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さらに詳しく!《ミス・サイゴン編》

【ACT 1】

モノクロでサイゴンの様子(?)が描かれた幕(緞帳?)がおりています。

ヘリの爆音が通り過ぎてゆく。ゆっくりと現れる赤い太陽。爆炎と悲鳴。
幕の向こうに武器を携えた米兵達の姿。そしていつものサイゴンの夜が始まる。

店一番の売れっ子、ミス・サイゴンコンテストのクイーン,ジジ。
今夜の相手のGIにアメリカ行きを懇願し、冷たくあしらわれる。
マネージャー(オーナー?)のエンジニアにまで怒鳴られ、唇をかむジジ。
男達に抱かれながら、媚びた笑顔も消え失せ醒めた眼で歌う女達。《我が心の夢》
(今井氏や坂元氏の時はさほど気にならなかったのですが、岡さんの御乱行ぶりに
腰抜かしました。女の子を膝にのせて撫で回す!撫で回す!!真横の井上君
そりゃ身の置き場ないわねえゝゝゝ。)

クリスに少女をあてがおうとするエンジニアとジョン。
『こんな娘まだガキだ!ただ同然で抱ける。』はき捨てるように言い放つクリス。
(井上氏、29日は松キムの顎を無造作につかんで持ち上げていました。)
『上手いことやれ!仕事したいと言ってただろう?』とキムに言い含めるエンジニア。
サックスの音流れる中、暗い表情のままクリスは手をさしのべ、二人は踊り始める。
抱きしめるでもなく、身をゆだねるでもなく、ただ淡々と互いに眼をそらせたままで..。

『名前はキム。好きよ、クリス..。』
(松さんはうつむいたまま、文字を読むがごとく。知念ちゃんは見事に棒読み。
それがまた、いかにも新人娼婦の精一杯の営業トークといった様子で初々しいのです。)
『やめろ。君はこんなとこにいてはいけない。この金を持って早く逃げ出せ!』
すばやくその金をまきあげるエンジニア。
『私と..。何も言わずに..。』決意した顔でクリスの眼を見つめ、青年の手をひくキム。

窓辺にぼんやりと座るクリス。眠る少女の姿にいたたまれず部屋を飛び出す。
『国のために戦ったのに帰国したら白い眼で見られ、結局ここに舞い戻ってきた。
今じゃ大使館のドライバー。何も信じなけりゃ確かに暮らしは楽だがな。』
自分をあざけり、群がる市民の手を邪険に振りほどき、再び部屋に逃げ込む。
(井上氏すさんだ眼をしています。カンケーありませんが、私はずっと
「まだ気楽さ。大使館のドライバー」を「まだキナ臭い〜」だと思い込んでいました。
結構歌詞の聞き間違いをやらかしています。)

『主よ!何故今この時、この娘を俺に与えたもうた!』慟哭するクリス。
目覚めたキムに金を差し出すと、『初めてだからいらない。』と受け取ろうとしない。
『うそだろ?女はいつだって逃げたくて見えすいた嘘をつく!』
ベッドを蹴りつけるクリス。(蹴ってない時もありましたよね?)
『教えてくれ。君は誰だ。』(←もう一つこの質問の意味が理解できないんです。
『何故だ』ならわかるんですけど。)怒りと悲しさと屈辱の入り混じった表情で答えるキム。

『何が聞きたいの?身の上話?焼かれた村のこと。吹き飛ばされた家のこと?
顔のない親の死体?これ以上苦しみが続くのなら死んだほうがマシよ!』
叫ぶ少女を初めて真っ直ぐ見つめるクリス。

『会えるか今夜?』『クラブにいます。愛を売りに...。』
『駄目だ。』しばらく考え、やがて眼を輝かせるクリス。『決めたぞ。暮らそう二人で!』
(26日は井上氏ベッドにひっくり返ってはしゃいでました。
特に松さんとのはしゃぎっぷりは激しかったように思えます。
知念ちゃんとのコンビはレアティーズとオフィーリアの時のように、なんだかかわいらしく
ままごとのようなカップル。知念ちゃんがなにか言う度に、うんうんとうなづいていました。
松さんとはもう少し色っぽいでしょうか。井上氏と松さんは互いの握った手の指にKiss。
ベッドに倒れこんでささやくように歌う《Sun And Moon》はなかなか色っぽかった。
はい、井上氏頑張ってます。)

―ドリーム・ランド―
男と女の狂態が繰り広げられるキャバレー。親友ジョンに連れられて暗い表情のクリスが
入ってくる。ステージに半裸の女達に混じり、ぎこちなく踊る白いアオザイの少女の姿。
クリスを元気付けるため『女おごるぞ』ともちかけるジョン。(『女遊びも楽しんだが〜』と
クリスは言うんですが、井上氏楽しめるほど女遊びしたようには見えません。
女の子買う度に『俺はなんてことをしたんだ〜!』って自己嫌悪に陥っていそう。笑)
回りの喧騒と狂態の中、身の置き場のないやりきれない表情で座るクリス。
嫌がる少女にしつこくからむGIに殴りかかり、ジョンに引き離される。
(岡ジョンには『いいかげんにしろ!』というような感じで椅子を蹴られていました。)
―Why God ,Why?―

