羽織(はおり)物語

羽織姿の有名絵画

羽織姿といえば、鏑木清方画伯が描いた「築地明石町」の黒羽織を着た女性を思い浮かべます。

情緒深いあの羽織 が、現代でいう「長羽織」にあたります。

羽織の長さは、短かった

羽織といえば、戦後昭和40年代半ば頃まで、軽快感のある中羽織一辺倒でした。

その時代には、それなりにマッチしていたのです。

が、洋装のミニスカートがミディに 変化した一方、ファッションとして変化出来なかったために、羽織は「古臭い」 過去のアイテムとして、葬り去られていました。

またファッションとしての側面以外に、呉服に携わる一部の人たちが、より高額のきものや袋帯を売ろうとして、羽織を否定する流れもありまして(消え去った黒絵羽織 がその典型ですが)、すっかりきものファンにも忘れられてしまいました。

一度、羽織のブームはきたかと思ったが…

いまから15年ほど前に、きものナショナルチェーン鈴乃屋の小泉清子さんが、きもの女性に羽織を復活させようとされたのです。

が、残念ながら掛け声だけで終わってしまっ たように思います。理由として(個人的な思いですが)、ファッションとしてお客様に納得していただける商品が出来なかったからでしょう。

販売する人も、作る人も、何を作ったらよいのか、どの様に販売したら良いのか、分からなくなっていたからでしょう。

21世紀に羽織はふたたび、スターダムに

【はおる-長羽織の魅力】着物と羽織の堀一商事株式会社今日、大人の女性がきものをファッションとして捉えるようになりました。

ちょっとあらたまった着物にも、紬や小紋などの街着(おしゃれ着)にも、トータルなファッションとして、長羽織の人気が高まっています。

その延長線上に「長羽織」が登場して来たのです。 「長羽織」は、正に「きものは、大人のファッションアイテムとして最上のものである」と 理解された方達に支持され、期待されて21世紀に復活したのです。

きものの世界も進化している

ファッションは、従来のルールや常識を打ち破り、若い人達から時代・感性にあった着かた装い方を通して世の中を変えてきました。

「きもの」の世界でも、洋装の様に極端ではありませんが、でも確実に変化しています。

新しい時代の羽織ファッション

【はおる-長羽織の魅力】着物と羽織の堀一商事株式会社ショートカットの髪ほうが、きものはカッコいいのです。

大仰な柄付けの訪問着より、素材感のある紬やアンティークな味やシャレた色使いの小 紋のほうが、カッコいいのです。

訪問着に羽織は着ない。と誰が何時決めたのですか。 しきたりに縛られて、「きものを楽しむ」ことを忘れてはなりません。

個性的でかっこいい、羽織を

訪問着にも以前と違って、おしゃれな柄付けのものや、素材に紬を使ったもの等礼装 目的でないものが、随分見られるようになりましたね。

そんな訪問着にお気に入りの 長羽織を羽織ってみたら如何でしょうか。 ご自分のきものや感性にあった「長羽織」を、楽しんでみてはいかがですか。

自分で着れる着物

素敵なあなたにお願いです。

絶対、ご自身できものが着れる様になって下さい。

自分できものが着れる様になったら、きものがモット楽しくなります。世界が変わります。

英会話と一緒です。文法を知らなくても、話せたらそれだけで十分でしょ。 ボランティアに近い着付け教室も身近にあるはずです。お友達に教えてもらっても良い事だし。 きものは、楽しむものと心得ましょう。

羽織はもともと男のためのものだった

羽織はもともと男子の衣装の一つでした。羽織という名称は、放って着たからとか、 鳥の羽で織った布を用いた陣羽織からともいわれています。

形については、道服(法衣)や、昔、 僧侶や医者が着た十徳(じっとく)という衣がルーツともいわれています。

江戸時代に入ってから武士の日常着になった羽織は、役人から町人まで、洒落着として盛んに 着られていました。 この頃の羽織丈の変わりようは目まぐるしく、極端な場合はきものと同じ丈の羽織があるほど でした。

江戸時代に、女性むけの羽織が

江戸後期になって女羽織が誕生しました。深川の芸者が黒羽織を着るようになり「羽 織芸者」とか「辰巳芸者」と呼ばれました。伊東深水のこんな詩があります。

辰巳はよいとこ素足が歩く 羽織はお江戸の誇りもの 八幡鐘が鳴るわいな

女性が羽織を着るようになったのは明治から

明治に入ってからは、一般女性も着るようになりました。

皆の憧れは鏑木清方「築地明石町」の 羽織姿です。その想いは今日甦りました。

大正から昭和にかけては、大胆な柄も多く見られ、女性たちの羽織への思い入れがいかに強か ったかが偲ばれます。

その当時、きものを作ったら羽織も誂えるのが普通でした。

昔は現代のように暖房設備が整っていませんでしたので、羽織はお洒落であるのと同時に、防 寒着でもありました。

 

大橋歩さん(背のかわいいおバちゃまです)

50年ほど前に当時の若者に人気のあった、雑誌「平凡パンチ」表紙のイラストや、 最近ではキモノや生活エッセイでおなじみの方です。

彼女は大 のきもの好きで、自著の中で次のように語っておられます。

私は長めの羽織が好きです。…略… まずつくって着てみる。それで私にとっていいか悪いかを判断したいと 思いましたので、長めのをつくりました。着てみましたら、私にはバランス がよいように思えました。それ以来羽織は長めで通しています。母はアナタ らしワ、といいました。呉服屋さんは好き好きですからとおっしゃいました。…略… 羽織は体の線(お腹のあたりやお尻の線)をかくしてくれます。中年向き なのです。紬のごわっとした着物の上に、やわらかなちりめん地の羽織を はおるとなんとなく気持ちもやわらかになります。だから私好きなのです。…略… 羽織は着物一枚では外を歩くのに寒くなってきたあたりから、例えば 洋服でいえばジャケットを着る方があたたかいから着るみたいに着てい ます。秋も深まった頃から春まで着ます。…略…。

1997年に書かれたエッセイです。

 

近藤富枝さんは、自著の中で次のように述べられています。

羽織の美しさは後姿で、衣紋(和服の襟の、胸で合わさるあたり)の辺りから背にかけての線。 きものと羽織の重なりは、いってみれば絹の饗宴という感じがする。 互いに響き合い、互いに引き立て合う関係はきものと帯を親子に例えるなら、こちらは夫婦とい った間柄である。…略… 現代では暖房が完備されていたり、車社会になったせいで、羽織を着ることが、一般的には少な くなった。防寒の意味はなくなっても、きもの姿に変化を与えるお洒落着として、もっともっと 着てほしい羽織である。 と、

羽織の味わい深さを強調されています。 羽織って、いや「21世紀は"長羽織"」って、好いと思われませんか。

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