人工呼吸器 その4

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  未熟な左手が作った臨床工学技士国家試験の呼吸治療機器に関するよりぬきノートです。
誤りがございましたら、ご連絡下さい。


調節換気と補助換気

@調節換気(Controlled Ventilation)
  調節換気とは、自発呼吸のない患者(全身麻酔、心肺蘇生中、重篤な患者)に用いる換気方式。
呼吸回数、1回換気量、吸気・呼気のタイミング、吸入気酸素濃度など全て人工呼吸器に依存する。
A補助換気(Assisted Ventilation)
  補助換気とは、患者の自発呼吸に合わせて気道に陽圧を作り出す方式。
患者の努力呼吸がなければ、人工呼吸器は作動しない。
B部分的補助換気(Assist/Control)
  補助換気だけでは、患者の自発呼吸が存在しなければ換気できないため、
補助換気と調節換気を組み合わせた方式。一般的によく用いられる換気方式。
間欠的陽圧換気モード
調節換気IPPV(間欠的陽圧換気)、CPPV(持続的陽圧換気)、PCV(圧規定換気)
VCV(量規定換気)、IRV(吸呼気逆転換気)、HFV(高頻度呼気)
部分的補助換気IMV(間欠的強制換気)、SIMV(同期式間欠的強制換気)
補助換気PSV(圧支持換気)、CPAP(持続的気道陽圧)、APRV、BIPAP

調節換気様式(モード)

≪IPPV (間欠的陽圧換気)≫

  設定した回数だけ間欠的に吸気時に気道内を陽圧にする。呼気時は、圧を大気開放する。


≪CPPV (持続的陽圧換気)≫

  吸気時はIPPPV同様、気道内陽圧。呼気時は、大気に開放せず一定の陽圧(PEEP)をかける。

IPPV (間欠的陽圧換気)とCPPV (持続的陽圧換気)の波形


≪IRV( 逆比換気)≫

  吸気時間を極端に延長させる。I:E=2:1など。
適応 : ARDSや肺水腫等のコンプライアンス低下重症呼吸不全患者(閉塞性換気障害には禁忌)


≪HFV (高頻度換気)≫

  生理学的呼吸数を著しく超えた人工呼吸法。振動数は300前後
作用としては、気道内圧の低下(肺損傷の予防、循環器系への影響軽減)や気道の振動(酸素化効率の改善、肺胞の虚脱の防止、気道分泌物の除去)がある


部分的補助換気様式(モード)

≪IMV (間欠的強制換気)≫

  人工呼吸器の回路を通し自発呼吸させながら、一定時間毎に設定された換気量を強制換気させる。
問題点 : 自発呼吸後すぐに強制換気が入るとファイティングが起こる。
適応 : 人工呼吸器からのウィーニング

IMV (間欠的強制換気)の波形


≪SIMV (同期式間欠的強制換気)≫

  IMVを患者の自発呼吸における吸気努力に同調させて行う。
設定 : 一回換気量、回数(同期させる回数)、トリガー(圧orフロー)、I:E比
適応 : ウィーニングに用いる

SIMV (同期式間欠的強制換気)の波形


補助換気様式(モード)

≪PSV (圧支持換気)≫

  患者の自発呼吸に合わせて、吸気時に呼吸回路に陽圧(サポート圧)をかける。
IMVやSIMVとは、呼気相への移行は患者自身が決めることや自発呼吸のない患者には補助換気が行えない点が異なる。

設  定トリガー(圧orフロー)、サポート圧
作  用呼吸仕事量の軽減 →呼吸筋疲労の軽減
換気量の増大
問題点吸気トリガー(自発呼吸)が小さいと作動せず、又吸気トリガーの軽減作用はない。
適  応SIMV、CPAPを併用してウィーニングに使用

PSV (圧支持換気)の波形


≪CPAP (持続気道陽圧)≫

  自発呼吸患者の自発呼吸全般にわたって気道内に陽圧(PEEP)をかける。肺胞虚脱の防止

CPAP (持続気道陽圧)の波形


≪APRV、BIPAP≫

  圧の異なるCPAP又はPEEPを繰り返す。呼気時の圧を低下することで呼出を楽にする。
BIPAPは、低いPEEPがAIPAPより長い

APRV、BIPAPの波形


非侵襲的陽圧換気(Noninvasive Positive Pressure Ventilation : NPPV)

  気管挿管や気管切開を行わずにマスクを使用して換気を補助する方式
適応には循環動態の安定、自発呼吸がある、意識が清明である、誤嚥を生じない、喀痰を自力で排出できるなどの条件が必要である。






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