発振回路
繰り返し信号を発生する回路を発振回路と呼ぶ。増幅回路に帰還回路を介して正帰還をかける帰還形発振回路が用いられる。
LC発振回路
帰還回路をLとCで構成した発振回路をLC発振回路と呼ぶ。
発振が容易で、発振周波数も安定しているため、高周波帯でよく用いられる。
オペアンプは高周波帯では用いられないため、増幅回路部にはトランジスタやFETが用いられる。
水晶発振回路
発振周波数の決定に水晶振動子を用いたものが水晶発振回路である。
周波数安定度の高い発振を得ることができる。この発振周波数は水晶振動子の振動周波数と等しい
RC発振回路
帰還回路を抵抗とコンデンサで構成した発振回路をRC発振回路と呼ぶ。
発振の安定性はそれ程良くないが、LC発振回路が用いられないような低周波帯で用いられる。
パルス発生回路
マルチバイブレータ
ONとOFFの切換えは、CR時定数回路を用いるものとトリガを使ったものがある。
CR時定数回路によってON又OFFの時間を決めるため、コンデンサはタイマーの役割を果たす。
≪非安定マルチバイブレータ≫
安定状態がないパルス発生回路で結合回路は2つともCR結合となっている。外部トリガはない。
切替原理 | : | 2種類のタイマー(コンデンサ)で設定された時間間隔でONとOFFを繰り返す |
用 途 | : | パルス発生器として広く用いられる。 |
≪単安定マルチバイブレータ≫
安定な状態が一つあるパルス発生回路で結合回路は一方がCR結合、もう一方が直流結合となっている。外部トリガを一つ持つ。
切替原理 | : | 1種類のタイマー(コンデンサ)をもち、トリガでONになったら、タイマーがスタートしある時間後には自動的にOFFに戻り、又次のトリガでONとなることを繰り返す。外部トリガないと安定な状態を維持し、トリガの入力により一定幅の方形パルスを出力して安定な状態に戻る。 |
用 途 | : | 遅延回路、波形整形回路として用いられる。 |
≪双安定マルチバイブレータ≫
安定な状態が2つあるパルス発生回路で結合回路は2つとも直流回路。外部トリガを2つ持つ
双安定マルチバイブレータは、フリップフロップとも呼ばれる。
切替原理 | : | 外部トリガが入る度にONとOFFを繰り返す動作を繰り返す。従って、トリガが入ってこないと、その時点の状態(ON又はOFF)を保ち続ける。そして、次にトリガが入るとON又OFFに切り替わる。 トリガ2つ毎にONかOFFを繰り返すのでONまたはOFFの数を数えると、トリガの数は、その倍と判り、カウンターとして利用できる。 |
用 途 | : | 分周回路、2進計数回路、メモリ回路として用いられる。 |
波形変換回路
クリッパ
≪順方向ダイオードクリッパ≫
入力波形がある基準値以上の部分のみを取り出す回路

(@) Vi < E のとき | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ | (A) Vi ≧ E のとき |
| D : 遮断 電流が流れず、Rで電圧降下起きず → E=Vo | | D : 導通 R、Eでの電圧降下を出力 → Vi=Vo |
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≪逆方向ダイオードクリッパ≫
入力波形がある基準値以下の部分のみを取り出す回路

(@) Vi ≦ E のとき | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ | (A) Vi > E のとき |
| D : 導通 R、Eでの電圧降下を出力 → Vi=Vo | | D : 遮断 電流が流れず、Rで電圧降下起きず → E=Vo |
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リミッタ
入力波形の基準範囲外の部分を取り除く回路

(@) Vi > E1 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ | (A) −E2 ≦Vi≦ E1 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ | (B) Vi < −E2 |
| D1 : 導通 、 D2 : 遮断 Vi>E1はRで電圧降下 → E1=Vo | | D1 : 遮断 、 D2 : 遮断 Rで電圧降下起きず → Vi=Vo | D1 : 遮断 、 D2 : 導通 Vi<−E2はRで電圧降下 → −E2=Vo |
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スライサ
入力波形の極めて狭い振幅レベルにある部分だけを取り出す回路

(@) Vi > E2 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ | (A) E1 ≦Vi≦ E2 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ | (B) Vi < E1 |
| D1 : 遮断 、 D2 : 導通 Vi>E2はRで電圧降下 → E2=Vo | | D1 : 遮断 、 D2 : 遮断 Rで電圧降下起きず → Vi=Vo | D1 : 導通 、 D2 : 遮断 Vi<E2はRで電圧降下 → E1=Vo |
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変調回路と復調回路
変調回路
周波数の低い信号を有線や無線で伝送する場合、高い周波数の電波(搬送波)に乗せて信号を伝送する。 このように、信号を遠方に飛ばすために高周波に乗せることを変調と呼ぶ。
≪振幅変調(AM変調)≫
搬送波の振幅を信号の振幅に応じて変化させる。
≪周波数変調(FM変調)≫
搬送波の周波数を信号の振幅に応じて変化させる。
通信
復調回路
変調されて伝送された信号をそれから元の信号波を戻すことをいう。
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