
生体軟組織のような何らかの化学反応が関係する場合は、周波数の1乗に比例して減衰。


≪キャビテーション≫

  機械力によって液体中で負の圧力が生じると液体中に溶け込んでいた気体が気泡となって現れる現象
超音波では、10W/cu以上で起こりうる



熱力学

比熱

  物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量
   比熱
熱の仕事等量 : 4.2 [J/cal]


熱エネルギー

  分子の振動による"運動エネルギーの合計"これを物質が持つ"内部エネルギー"と呼ぶ

 熱温度差によって、"移動する熱エネルギー"(単位[J])
温度原子や分子1個当りの"平均的な運動エネルギー"(単位[K])

圧力・体積・温度の関係

  理想気体(分子の大きさ・分子間力0)のときに成り立つ
比熱


熱の移動

  熱伝導、対流、放射(輻射)の3種類が存在する。

≪熱伝導≫

  固体、液体、気体すべての状態で温度差があれば起こる。
高温体から低温体へ熱は移動する。
熱の伝わりやすさを熱伝導率といい、金属は高く、水・生体組織は低い


≪対流≫

  流体でのみ起こる。
流体が温められて軽くなり(密度減少)、熱を持って上方に移動する。


≪放射(輻射)≫

  熱の移動経路に中間物質がなくても、電磁波という形で熱エネルギーを放射している。

電磁波

  温度(エネルギー)が低いほど波長は長く、温度(エネルギー)が高いほど波長が短い

ステファン・ボルツマンの法則

  物体の放射エネルギーの総和Eは、その物体の絶対温度の4乗に比例

熱放散


熱力学の法則

≪熱力学第1法則≫

  熱に対するエネルギー保存の法則


≪熱力学第2法則≫

@ 熱の移動は高温体から低温体へのみおこる

→不可逆変化(外部から何らかの変化を加えなければはじめの状態に戻れない場合の変化)

A 熱エネルギーはすべて仕事に変換することはできない

→熱機関(熱エネルギーを仕事に変換)の限界


カルノーサイクルの原理

カルノーサイクルの原理

@高熱源から熱エネルギーQ1を吸収する
A熱エネルギーの一部を仕事Wに変換する
B熱エネルギーの残りQ2を低熱源に変換する

  仕事W=Q1−Q2


熱効率

高熱源からの熱吸収量をQ1
低熱源からの熱吸収量をQ2とする
   熱効率








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