電磁気学 その2

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  未熟な左手が作った臨床工学技士国家試験の電磁気学に関するよりぬきノートです。
誤りがございましたら、ご連絡下さい。


磁気力と磁界

磁極

磁極にはN極とS極が存在し、N極を+m[Wb]、S極を−m[Wb]で表す。
磁極は、電荷と異なりN極のみ、S極のみの分離した磁極は得ることができない。


磁気力

異極(N極とS極)は、互いに引き合う力が働く
同極 (N極とN極、S極とS極)は、互いに反発し合う力が働く


磁石

  磁石は両端にN極とS極が存在し、磁針が北を示す磁極をN極、南を示す磁極をS極と呼ぶ。
つまり、地球はの北極には磁気的なS極、南にはN極が存在する。
磁石を加温すると磁力を失う温度が存在する。その温度をキューリー点(温度)と呼ぶ


クーロンの法則

  距離r[m]離れた2つの磁極m1[Wb]、m2[Wb]の間に働く磁気力の大きさF[N]は次式で表される。
   クーロンの法則
磁極間に作用する力Fは、それぞれの磁極の大きさに比例し、磁極間の距離rの2乗に反比例する。
符号がプラスであれば、反発力。マイナスであれば、引き合う力(引力)を示す。


透磁率

  磁極を置いた空間の物質(媒質)によって異なる値をもち、透磁率は磁気を通す比率を表す。
真空・空気中では、μ0で表される。


比透磁率

  真空の誘電率μ0を1とした時にある磁性体μの透磁率を示したものでμrで表される。
   非透磁率
磁性体は、真空・空気中の透磁率は高いが、非磁性体では透磁率はそれとほぼ同じか小さい値を示す。
例) 鉄 : 500以上  ニッケル : 〜300  真空・空気 : 1.00  水・銅・銀 : 0.99


磁性体

  磁界内で磁化される物質を、一般に磁性体という。

≪磁性体の種類≫

種類語意
強磁性体極めて強く磁化される物質鉄、コバルト、ニッケル
常磁性体物質の中で比較的弱く磁化される物質マンガン、白金
反磁性体強磁性体と逆向きに磁化される物質銅、銀、金、炭素

磁界と磁界の強さ

≪磁界≫

  磁気力が働く場所や電流が流れている回りの空間を" 磁界 "又は" 磁場 "と呼ぶ。

≪磁界の強さ≫

  磁界の状態(方向と大きさ)を示す言葉で、記号を" H "、単位は" [A/m]、[N/Wb] "で示される。
磁界の強さは、単位磁極(m=1[Wb])あたりに作用する力の" 大きさ "と" 方向 "をいう。
   磁界の強さ
   磁界の強さ


磁力線

  磁界の" 大きさ "は磁力線の本数で" 方向 "は磁力線の向きで示す。
磁力線は、" N極 "から出て、" S極 "に入り込む。


磁力線の本数

  磁力線の総数Nは、磁極m[Wb]の強さとその周囲の媒質(透磁率μの物質中)によって異なる。
   磁力線の本数


磁束と磁束密度

≪磁束≫

  磁場中のある一定面積を通りぬける磁力線の垂直成分を足し合わせたもの磁束と呼び、記号を"Φ"、単位は"[Wb]"で示される。
磁束は、磁極の強さが同じであれば、どのような場所であっても一定の磁力線の数をもつ。

