電磁気学 その3

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  未熟な左手が作った臨床工学技士国家試験の電磁気学に関するよりぬきノートです。
誤りがございましたら、ご連絡下さい。


インダクタンス

自己誘導

  コイルに電流が流れるとその電流によって磁束が発生する。電流が変化すれば、磁束も変化するため電流の増減を妨げる方向(レンツの法則)に誘導起電力が発生する。この現象を自己誘導と呼ぶ。


自己インダクタンス

  コイルに電流を流した時に電流によって発生するコイルに鎖交する磁束Φ[Wb]は、電流I[A]に比例する。この比例定数を自己インダクタンスLという。
   自己インダクタンス
磁束が鎖交する面積をS[u]とすると、磁束密度B[T]は、次式で示される。
   自己インダクタンス


自己誘導起電力

  自己インダクタンスL[H]のコイルに、時間冲[s]の間に電流が僮[A]変化すると電流の増減を妨げる方向(レンツの法則)に自己誘導起電力(逆起電力)V[V]が生じ、次式となる。
   自己誘導起電力


ソレノイドのインダクタンス

ソレノイドのインダクタンス

  媒質(透磁率μの物質)中ある半径r[m]、長さl[m]、巻数N[回]のソレノイドに電流I[A]が流れた場合、ソレノイドソレノイド内部の磁束密度B[T]は、次式で示される
   ソレノイドのインダクタンス
  又、磁束が鎖交する面積をS=r2π[u]とすると鎖交する磁束は、ソレノイドの巻き数N[回]で交わっているため、自己インダクタンスL[Wb/A]≡[H]は、次式で示される。
   ソレノイドのインダクタンス
  ソレノイドで長さl[m]と断面の面積S [u]が同程度に短くなると、内部での磁界の分布も拡がっていく。そのときの自己インダクタンスL[Wb/A]≡[H]は次式になる。
   ソレノイドのインダクタンス


環状鉄心(トリイダルコア)のインダクタンス

トリイダルコアのインダクタンス

  コアの中心までの半径がR[m]、長さがl=2πR[m]、断面の半径がr[m]、透磁率がμの環状鉄心(トロイダルコア)にコイルをN[回]巻き、電流I[A]を流した時に発生する鉄心内の磁束密度B[T]は、次式で示される。
   トリイダルコアのインダクタンス
  又、磁束が鎖交する面積をS=r2π[u]とすると鎖交する磁束は、コイルの巻き数N[回]で交わっているため、自己インダクタンスL[Wb/A]≡[H]は、次式で示される。
   トリイダルコアのインダクタンス


コイルに蓄えられるエネルギー

  自己インダクタンスL[H]のコイルに、電流I[A]流した時、コイルに蓄えられるエネルギーW[J]は、次式で示される。
   トリイダルコアのインダクタンス



相互インダクタンス

相互誘導

  2つのコイル1、コイル2を磁束が通るように近接しておかれている。コイル1にI1[A]流した時、コイル1に鎖交する磁束が生じ、その磁束はコイル2にも鎖交するためコイル2に誘導起電力V[V]が発生し,電流が流れる。この現象を相互誘導と呼ぶ。


相互インダクタンス

  相互誘導で生じた電流I2[A]は、コイル1によってコイル2の鎖交した磁束Φ2[Wb]に比例する。この比例定数を相互インダクタンスMという。
   相互インダクタンス
  コイル1に時間冲[s]の間に電流が僮1[A]変化したときに発生する逆起電圧をV1[V]とし、コイル2に生じた起電力をV2[V]、時間冲[s]の間に変化した電流を僮1[A]とすると次式が成り立つ。
   相互インダクタンス



変圧器(トランス)

原理

  相互誘導を利用したものが変圧器である。
変圧器の一次コイルに交流電圧E[V]を加えると、一次コイル側にはV1[V]、二次コイルにはV2[V]の誘導起電力が発生する。交流電圧は、絶えず変化しているため、電流も絶えず変化する。すると磁束も変化し、誘導起電力が発生し続ける。
一次コイルで発生した磁束がすべて二次コイルを貫き、一次側の自己インダクタンスが非常に大きい理想変圧器では、相互インダクタンスを考えなくてよい。


巻き数と電圧、電流、抵抗、電力の関係

  一次コイルの巻き数をN1、電圧をV1[V]、電流をI1[A]、抵抗をR1[Ω]、電力W1[J]とし、二次コイルの巻き数をN2、電圧をV2[V]、電流をI2[A]、抵抗をR2[Ω]、電力W2[J]とすると
電圧は、コイルの巻き数の比に比例する変圧器(トランス)
   変圧器(トランス)
電流は、コイルの巻き数の比に反比例する。
   変圧器(トランス)
抵抗は、コイルの巻き数の比の2乗に比例する。
   変圧器(トランス)
電力は、コイルの巻き数に関係なく一定
   変圧器(トランス)

コイルの巻数との関係例) 1次側の電圧を10[V]、電流を10[A]とすると
一次側
コイル巻数比 : 1
二次側
コイル巻数比 : 5
電圧巻数に比例10 [V]50 [V]
電流巻数に反比例10 [A]2 [A]
抵抗巻数の2乗に比例1 [Ω] 25 [Ω]
電力巻数に無関係に一定100 [J]100 [J]

電気的エネルギーの損失

  電気的エネルギーの損失は、銅損、鉄損(うず電流損)、ヒステリシス損がある。電力を輸送する時、送電線の抵抗による電力損失を少なくする為、送電側の電圧を高くして送るために、変圧器は重要な役目となる。



シールド

静電シールド

  接地された導電率の高い良導体(銀、銅、金など)で完全に囲んだ領域外部(内部)の電界は、内部(外部に殆ど影響を及ぼさない。
静電界でない場合でも低周波電界(商用交流など)は、静電シールドで除くことができる。


磁気シールド

  透磁率の高い金属(鉄、コバルト、ニッケルなど)を厚い層にして完全に囲んだ領域外部の磁界は、内部への磁界影響を小さくすることができる(完全な遮断は行えない)。


電磁シールド

  高周波による電界と磁界の影響は、導電率の高い良導体(銀、銅、金など)で完全に囲むことで領域外部の電界は、内部に影響を及ぼさない。接地は必要ない。
電磁シールドは、うず電流による表皮効果を利用しており、高周波であればあるほどシールド効果は高くなる。→低周波より高周波の方がシールドしやすい。
変動磁場のシールドには導電率の高い金属と透磁率の高い金属を交互に組み合わせて用いる。
マイスナー効果を用いた超伝導体は、シールド用材料として理想的である。






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