文字列は Calc において特別なデータ型ではありません。 むしろ文字列は単に、 その要素が 0〜255 の整数(ASCII コード)であるベクトルとして表現されます。 " キーを押せば、いつでも文字列を入力できます。 文字列中の " 記号や \ 記号は、 それぞれ `\"' や `\\' とします。 \ で始るその他の記号は次のとおりです。
\a 7 \^@ 0 \b 8 \^a-z 1-26 \e 27 \^[ 27 \f 12 \^\\ 28 \n 10 \^] 29 \r 13 \^^ 30 \t 9 \^_ 31 \^? 127
最後の手段は、\ に続けて3桁8進の数字を書くと、 指定のASCII コードに対応する文字を生成します。
文字列は通常、整数のベクトル書式で表示されます。
d " (calc-display-strings
) コマンドは、
小さな整数のベクトルを文字列として表示するモードを On/Off します。
上記の \ 記法は文字列の表示にも用いられます。 ユーザが Emacs を 8-bit フォントに対応させない限り、 コードが128以上の文字は Calc によって翻訳されず、 \ と3桁の8進数で表示されます。 コードが32未満および127の文字は、 \ と文字の組合せ(上の表)で表示します。
Calc で唯一、文字列を使うのはcompositions (Compositions 参照 )です。 また、アスキー文字と整数を相互に変換する便利な方法を提供します。
string
関数は、異なる表示様式を提供します。
基本的に `string(s)' とすると、
対応する文字列を引用符で囲んだりせずに表示します。
ただし s は正規範囲の整数からなるベクトルです。
従って、`string("ABC")' (または `string([65 66 67])') を入力すると、
スタック上に `ABC' のように出ます。
これは d " の状態によらず使えます。
この機能を切る唯一の手段は、d U (非整形モード)を使ことで、
そうすると表示は `string("ABC")' になります。
string
では、コントロール文字は幾分違って表示されます。
コードが32未満および127の文字は、`^' 表記で表示されます
(上記と同じですが、\ が出ません)。
引用符 " や \ 記号は、コード128以上と同じく放置されます。
bstring
関数は、string
とそっくりですが、
結果の文字列が 1行に収りきらない場合は、複数行に折返すことができます。
折返し点は、文字列中のスペースの位置になります。
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