(2004)
2004.08.25・26
09.29 帝国劇場
トークショー
8/25(ソワレ) | 8/26(マチネ) | 9/29(ソワレ) | |
エンジニア | 市村正親 | 橋本さとし | 市村正親 |
キム | 松たか子 | 知念里奈 | 松たか子 |
クリス | 井上芳雄 | ||
ジョン | 坂元健児 | 今井清隆 | 岡幸二郎 |
エレン | ANZA | 高橋由美子 | |
トゥイ | 泉見洋平 | ||
ジジ | 高島みほ | 杵鞭麻衣 | 高島みほ |
タム | 足立和優 | 畠山紫音 |
ハムレットの時、『もう当分東京に来る事もないだろうなあ。』と思っておりましたが、
一年もたたないうちにまた行ってしまいました。(それも2回...。しかも29日は
午前中仕事で午後から出かけ、日帰りですものっっ。ほほほ。バカよねえっっっ。)
前回のサイゴンは観ておりません。CDだけはずっと以前に買ったんですが聞いたのは
一度きり。(誰にも救いがない話だったので、気が重くて...。)
曲自体は好きなんですが、内容が...うぬぬぬ。
ツッコミどころは満載ですが、それは横に置いておいてと。
市村エンジニア。もう何も言うことございません。したたかで凄みすら感じます。
踊る踊る市村氏(笑)。どんな手を使ってでも夢をつかむであろうエンジニアです。
橋本エンジニア。女を食いものにするサイテー男のはずなのに、どことなく人の良さ
(甘さ?)が感じられます。いつも後一歩でポシャってしまうエンジニアでしょうか(笑)。
お調子者で無邪気なところもあってミョーにかわいいのです。
次は何をやらかすのかと目が離せません。
(橋本エンジニアは夢をつかみ損ねそうなんですよねえ。)
そして井上クリス。観劇する前は『お前がすべて悪いっ!!天誅っ!』と言って、
後ろから蹴り倒したくなったらどうしようかと思いましたが、幸いその気になりません
でした(笑)。
あまりにもぼろぼろで、これからの彼の未来も予測出来てしまって、ののしる言葉も
失います。(あまりにも甘い世間知らずのぼんぼんだったのよねえ。)
一生懸命なんですけど自分のことでいっぱいいっぱい。余裕がないためにすべてが
後手後手、裏目裏目にでて結局自分を自滅に追い込んでいる、そんな感じでしょうか。
(身喰いするように嘆いている井上氏を見ていると、なおさらキムの捜索を簡単に
あきらめそうにないんですけどねえ。5年でも10年でも、どんな手段を用いても、探し
続けていそう。)
エレン。気の毒な人NO.1(タムを除く。)。クリスにかかわったためにえらい目にあった
不幸な人。夫は毎夜うなされながら別の女の名を叫び、何も教えてもらえず、ある日
突然夫に子供がいることを知らされる。不安と嫉妬にかられて、ついぽろっと言って
しまった一言で相手が自殺。普通に善良な彼女はたまらないでしょうね。
(タムを見る度に罪の意識にさいなまれて自分達の子供などつくれないでしょうし。
離婚したくても優しい彼女のこと、精神的に破綻している夫とタムを見捨てられない
でしょうしねえ。)ANZAエレン。外人顔でふくよかな彼女はまさにアメリカ人。
でもちょっとインパクトが弱いかな。もう少しクリスを包み込むような雰囲気が欲しい。
高橋エレン。高音ちょっと苦しそうな時もありましたが、表情豊かなエレンです。
妻のプライド。夫の子を産んだキムに対する嫉妬、羨望。夫をとられるのではないか
という不安、苦労して必死に生きてきたキムヘの同情。さまざまな感情が入り混じって
実に複雑な表情をうかべています。(松キムとのバトルはなかなかの見ごたえです!)
トゥイ。不憫なお人NO.1(爆笑)!今回私の中で一番のツボです。
泉見トゥイ。はまりました!いい声!むっちゃ好きなタイプの声です!
(キム、なんでトゥイやったらあかんの?クリスより甲斐性あるで!)