休暇を取るため、公衆電話に飛びつくクリス。
(井上氏、29日はとびはねながら激しく浮かれまくっています。)
『ジョン!聞いてくれ!まるでクリスマス・イブ!』
電話の向こうのジョンは苦々しい顔で一喝する。『サイゴンは落ちる!浮かれるな!』
(クリスが『あの子はまるで蓮の花』とのろけると、今井ジョンは
『はすぅ〜っ?!』
岡ジョンは
『おあ゛っ!?』と素っ頓狂な奇声を発していました。岡ジョン。キャバレー
での助平兄さんは影も形もなく、実に頼もしい出来る男!といった感じです。)
くいさがるクリスに、仕方なく一日の休暇を許可するジョン。
『Yes!!』小さくガッツポーズをしてキムの元に戻るクリス。

BACK
HOME

―婚礼歌―

新居(?)に女達が集まり、二人を祝っている。
クリスの贈ったアオザイに身を包み、幸福そうなキム。複雑な表情のジジ。
女達の歌う聞きなれない歌に感動するクリス。(『婚礼に歌う歌よ。』とキムが言うと、
井上氏『君、今何て言いました??』といった感じのびびった顔をしていました。
『他に知らないの。』と答えた途端、あからさまにほっとしているのがオカシイのです。)

乾杯の最中、一人の青年が入ってくる。『いた。お前、俺と帰ろう...。』
その眼は真っ直ぐキムを見つめている。
『俺のもの!』青年の声をさえぎるクリス。『誰だ!』銃を抜き構える二人。
『誰なんだ。こいつらは敵だ!』(『出て行け!』と怒鳴りつける井上氏の声。
一瞬誰の声かわかりませんでした。ものすごく響くドスのきいた声だったんです。
しかし、一瞬なんですがこのシーンの泉見氏と井上氏の声。聞いていてすごく気持ち
良いんですよねえ。ああ、耳の至福....。)

『私はあんたのものじゃない。昔は何も知らない子供だった。親も死んだわ。
約束はもう消えてしまったのよ。』二人の間に立ちはだかるキム。愕然とするトゥイ。
(29日は泉見氏まるで哀願するかのように何度も『キム!』と呼びかけていました。)

『親の約束を何故守らない!俺が迎えにゆくのを何故待たない!』
キムの両親の遺影を取り上げて、床にたたきつけ激怒するトゥイ。
『撃つなら撃って!』クリスを庇い、決して動こうとしないキム。睨み合う三人。

『お前は俺のものだ!死ぬ時まで!呪ってやる!』
トゥイの呪詛、キムの叫び、クリスの怒声が部屋にこだまする。

―世界が終わる夜のように―

トゥイが立ち去り、静寂が戻る部屋。

『おいてゆくのね...。』寂しそうに悲しそうにつぶやくキム。
『行かなければ...。君も連れてね。』
顔を輝かせ、バルコニーで抱き合い、くちづけをかわす二人。

         ―― そして世界は終わりを告げる.....。――

―エンジニア―

三年後。再教育収容所にいるエンジニア。今やかつての面影はない。
それでもなお、矯正されたという仮面の下で、こううそぶいている。
『所詮男は男。俺は俺。人間そう簡単に変わりゃしねえ。』
人民委員長に出世したトゥイの前へ引き出され、キムを探せと命じられる。
(髪をオールバックにして軍服に身を包んだ泉見氏。ヒジョーにエラソーです。)

―T Still Believe―

たくさんの女達が身を寄せ合い暮らしている小さな小屋。
一人食事を作るキムの姿がある。思い出すのはやはりクリスのこと。
『あなたは必ず戻ってくる。私は信じている。今もあなたを愛している。』

クリスの妻エレン。かたわらにはうなされている夫の姿。
いつも夫は見知らぬ誰かの名を呼んでいる。
『ずっと抱いているわ。何が怖いの?何がつらいの?私は信じている。
いつかあなたは教えてくれる。』
(《今も信じているわ》女性二人のデュエット曲。高橋さんと松さんは声質がとっても
しなやかで張りがあって気持ち良いんです。ANZAさんは丁寧に歌っています。)

―トゥイ―

『きっと会えると信じていた。戦いながらずっと夢見ていた。お前が嫁いでくる日を。
今こそ親の誓いを果たそう。我が妻よ。』
(泉見氏。ひざまづいてキムの手をとり、実にやさしい声でプロポーズしています。)
『今ではもう果たせない。あなたにうそをついて生きてなんかいけない。
誓ったの,あの人と。時が過ぎても愛は変わらないと。』
顔色を変えるトゥイ。エンジニアはなんとかとりなそうとする。
かすかに聞こえる兵士達の声。トゥイは彼らを小屋に呼び入れる。
二人は目隠しをされ、さんざんののしられ殴られる。
『俺が死ぬのを待つか?頭がおかしいぞ!何が愛だ!それどころじゃない!』
『夫がいるの!あの人はきっと助けに来てくれる!』
(29日。松さんは市村氏に頭をおされ床に転がされていました。三人とも
火花が散るようで恐ろしく激しいバトルです。)

