善福院釈迦堂

所在地 和歌山県海南市下津町梅田 種別 近世以前/寺院
構造形式 桁行三間、梁間三間、一重もこし付、寄棟造、総本瓦葺
時代区分 鎌倉後期 年代 嘉暦2年(1327)
指定年月日 1953.03.31(0132) 所有者 善福院
善福院は、栄西によって健保2年(1214)に創建されたとされる広福寺五ヶ院の一つ。もとは禅宗であったが、真言宗に転宗して、高野山の庇護のもとに伽藍の修復整備が行なわれた。その後、紀州に徳川家が入った寛文年間に天台宗になった。現在は善福院のみが残る。
釈迦堂は、本尊の釈迦如来坐像の胎内の修理銘に嘉暦2年(1327)とあるので、この頃の再建と考えられている。


裳越付きであるため、正面は四間に見えるが、構造的には三間であるので、桁行三間とされる。

鎌倉の円覚寺舎利殿、山口の功山寺仏殿などとともに、鎌倉後期の禅宗様を代表する建築とされる。


禅宗様の仏堂は入母屋造が普通であり、寄棟造は珍しい。禅宗様式が定着する前の様式があらわれているとされる。


正面中央の三間は桟唐戸 組物は禅宗様に特有の詰組となっている。また二手先が尾垂木となった二手先組である。


国道42号線の小南交差点を東へ入り、300mほどを左折し、さらに100mほどを右折する。あとは集落内の狭い道を進むと、左手に道が広場のようになった場所がある。ここに車を置いて、直ぐ横の釈迦堂を見学することができる。集落内の道は、車同士すれ違うことが不可能なのでご用心。

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