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基本グラフィックス

いちばん簡単な可視化コマンドは g f (calc-graph-fast) です。 このコマンドは、スタックから長さが等しい 2つのリストを引数として取得します。
(訳注: 引数はスタックから消えるわけではなく残留する。)
スタック top のリストは各データ点の「y」値を表し、 スタック 2番目のリストは対応する「x」値を表します。 このコマンドは(まだ Calc から起動していなければ) GNUPLOT を起動し、 データ点群を表示します。 各データ点は線でつながっており、 データ点自体は何らかの記号で表示されます。

「x」項は区間形式でも構いませんが、 その場合区間全体に適当な「x」値群が補間挿入されます (開区間か閉区間かは無視されます)。

「x」項は 1つの数値でも構いませんが、 その場合 Calc は「x」値の連続 x, x+1, x+2, ... で代用します。(一般に、この場合 x として 0 か 1 が使われます。)

「y」項はリストではなく式でも構いません。 その式中の変数を評価するのに、 Calc は実質的に N (calc-eval-num) を使うので、 式は 1 種類の(未定義の)変数で表現されなければなりません。 式はその変数にいろいろな「x」値を代入しながらプロットされます。 式表現のグラフは、デフォルトでは 計算された点の記号なしに線だけで表示されます。 ちなみに「x」も「y」もリストでない場合は、 Calc は表示すべきデータ点数を推定して使います。 後述の g N コマンドの項を参照してください。 (「y」が式の場合は、「x」はリストか区間でなければなりません。)

もし「y」が `xy(x, y)' 形式の式である (またはその式を評価する)なら、パラメーター表現になります。 架空の xy 関数の 2つの引数はそれぞれ、 曲線の「x」,「y」座標として用いられます。 この場合、スタックに「x」項として設定したリストまたは区間は (パラメーター値として使われるので)グラフでは直接見えません。 例えば「x」が区間 `[0..360]' で「y」が式 `xy(sin(t), cos(t))' なら、 結果のグラフは円になります。

また、「x」や「y」はそれぞれ変数名でも構いません。 その場合 Calc はそれらの変数にストアされている適当な リスト, 区間, 式を探します。

(リストから抜出されたり、式から計算されたり、区間に補間挿入されたりした) データ点の「x」と「y」値は、 実数(整数, 分数, 浮動小数)であるべきです。 もし与えられたデータ点の「x」値か「y」値のどちらかが実数でなかったら、 そのデータ点はグラフから省かれます。 無効データの両隣の点は線で結ばれません

g f の接頭引数の使い方は、 後の g a の解説を参照してください。

空のリストを変数 PlotRejects にストアしておけば (つまり [ ] s t PlotRejects としておけば)、 Calc は「x」値や「y」値が実数でなくてプロットできなかったデータ点の情報を そのリストに追加していきます。 その結果は行列となって、 各行がひとつの省略点の曲線番号, データ点番号, 「x」値, 「y」値を保持します。 PlotRejects を監視する便利な方法は Evaluates-To 演算子 参照 。 PlotRejects を検査する別の簡単な方法である s R コマンドの使い方は その他の変数操作 参照 。

グラフィック表示をクリアするには、g c (calc-graph-clear) を タイプしてください。 GNUPLOT の出力デバイスが X window ならそのウィンドウは消え去りますが、 このコマンドの効果は出力デバイスごとに異なります。 (訳注: MS-Windows では表示がクリアされるがウィンドウは消えない。) 使いたくなければ g c を使う必要はありません。 後で g fg p コマンドを使ったとき、 グラフィックウィンドウが残っていればそれを再利用します。


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