酸塩基平衡
pH | 7.4±0.05 | | HCO3− | 22±2mEq/l |
PaO2 | 80〜100mmHg | | BE | 0±2 |
PaCO2 | 40±5mmHg | | SaO2 | 95%以上 |
酸塩基平衡
≪酸性物質の調節≫
炭酸ガス(CO2) : 肺で排泄・蓄積
不揮発性の酸(H2SO4、H3PO4) : 腎臓で排泄・蓄積
≪塩基性物質の調節≫
重炭酸イオン(HCO3-) : 腎臓で排泄・蓄積
≪緩衝系≫
急激なpH変化を防ぐ働き
@ 重炭酸緩衝系 A 蛋白緩衝系 B リン酸緩衝系
ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式
血液pHの緩衝作用(変化)として最も重要なのは、炭酸ガス(CO2)や重炭酸イオン(HCO3-) の炭酸・重炭酸緩衝系で、血中のpHは次式で表される。

血中のpHは、肺(呼吸性)で調節されるPCO2と腎臓(代謝性)で調節される[HCO3-]の濃度比によって決まる。pHが酸性側(下がる)に傾く病態をアシドーシス、塩基性側(上がる)に傾く病態をアルカローシスといい、pHが傾いた要因によって呼吸性と代謝性に区別する。
酸塩基平衡異常の4つのタイプ
@ | 呼吸性アシドーシス PaCO2の増加によりpH低下 要因 : 換気障害 |
A | 代謝性アシドーシス HCO3−の低下又は、H+の増加によりpH低下 要因 : 代謝性因子の障害(腎不全、糖尿病など) |
B | 呼吸性アルカローシス PaCO2の低下によりpH上昇 要因 : 過換気 |
C | 代謝性アルカローシス HCO3−の増加又は、H+の低下によりpH上昇 要因 : 代謝性因子の増加(大量の嘔吐、利尿剤投与など) |
酸塩基平衡障害の診断
@ pH
pH≦7.4 ⇒ アシドーシス
pH≧7.4 ⇒ アルカローシス
A 呼吸性・代謝性
《アシドーシス》 | | 《アルカローシス》 |
| PaCO2増加 ⇒ 呼吸性 (HCO3-↑・・・代償性) HCO3-低下 ⇒ 代謝性 (PaCO2↓・・・代償性) | | PaCO2低下 ⇒ 呼吸性 (HCO3-↓・・・代償性) HCO3-増加 ⇒ 代謝性 (PaCO2↑・・・代償性) |

過剰塩基(Base Excess ; BE)
PaO240mmHg、体温37℃の状況でpHを7.4にするのに必要な酸又は塩基の量
≪評価≫
正(+) | : | 塩基(HCO3−)の過剰(代謝性アルカローシス、代償性の呼吸性アシドーシス) |
負(−) | : | 塩基(HCO3−)の不足(呼吸性アルカローシス、代償性の代謝性アシドーシス) |
|