≪磁束密度≫

  磁束と直角に単位面積S(1[u])当たりに通る磁束Φ[Wb]を磁束密度と呼び、記号を"B"、単位は"[T]"で示される。
   磁束密度


磁気誘導

  磁性体に磁石が近づくと、近づいた磁極と異種の磁極が磁性体の近い端に発生し、遠い端には同種の磁極発生するため磁性体は磁石引き付けられる。この現象を磁気誘導という。


電流が作る磁界

直線電流の磁束密度

≪右ネジの法則≫

  1本の電線に電流Iが流れると磁界Hが発生し、電線に対して同心円状に磁束Φ(磁力線)が右回りの方向に発生する法則

右ネジの法則

≪1本の直線電流が作る磁束密度≫

  1本の電線に電流I[A]流れた場合、電線から直角方向に距離r[m]離れた点の磁束密度B[Wb/m2]≡[T]は次式で示される。
   磁束密度


コイル電流の磁束密度

≪コイル≫

  コイルとは、電線(銅線やニクロム線など)を巻いたものをいう。
コイルの持つ電気的特性をインダクタンスといい、記号を" L "、単位は" [H] "で示される。

≪円形電流の磁束密度≫

  1回巻きのコイルに電流が流れている(円形電流)場合、円形電流の磁束密度媒質(透磁率μの物質)中の半径r[m]の円形電流Iの中心の磁束密度Bは次式になる。
   円形電流の磁束密度
中心の磁界の強さHは次式になる。
   円形電流の磁束密度

≪N回巻きコイルの磁束密度≫

  N回巻きのコイルに電流が流れる場合、媒質(透磁率μの物質)中の半径r[m]の円形電流Iの中心の磁束密度Bは次式になる。
   円形電流の磁束密度
中心の磁界の強さHは次式になる。
   円形電流の磁束密度
磁界は円の中心に直線で方向は右ネジの法則に従う。

≪ソレノイド≫

  電線を円筒状に密に巻いたものをいい、ここで考えるソレノイドは、直径に比べて長さが十分に長く端の影響が無視できる。



電磁力

電磁力

電磁力

  磁界中で電線に電流を流れることで発生する電線が受ける力を電磁力と呼ぶ
一様な磁束密度B[Wb/m2]≡[T]の磁界の中に、電線を磁界と直角に置かれた場合、電流I[A]が流れると、電線には磁界の方向と電流の方向の両方に直角な方向に電磁力が作用し、導線の長さL[m]に作用する
電磁力F(N)は次式になる。
   電磁力
又は磁界の強さH[A/m]は次式となる。
   電磁力


平行電流の電磁力

  2本の長さL[m]の平行な電線に電流が流れた場合、媒質(透磁率εの物質)中の電線間の距離をr[m]、電流をそれぞれI1[A]、I2[A]とすると、電線間に働く電磁力F[N]は次式で表せる。
   電磁力
電流が同方向ならば、引力。反対方向ならば斥力(反発力)の電磁力Fが起こる。


左手の法則

フレミング左手の法則(電磁力の方向)

  磁界中に電線を置き電流を流した場合
発生する電磁力の方向は" 左手 "の" 中指 "が" 電流方向 "、
" 人差指 "が"磁界方向"、" 親指 "が"電磁力の方向"となる。(電動機)



電磁誘導

電磁誘導

  電界の変化が磁界を生じ、磁界の変化が電界を生じる電界と磁界との相互作用を電磁誘導と呼ぶ。


誘導起電力

  一様な磁束密度B[Wb/m2]≡[T]の磁界の中で、長さL[m]の電線を、磁界方向と直角に速さv[m/s]で動かせば、導線の両端に起電力E[V]が起こり、電流が流れる。この電磁誘導で発生した電圧を誘導起電力、流れた電流を誘導電流と言う。
誘導起電力は、次式で表される。
   誘導起電力

左手の法則

フレミング右手の法則(誘導電流の方向)

  磁界中に電線を置き、電線に力を加えた場合、発生する誘導電流の方向は" 右手 "の"中指"が" 誘導電流方向 "、" 人差指 "が" 磁界方向 "、"親指"が" 力の方向 "となる。(発電機)


ファラデーの電磁誘導

 コイルに鎖交する磁束が刄ウ[Wb]変化すると、誘導起電力E[V]が生じる。
誘導起電力Eの大きさは、磁束Φの変化の速度の大きさに比例する。
   ファラデーの電磁誘導
又、n回巻きのコイルでは、誘導起電力Eはn倍に比例する。
   ファラデーの電磁誘導


レンツの法則(誘導起電力の方向)

  電磁誘導によって生じる起電力の方向は、起電力によって流れる電流が発生する磁束が、元の磁束の変化を妨げる方向となる。誘導起電力は、電流又は磁束の増減を妨げる方向に電圧を発生させるため逆起電力とも呼ばれる。






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