我が子を愛しげに抱きしめ、静かにはっきりと答えるキム。
『この子よ。命なの。私の答えは...嫌!。』

逆上するトゥイ。『人に見せるな!お前の餓鬼はつらよごしだ!』
(『売春で産んだ子』と侮辱され、トゥイを睨みつけるキム。)
『俺と一緒になれ!この子を消せ!』『触らないで!気は変わらない!』
(松さんの揺るがない母の姿。神々しく見えます。打ちのめされる泉見トゥイ。)
弱者と強者の立場が逆転する。おどしも懐柔も無駄なこと。
〈自分のものにはならない〉すでに理解しながら、それでもまだののしらずには
おれぬトゥイの悲痛な叫び。(『何故わかってくれない!愛しているのに、ずっと
愛してたのに!』泉見トゥイは全身で叫んでいます。見ていてなんだか痛々しい。)

崩れ落ちるトゥイ。その目を見開いたまま...。
絶叫が響き渡る。トゥイの遺体を抱きしめ、泣き続けるキム。
顔を上げるとそこには一人たたずみ、母をじっと見つめる息子の姿がある。

我に返る母。わが子を抱き上げ拳銃を拾い、群集の中へと消えてゆく。

―生き延びたけりゃ―

隠し財産を取り出しにキャバレーへと戻るエンジニア。
埃だらけのジャケットをはおり、かつてミス・サイゴンの頭上を飾ったティアラを
かぶりながら、『生き延びたけりゃ、俺のように要領よくやれ。』とほくそえんでる。
(橋本氏。えらく可愛い子ぶって♪きゃーっっ♪♪♪としなを作っています。
市村氏は、あれは招き猫ポーズ?♪いらっしゃいまっほーっ♪♪とおあいそ。)
『アメリカで一旗揚げよう!』しかしはたと気がつく。
『行くにゃビザがない〜!』(橋本氏『あれえっっ?!』と絶叫。)

突然飛び込んでくる母子。(橋本氏
『おわっっ!!』と素の声で驚いています。
橋本氏の驚き方はなんだかすごくマンガチックなんですよねえ。マンガをそのまま
実写化したら橋本氏の動きになるという感じでしょうか。)

『隠れていろ。』と言い残し、出て行くエンジニア。
(市村氏。♪ハイ、ホーチミン!ミンミンミンミン♪♪俺は夢のニューヨーク!♪
橋本氏。♪ハイ、ホーチミン!ヘイヘイホーっ!ヘイヘイホーっ♪♪
へいへいほーって...へいへいほーって...さとしさんっっ

―命をあげよう―

残された二人。タムはノートを広げ無心に絵を描いている。
わが子の姿を見つめ母は歌う。
『あの人と愛し合い私はお前を産んだの。つかまえなさいお前のチャンスを。
命もあげる。お前のためなら私の命をあげる。』

沈みゆく、赤い巨大な太陽。いずこかへゆこうとする人々の群れ。
ゆっくりと手をさしのべるエンジニア。
母子は立ち上がり歩き出す。見えない未来に向かって。

― 先に待つのは希望か絶望か。三人の後ろ姿が夕日に消える。 ―

エンジニアを追い出し、なおもせまるトゥイ。
『私には力がある。ののしりも何も怖くはない。その訳を知りたければ見せてあげる!』
『タム!』カーテンの影から走り出てくる小さな小さな姿...。
キムを探し当て小屋にやってきたエンジニア。
こんな惨めな暮らしから抜け出すために役人と寝ろともちかける。拒絶するキム。
眠る女達を追い出し、トゥイを迎え入れる。
タムにナイフを振りかざすトゥイ。クリスの拳銃を向けるキム。『殺す!』
(膝を震わせながらも銃をしっかり構える松キム。
トゥイがタムを殺すため、ナイフを振りかざしたその時、背中を銃撃しました。
知念キム。怯えて怯えてようやく銃を構えている様子。泉見トゥイはタムを放り出し、
知念キムに『俺を撃つ気か?撃てるのか?撃てよ!さあ撃ってみろよ!』と言わん
ばかりにせまってきます。銃口が胸に触れ、なおも近づいた瞬間思わず発砲して
しまったという感じです。)
『トゥイを撃ってしまった!逃げたいのアメリカへ。この子はあの人の子!』
これでアメリカへ行くパスポートが出来たとタムを持ち上げ喜ぶエンジニア。
(市村氏。まるで人形を扱うかのごとく、タムの足をぷらぷら。片足をくにっ!
29日はズボンの後ろをびろ〜んと伸ばし、のぞきこんでました。
もう市村氏のなすがまま、おもちゃにされています。『さあ!おじちゃんにキスを!』
タムはしかたなく、うちゅっ!とするのですが、後で唇をごしごし。笑)
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