狂犬どころか、なんだか優しい。子供の頃から実はキムが好き。婚約して嬉しいくせに
意地っ張りで、女の子に優しく出来ない。(好きな子をついいじめて逆に嫌われるタイプ。)
探して探してやっと見つけたら、憎っくきアメリカ人に横取りされてる。米軍が撤退
今度こそ!と、キムのため出世して迎えにいったら、そヤツの子供がいて拒絶される。
しかも殺されてしまう。ああ、なんて不憫な男なんだ〜!。(普通、権力者にのしあがる
ほどのやり手の男なら結婚相手はよりどりみどり。娼婦に身を落とした婚約者なんて
さっさと捨てるでしょうに。ほんとは優しくしたいのに逆上してついののしってしまう。
恋愛に不器用でどんくさ〜いいかにも東洋人。ああ不憫!!)
ぶちぶち言いながらもやっぱり三回も通ってしまう私は東宝の策にまんまと
はまっております(笑)。
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2004.09.05 フェスティバルホール
MC(ヴァンス・アヴェリー)、サリー・ボウルズ(アンドレア・マカードル)、
クリフォード・ブラッドショー(マイケル・カリー)、シュナイダー(ルーシー・ソルッコ)、
シュルツ(ジョン・リトル)他。
20世紀初頭のベルリン。
新作を書くためにやってきたアメリカ人小説家クリフォード。列車の中で知り合った
ドイツ青年エルンストにシュナイダー女史の下宿屋を紹介される。
大晦日。キャバレー《キット・カット・クラブ》を訪れたクリフは歌手サリーと出会う。
その後、キャバレーをクビになったサリーはクリフの下宿に転がり込み、
二人の共同生活が始まった。
やがてサリーの妊娠が発覚、自分の子供かもしれないと考えたクリフはエルンストの
持ちかける極秘の仕事を高額の報酬で引き受ける。
下宿屋では大家のシュナイダー女史に恋心を抱き、毎日のように果物を届ける
シュルツの姿がある。
二人の婚約パーティの席にエルンストが訪れ、『ユダヤ人との結婚は賢明ではない。』
と忠告する。老婦人は結婚を白紙に戻すとシュルツに告げた。
キャバレーで再び歌えることになったサリー。しかしクリフは賛成しない。
この町を出ようと持ちかけるが、サリーは部屋を出て行ってしまう。
朝帰りしたサリーはクリフに告げた。『子供は堕ろした。』と。
それでもパリで待っていると旅券を渡し、クリフは旅立った。
開演前から、きわどい衣装の役者さん達が客席を漂っています。
またしても友人はいかついおにーさんにつかまり、手にキスされてました。
(よくとっつかまる子や。笑)
脂粉と紫煙が感じられそうな程、なんとも退廃的なにおいのする芝居でした。
同じキャバレーでもサイゴンとはえらい違いです。(まだサイゴンの方が何が何でも
生きる、ここから抜け出す!といった健康的で前向きな命の熱さを感じます。)
なんというのでしょう?あきらめ、生きながら死んでゆく感じでしょうか?
しかーし!かっこええんですわ!主要人物以外のアンサンブルはオケもかねており
踊るわ、歌うわ、きわどい衣装のまま演奏もするわ、皆さん本当に芸達者!!
決してスタイルが良いわけではないんです。どちらかといえば線の崩れた感じ(失礼)
なんですが、それがまたいかがわしくてよいんですよねえ。(層が厚い!日本の役者
さんにはほとんど見かけないタイプです。みんな健康的ですもの。)
クリフに結婚をあきらめるなと説得されるシュナイダー婦人。
『私にどうしろというの?!今までどんなことがおきても、私はここでずっと
下宿屋をやってきたわ!簡単に出て行くことの出来るあなたとは違う!
私にはここしかない!ここで生きてゆくしかないのよ!』
(字幕はこんな感じだったと思うんですが、ああ覚えてない〜っっ。)
老婦人の悲哀。ひっそりと去ってゆくやさしい老紳士。切ない〜。
進行役のMCことヴァンス氏。要所要所でおいしい人です。
ゴリラの彼女と風刺をこめて踊ってみせる彼は笑わせてくれるんですが、
とても胸にぐさりとくるんです。
ラストシーン。MCは着ていた革のロングコートの前をはだけます。現われた囚人服。
そして胸にはダビデの星。爆音が響き、人々のシルエットだけが浮かびます。
『MC、あんたもか!あんたもいってしまうんか?!』と思いながら観てました。
全く前知識なしで観たもので、こんな切ない話だったとは。
そして初めての経験。地震によるショーストップ。
セットの上の役者さん本当に怖かっただろうなあ。いつ余震がくるかわからない中、
客席と舞台の連帯感(一体感?)がありました。
舞台再開直後に《What Would You Do?》を見事歌い上げたシュナイダー役の
ルーシー女史に拍手喝采!
