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ベクトルと行列

ベクトルデータ型は柔軟かつ普遍的です。 ベクトルとは単に、ゼロ個以上のオブジェクトのリスト(並び)です。 全ての要素がスカラであるとき、その全体が数学で言うところのベクトルです。 全ての要素が同じ(ゼロでない)長さのベクトルなら、その全体は行列です。 行列でないベクトルを、ここでは純ベクトルと読んで区別します。 (訳注: Calc のベクトルは、リスト(並び)だと思った方が良い。)

ベクトルは、値をカンマで区切ったリストをカギ括弧で囲んだものとして表示されます: `[1, 2, 3]'。 次に挙げるのは、2行×3列の行列です: `[[1, 2, 3], [4, 5, 6]]'。 複素数と同様に、ベクトルも不完全項を使って入力します。 不完全項 参照 。 代数的入力なら、ベクトル全体をカギ括弧とコンマ形式で一度に入力できます。 行列はベクトルのネストとするか、 行をセミコロンで区切った略記法 `[1, 2, 3; 4, 5, 6]' で、 代数的に入力できます。 ベクトルを入力するとき、コンマはふつう省略できます: `[1 2 3]'。 カギ括弧の代りに中括弧も使えますが、 その場合はカンマが必要です: `{1, 2, 3}'

ベクトルや行列の伝統的な算術もサポートされています。 Basic Arithmetic 参照 および Vector/Matrix Functions 参照 。 その他多くの演算はベクトルの要素ごとに作用します。 例えば、ベクトルの複素共役をとると、 各要素の複素共役を要素とするベクトルが得られます。

ベクトルを構築する代数関数には、以下のものがあります。 `vec(a, b, c)'`[a, b, c]' をつくり、 `cvec(a, n, m)'`a' の @c{$n\times m$} n×m 行列をつくり、 `index(n)' は 1から `n'までの整数からなるベクトルをつくります。


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