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その11.ホステスバイト歴で日テレ女子アナ内定取り消し

こんにちは、社会保険労務士の吉田です。

現在、ニュース等でも話題になっていますが、東京・銀座のクラブでホステスのアルバイトをした経験を理由に、日本テレビのアナウンサーの内定を取り消しされたのは、不当解約だとして、大学4回生の女性が日本テレビを相手に訴訟を起こしました。
日本テレビ側の主張としては、
『高度の清廉性が求められるアナウンサーの採用過程で、ホステス経験を申告しなかったのは虚偽申告にあたる』
とのことですが、まあ、女子アナという職業に、そこまで純情可憐な幻想を皆が持っているのか。ホステスという職業が、そんなに卑しめられなければならないものなのか、は一旦置きまして、法律的に内定取り消しが認められるのはどういった場合なのかについて考えたいと思います。

内定取り消しが正当と認められる具体的な事由は以下の通りです。
① 学校を卒業できなかった場合。
② 入社の際に必要と定められた書類の提出や免許・資格の取得ができなかった場合。
③ 健康を著しく害し、勤務ができない場合
④ 面接内容や履歴書や誓約書などの提出書類に事実と「重大な相違」があった場合。
⑤ 刑事事件等、採用に差し支えるような犯罪を犯した場合。

さて、今回の事件の場合は、この女子生徒が履歴書の経歴欄にホステス経験有りと記載しなかったことが、④の「重大な相違」と言えるのかどうかが争点となります。
うーん、どうでしょう。個人的には日テレ側の主張が認められるのはかなり難しいのではないかと思います。
ホステスという職業自体、法に触れているわけでも何でもなく、きちんとした職業なのですから。
もし、仮にそういった水商売の経験者が、女子アナとしてふさわしくなくと考えるのであれば、内定を出す前に、きちんと今までの職歴について本人に確認しておくべきだったでしょう。

とはいえ、この女性をそのまま採用して、人気女子アナになってから、学生時代にホステスの経験があり、なんてことをマスコミに騒ぎ立てられたら面倒だという、日テレ側の心情も理解できなくはないんですが...
今のご時世、学生時代にホステス経験ありなんて言ったところで、まあ、そういうこともあるよね、程度だと思いますし、実力のある方であれば、それをバネにさらに大きく活躍されることもあるでしょう。

「職業に貴賎なし」です。
女子アナが清廉な職業で、ホステスが卑しい職業だなんて考え方がすでにおかしいですよね。
なんにせよ今回の件で、日本テレビは少し株を下げましたね。