カーテンコールでも、やったぞー!という様子でヴァンス氏は満面の笑み。
しかし、その濃ゆーいメイクで全開の笑顔はちょっと怖かった。(ごめんなさい。)
また来てください!今度は地震も台風もこないことを祈って。
(Yoshio Inoue)
神の御子は (賛美歌)
The Grand Paradel (Grand Hotel)
T Got Rhythm (Crazy For You)
僕こそ音楽 (MOZART!)
The Cafe Song (Les Miserable)
Why God, Why? (Miss Saigon)
さくら〜独唱〜 (森山直太郎)
You Are The Top (井上陽水)
黒のクレール (大貫妙子)
The American Dream (Miss Saigon)
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2004.11.13
12.04 梅田コマ劇場
エリザベート(一路真輝)、トート(11/13・山口祐一郎、12/4・内野聖陽)
フランツ・ヨーゼフ(鈴木綜馬)、ルドルフ(11/13・パク・トンハ、12/4・浦井健治)
ルキーニ(高嶋政宏)、マックス(村井国夫)、ゾフィー(初風諄)、
ちびドルフ(光平崇弘)、エルマー(11/13・今拓哉、12/4・藤本隆宏)他
― 棺に始まり、棺に終わる ....。 ―
暗殺者ルイジ・ルキーニ。
100年間夜毎開かれる彼の最後の審判。墓から次々と現われるかつての時代の人々。
棺から取り出される皇后。ハプスブルクの栄光と滅亡の再現劇が今また死人達によって
演じられようとしている。
『ぶ、不細工...。』(思わず口に出して言っちゃった。)
ええ、かの悪名高きLEDのことです。なんなんだ!この幼稚園児の落書きのような
いいかげんな背景の映像わ!!いつからエリザはお笑いになったのだ!!!
なんだか場末のキャバレーの安っぽいネオンのよう。(号泣)
《夜のボート》のシーン。映像が映ってなくても、ライトに電球のつぶつぶが照らされて
そこが壁であることを思い知らされちゃうんですよおお〜っっ海辺じゃないんです!!
現実にひきもどされるんです〜っっ!だーっっ!(電球はずしたろか!とか、
工具を持ってケーブル切断したろか!などと真剣に!考えてしまいましたよ。)
トート隊も今回はちょっと嫌かもっっっ。あまりにも元気良く横でさくさく、ちゃかちゃかと
踊られると気分が萎える、退廃的なヨーロッパの雰囲気にひたれない〜(T_T)
『ええいっ!ちょっとじっとせんかいっ!!落ち着かんわ!』と言いたくなるんです。
(今回は階段ずるずるが削除されてしまった...。結構不気味で好きだったのに。)
は〜。ため息ばかり。なんだか今回はなにもかもが《ごちゃごちゃしてる》という感じ。
結婚式のシーン。友人曰く、『閣下がトイレットペーパーをからからしてる。』
絶句...。た、たしかに。ペーパーホルダーからひっぱりだしたペーパーで、列席者を
ぐるぐる巻きにしているように見える。(心の底から爆笑!)
《闇が広がる》の振り付けも前回のほうが好きでした。(〇塚版の閣下がルドルフの
腕をとり、ルドルフが後ずさるというのに変えられているのです。あれはひとつ間違えれば
ルドルフがものすごくヘタレに見えるので嫌なんですよおおおっ!)
