・呟きの正体
ミミズ御殿を覗くと、「プチプチ・・ピチャピチャ・・」と言った正体不明の音が聞こえてきます。
飼育経験の有る方なら直ぐにもうなずいてくれるこの
「呟き」にも似た音の正体は一体何なんでしょう。解明に取り組み自分を納得させる結論を得たのでここに公開し、皆様のご意見を戴きたいと思います。
ミミズ君と付合いするからには謎を残すのはいやなので、事あるごとに観察と実験をを続けました。
そしてほぼ間違い無いだろうとの結論に到達するヒントは
、「呟き」に疑問を持ってから3ヶ月経過後の「飼育マットの入れ替え作業」をやっている最中に得られたのです。観察した結果、
関連ありそうな事実を網羅すると、
@ 新しい飼育マット(詰め物)にミミズを移したとき、「呟き」は聞こえない。
A 子ミミズだけが住んでいる御殿は「呟き」が聞こえない。聞こえても極く小さい音である。
B 親ミミズの数の多い方が、良く音が出ている気がする。
C 地面に直接こしらえた御殿からは音が聞こえない。
等が整理できました。
一方、飼育マット(詰め物)の交換作業・・糞土の回収・・をやっている時、偶然にも「呟き」に似た音が聞こえたのです。それは、
お箸(ミミズをつまみ出したり、卵胞を拾うのに菜箸が便利なので使っている)を糞土に突き刺した時、「プチプチ・・」
とそっくりの音が発生するではありませんか!マット(糞土)は、ミミズの排泄物で粘っこくなっています。掘り出し作業で、
気泡が自然に糞土の中に発生します。「お箸を突き刺すことでこの気泡がつぶれ、音が出るのだ」と説明すれば説得力がありそうだ。糞土の中でミミズが動く様は、お箸を糞土に突き刺すのと
「気泡がつぶれる」との視点から見れば大差なさそう。
観察結果を検証して見よう。@の新しい飼育マットは未だ粘り気が無く、気泡が生じないから音が出ない。Aの子ミミズは糞土に与える圧力が少ないから気泡がつぶれない。従って音が出ないか、出ても小さいと説明できる。Bはごく当たり前の事だ。Cは時間の経過した、
粘り気の有る糞土(堆肥)であれば音が出ているのかもしれないが、我が家の御殿の糞土はまださらさらの状態なのだ。
以上のように整理し、「呟きの正体」は「糞土の中をミミズが動き回ることで気泡がつぶれる音」と結論付けた。ちなみに、水でビショビショにした糞土を作り(気泡の発生をさせない)、ミミズ君をその中にいれても「呟き」は聞こえなかった。
とんだ水泳教室をミミズ君に強制したと反省している隠居であります。
「呟き」が聞こえるのはミミズ君の元気な証拠と思っていたのも理にかなった解釈だった。参考までに「みみずは鳴くか」の研究をされているサイトに 工房"もちゃ むら"の「何でも研究室」(URL
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/1301/contents.htm)があります。ほぼ同じような結論を出しておられます。興味のある方は訪問してみてください。(04/9/6 記)
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・清潔好き?
ミミズの棲息する所は不潔のように人間は思う。だからそこに生きているミミズは同じく不潔と類推してしまう。
果たして正しいのであろうか。
平成18年の春、ミミズの活動開始に伴い宝肥水(尿)の量が増えてきた。ところが、ミミズ御殿(飼育本館)の回収量が少なく、しかも色が濃い。
もう一つの文殊御殿は容積が小さく宝肥水も少ないはずだが、今年の春先に限りこちらの方が量が多く、しかも色も薄い。何か異常がおきているのに違いない。人間でも尿検査で病気の有無が判断出来るようにミミズでも同じ事がいえるはずだ。
不潔を嫌い逃げ出したミミズ群

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ミミズ御殿(飼育本館)は内部が中央で二つに仕切られている。その左側から悪臭が出ているうえ、生きている証の「呟き」が聞こえない。反面、左側は活発な呟きが聞こえている。中をかき混ぜてみると、左側は悪臭のみならず、ねっとりした状態まで腐敗が始まっている。そして殆どミミズがいない。腐敗の進んでいる所からは死骸まで観測された。これは大変と右側を覗くと、アチコチにミミズ君が群れを成す団子状態である(左の写真参照)。餌を採り尿を排泄するところではなく環境の良いほうに逃げ出すのが精一杯だったのだ。
そういえば、冬の間、台所で発生する生ゴミを全てミミズ御殿に持ち込んでいた。ほぼ満杯となり100%の自己リサイクルは諦めかけていた矢先である。
幸いな事に、「このところの気温上昇でミミズ君が生ゴミの処理を始めてくれた」と喜んでいたのだ。
しかし、現実は、ミミズの処理速度が追いつかず急激に腐敗がはじまり、一部とはいえ死に追いやる始末となっている。
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餌の中にボトルを入れる
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逃げ込んだミミズ
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環境の悪い所でも平気で生き続けられると思っていたのは完全に勘違いいと思い知らされた。ミミズ君、意外に清潔好きなのだ。
人間の考えている清潔とは基準が違うだけである。左の写真はそれを立証したものだ。腐敗が進行中の餌の中に穴を開けたペットボトルの容器をいれ、その中に天然ヤシ繊維を詰める。1日たってそれを取り出し撮影したのが右側だ。ペットボトルの中にミミズが逃げ込んでいるのが判る。
ミミズ君の持っている基準を理解し、冬場の寒さの中でもリサイクル処理を続けられる環境を作ることができれば素晴らしいことではないか。
これが新しいテーマが生まれた背景である。(06/03/21)
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