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★ 第4日目7/12(月) ペトラ→ネボ山→マダバ→死海 ★ |
午前7時50分、モーセ終焉の地として知られるネボ山へ向けペトラのホテルを出発。 旧約聖書によればモーゼはエジプト王の迫害を逃れユダヤの民を率いてエジプトを脱出後、紅海(スエズ湾)を渡り、その後シナイ山で「十戒」の啓示を受け神に約束された土地カナンへ向かった。砂漠を40年も放浪してついに約束の地の手前までやってきた。そして、ネボ山に登り、カナンの地を見渡し「あれが約束の地カナンだ」と告げ、民にカナンの土地、すなわち現イスラエルへ行くように促した。 モーゼはこのネボ山でカナンの地を眺めつつ力尽き波乱万丈の生涯を終えたと言われている。 天気の良い日にはここから死海はもちろんのこと、パレスチナやエルサレムを望むことも出来るが、今日は曇っているのか、霞がかかっているのかあまりハッキリとは見渡せなかった。 |
ネボ山のモーゼの記念碑にて |
十字架のモニュメント |
ネボ山から見た死海方面 |
エリコ、ベツレヘム等の方角を示している |
ネボ山から15分ほどバスに乗るとマダバの町に着く。 マダバの町はイスラム教徒が多数派を占めるこの国の中では珍しくキリスト教徒の優勢な町である。 町には300とも言われる教会があるが、その中でも6世紀に建てられたギリシア正教の聖ジョージ教会が有名だ。この教会には世界最古と言われる「エルサレムを含むパレスチナのモザイク画の地図」があること。聖ジョージ教会の床には色とりどりの石を使ったカラフルなモザイク地図が描かれている 6世紀頃のパレスチナからエジプトを含む地域の地図で、ナイル川や死海なども詳細に描かれており、 その当時のエルサレム周辺の地図としてもかなり正確で詳細な出来栄え、貴重な文化遺産だ。 この後、お土産店で買物し死海のリゾート・ホテルへ |
聖ジョージ教会 |
聖ジョージ教会のモザイク画の一部 |
午後3時、死海のリゾートホテル、デッドシー・スパ・ホテルに到着。このホテルはなかなか豪華で、ここがイスラム圏であることを忘れさせてしまうような開放感に溢れている。部屋に入るのももどかしく早速海水パンツ着替えてホテル目の前のパラソル並ぶプライベートビーチで死海浮遊体験だ。 死海に入り腰ぐらいの所でしゃがむように後ろに倒れると、本当に不思議なことにプカプカと浮いている。沈もうと思っても浮力が強く全然沈まない。 言葉では上手く説明できない摩訶不思議な現象に老若男女のツアー客全員おおはしゃぎだ。写真などで見たことがあるように新聞・雑誌でも読むように浮遊するのがベストで、間違ってもクロールで泳ごうなどと考えないこと、塩分の濃い海水が目に入ったら大変だ。 |
死海のミネラルたっぷりの泥パックでツアー客全員真っ黒 |
対岸のイスラエルに沈む夕日 |
この死海は“海”ではなく、実は塩湖。地球上で最も低い海面下418mにあり、塩分濃度が非常に濃いため、泳げない人でも浮遊体験できる。普通の海水が塩分濃度3%位であるのに対し、死海はなんと10倍も高い35%以上。その名前の通り、一部を除いて魚類生物も生息していない。 これは死海にはヨルダン川の水が流れ込むが、出る川がなく、強烈な日照のため大量の水が蒸発し、塩分だけが残されることが原因だとか。また、死海の泥は天然のミネラルが豊富に含まれるため肌に良いとされ、湖底からとれる泥を全身に塗る泥エステ・泥パックで、しっとりすべすべの美肌になるとか。 この死海の泥を原料にした死海石鹸や化粧品、入浴剤、死海の塩などが人気のお土産品になっている。 現在、死海はご多分に漏れず消滅の危機に瀕している。周辺国(イスラエル、シリア、ヨルダン)によるヨルダン川の灌漑や開発で死海に流れ込む水量が激減しているが、関係悪化から話し合いも出来ず、それに地球温暖化の影響もあり、今は毎年1m以上浅くなっていて、このままだと、あと4〜50年で無くなると言われている。 |