小池先生!お願いだから、振り付けと背景は以前に戻してください...(号泣)。
はい、そして御大の一路皇后様と鈴木フランツ陛下。
お二方にはもう何も申し上げることはありません。時間経過ははっきりわかりますし、
より自然になられたと申しましょうか。
綜馬フランツ。マザコンで母親の言いなりの人形のような青年時代。
自分の意志で妻を選んだものの、妻の心が理解できずふたりはいつもすれ違い。
さびしさから一時の過ちを犯し、妻の信頼をなくしてしまう。
やがて母とも決別するがすべては遅すぎた。あまりにも不器用で悲しい皇帝陛下。
(気を取り直して)
それではまず高島ルキーニ。前回に比べると猟奇さがなくなりました。
でも、安心して観ていられます。(CDだけは各国のエリザを買い集めて聞きました。
ルキーニもいろいろなのですが、私は高島兄が一番!でございます。)
山口トート。やっとあなたにお会いできました(笑)。今までテレビの短い映像でしか、
見たことがないもので。やっぱり歌は一番上手い!
目の当たりにして、感じたこと・・・・なんて【俺さまなトート】なんだ!(爆笑!)
大変エラそう(当たり前?)。シシィを愛しているというよりも、人形扱いでしょうか?
解釈はUwe閣下と一路さんのトートが好みなんですけど、声は問答無用で山口閣下に
軍配があがります。(しかしあの衣装はどうにかならないものか...。
そうでなくとも、山口さんごっついのに、なおさら上半身がごっつく見えてしまうゝゝゝ。
誰だ!恐竜山口なんて言っているのはっっっ。そう見えてくるじゃないの〜っっ!)
内野トート。なんて【ろけんろーるなトート】!動く動く!ほとんど動かない山口閣下とは
対称的(笑)。【トート隊の隊長】とはよくぞ言ったもの(爆笑)。
解釈はえらく変わりましたね。前回観た時は恋する青年(?)だったと思うのですが、
なんだか、執着とか、妄念が増して【死神のストーカー】に見えてしまう(T‐T)。
こ、怖いっ。それじゃシシィも逃げますよおおっ。
(私が内野さんの歌声を聞くのは実に三年ぶりでしょうか。早い曲になるとあややっと
ふらつくこともあるんですが、上手くなられましたよね。)
さあ、2006年の9月はいよいよ井上ルドの復活!(気が早すぎる。)
小池先生〜っ、せめてあの電飾だけはなんとかしてください〜。(T‐T)
パクルド。ごめんなさい。解釈が私には全く合いませんでしたっっ。
弱いんです。(脆い、危ういとかではなくて。)
自信がなさそうで、他人に流されっぱなしの皇太子に見えるんです。クーデターが発覚
して役人に誰何された時、なんとも頼りない弱々しい心細気な風情なんですよねえ。
(そんなんで革命なんて考えるんじゃない!ママとは全く似ていないぞ!)
浦井ルド。わ、若いーっ!踊る踊る!跳ぶ跳ぶ!歴代ルドの中で一番若々しい皇太子。
(いえ、別に井上君がじじくさいなんて言ってません。笑)
チビルド光平君が成長したら、浦井ルドと納得できます。解釈は井上君に近い?
でも受ける印象はなぜか中川君なんですよねえ。どこも似てないと思うのですが...。
10代で死んでるように見えるせいでしょうか?
村井ぱぱ(笑)。好きですわあ。口が悪くて、頑固で、たらしで、洒落者。
浮世を存分に楽しんでいるマックスぱぱ。幸せ、安らぎをみつけることの出来ない
不器用な娘を常に気にかけている優しい父親。ぱぱ最高でございます(笑)。
一路皇后。何も知らない少女時代のシシィ。(前回よりもお転婆さがパワーアップ!)
挫折を味わい、窮屈な宮廷や死の誘惑の手をはねのけ、勝利に酔いしれたのもつかの間、
まわりのすべてと戦って戦って、やがて倒れたという感じでしょうか。
息子を失ったあたりから、《悲しみの皇后》というよりも《壊れてしまった皇后》という様子
に見えるんです。
以前から《トートと皇后の愛》というのが私にはどうしても理解できませんでした。
一路さんとUweさんのインタビューで『トートとシシィは裏と表』という解釈を聞いてやっと
納得!これは自分自身との戦いの話だったんだなあと。
生きたい決して負けないという表の自分と、死にたい逃げ出したいという裏の自分と。
人間誰でも揺れ動くことですよね。
(愛だの恋だのと考えるから、シシィが不自然に見えていたんだわ。ああ、すっきり!)