一分間のまばたきの回数　平均

平常時約２０回　　　読書時約１０回　　　パソコン作業時約６回！

ドライアイで目が乾くと、次第に角膜に傷がついていきます。
これが目のかすみや疲れ目、視力低下の原因となります。
疲れ目の人を調べると約半数の人はドライアイで角膜表面に
キズが入っていました。
最も注意したいのは深夜の乾燥した部屋でのパソコン作業で、
しかもコンタクトを装着していると危険度はさらに上がります。

涙が不足する原因として脂分の不足があります。
この脂は、上下まぶたの内側にそれぞれ２０個程開いている
マイボーム腺という穴から瞬きとともに出てきます。この脂は
涙の表面に浮かんで涙の蒸発を防いでくれています。この脂
が不足してくると涙が蒸発していきドライアイに進行します。

ハードコンタクトではレンズ裏面に涙が吸込まれるためレンズ縁
の外側で涙不足になり、ソフトコンタクトでは、レンズ表面の涙の
上にのっている脂分が広がりにくいため涙が蒸発しやすくどちらの
レンズもドライアイになりやすいです。酸素透過性がよいレンズ
を使用しても、コンタクトをはずさない限りドライアイは解決できません。

夜になると、だれでも基礎的な涙の分泌量が減ります。パソコン
に限らず読書など、すべての近くを見つづける作業はまばたきが
減るので、角膜表面の涙量が急激に不足します。
普段からドライアイ気味の人は特に注意が必要です。

ドライアイを防ぐため、部屋の湿度を一定に保つようにします。
また、作業中はエアコンの風が目に直接当たらないようにし、
意識的に瞬きをするようにします。
ディスプレイ画面は目線より下に置くようにすると、瞼が眼球
にかぶさり目が乾きにくくなります。

パソコン作業時は、画面と目の距離を５０ｃｍ程離し、
最低一時間に一回以上は目を休め遠方を見る機会を
つくるようにします。目線より下に画面があれば、遠方
に目線を送ることが楽にできます。

ディスプレイ画面の輝度とコントラストはやや控えめに落とします。
画面の中には窓や照明の光が映りこまないようにし、部屋が暗い
ままパソコンの周囲だけを明るくしないように気を付けます。

長時間の作業による目のしょぼつきは血行不良のサインです。
水で絞ったタオルを電子レンジに入れて数十秒。やけどをしないよう
気をつけて３～５分間目をおおうようにしてパックします。目を温めると
マイボーム腺のつまりを取って脂が出やすくなります。脂が正常に出る
ことにより、涙の蒸発を防ぐことができます。また血管が広がり血行が
改善されます。
（白目部分が赤く充血している時は温めないようにしましょう。）

東京慈恵医科大学の高橋講師は疲れ目対策に目を温める事を勧めて
います。10分間温めると調節力が0.50Ｄ以上増えた人が44％で、これは
単に10分間目を閉じた場合よりも約２倍の効果だといいます。特に40代
だと５倍の効果が出たそうです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（朝日新聞2002.11.12）

逆に充血した時は冷やすことで炎症をしずめ、充血を取ります。目の
充血は炎症と同じ状態。冷やしたタオルで３～５分間目をおおうようにします。

パソコン作業中も時々遠くや近くを交互に見て、毛様体筋を固定させない
ようにします。自分の指先の指紋を見て、ゆっくりと離れた壁や窓の外に
視線を移します。２～３回繰り返すだけでも効果があります.。

特に影響が大きいのはビタミンＡ（βカロチン）で、不足するとドライアイ
や夜盲症の原因になります。主な食品として、うなぎ、レバー、にんじん、
ほうれん草、パセリ、かぼちゃ等があります。ビタミンＡは油に溶けやすい
性質があるので調理には油を使った方が吸収がよくなります。また、疲れ目
の解消にはビタミンＢ６、水晶体をきれいに保ち白内障の予防になるのは
ビタミンＣが有効です。

目の網膜と視神経の中には５０～６０％ものＤＨＡが含まれています。
ＤＨＡは神経細胞に入りこみその膜を柔らかくします。膜が柔らかいほど
神経細胞同士の情報伝達はスムーズになります。またＤＨＡにはスポーツ
をされる方の動体視力を高める作用もあるという報告もあります。ＤＨＡは
魚類に多く含まれています。

第二次世界大戦中、ブルーベリージャムを食べていたイギリス空軍の
パイロットが夜間攻撃の際に、薄明かりの中で物がよく見えたという証言
に基づきその効果が注目されはじめました。ブルーベリーの色素である
アントシアニンという成分が目によく、夜間視力の回復、目の疲労回復に
効きます。最近の研究では、網膜剥離の予防にも効果がある事が報告
されています。

カクテルのリキュールとして知られるカシスには、ブルーベリーよりも
即効性がある成分が多く含まれている事がわかってきました。その中でも
特に抗酸化性の高いデルフィニジン類はブルーベリーより数十倍の含有
効果があり、毛様体筋を柔らかくし、目の疲労を防ぎます。ヨーグルトと
一緒に取ると効果倍増です。

ツボを刺激する時は息を吐きながら。どれも５～１０秒位３～５回。
眼球を直接押さないように注意してください。