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★ 第3日目7/11(日) ペトラ遺跡終日観光 2/2 ★



アウターシークの出口、ここを抜けると遮るものがない炎天下
エル・ハズネ(宝物殿)の感動を胸に刻んで、その右側の細い道アウターシークと呼ばれている、をさらに300mほど進んで行くと出口が見えてくる。
そこから先は遮るものがない炎天下の下を歩くことになる。
アウターシーク(Outer Siq)を抜けナバテア人の墓を通り過ぎた所にサンドボトル屋さんがある。
ペトラのいろんな色の砂を瓶に入れて絵を描いていく手法で、見てる間にラクダなんかを瓶の中に綺麗に描いてくれる。注文はしなかったが、名前入りの砂絵も注文できるので、ペトラの思い出として良いかも知れない。
この店の周りには、ラクダ、馬、ロバがたむろしベドウィンが盛んに乗り手を捜している。
ここから途中の休憩所までは数百メートルだがラクダに乗って行くことにした。背が高いだけに見晴らしは抜群だ。


墳墓

サンドボトル屋さん

ラクダに乗って

ローマ円形劇場

売店&休憩所

炎天下を歩いて遺跡見学

ローマ円形劇場はローマ時代の2〜3世紀頃に建設された劇場で、客席は5000人以上を収容できる大きな施設。もともとはナバテア人の墓地であり、劇場も娯楽施設というよりは葬儀のための施設という説もある。
ローマ円形劇場まで来た所で、その近くにある売店でトイレ休憩&ティータイム。トイレ使用料金は一人50セント二人で1ドルだが、これはその後の観光地でも同じ。
この売店の裏山は王宮墳墓群、今まで見てきたのはいわば一般庶民のお墓でこちらは王家の墓。
下の写真の左から宮殿の墓、コリントの墓、シルクの墓、アーン(壷)の墓の4つが並んでいる。もっとも大きいのが一番左の宮殿の墓でローマ時代の宮殿を模倣しており、コリント式の柱を使っている。
宮殿の墓以外は私にはどれがコリントかシルクかアーンか判らない、本の受け売りで申し訳ない。


王宮墳墓群


神殿の跡

凱旋門

この後は列柱通りを歩いて凱旋門から昼食のレストランへ。
列柱通りはペトラの町の中心で石畳で舗装された長さ150m幅6mの道路で、その周辺は市場、商店、官庁、神殿、宮殿が建っていた。列柱通りの最後近くには2世紀に建てられた凱旋門が残されている。
また凱旋門の近くにはナバテア人がドシャラ神を祀った神殿(カスル・エル・ビント)もある。

午前11時15分ごろようやくレストランに到着。我々のツアーが一番乗りみたいで他にはお客はいないが、
早速ビュッフェ形式の昼食を頂く。このレストランまでが今日の団体行動で、後は各自自由行動になっているが、ここまできたからには全員当然のごとくエド・デイルを目指すことになった。

エド・デイル(修道院)はこのレストランから往復約1時間半から2時間かかる、相当きつい山道を800段位い登ることになる。エル・ハズネ(宝物殿)も素晴らしかったが、山の上には1世紀中ごろ造られたエル・ハズネよりも大きい高さ45m、幅50mのナバタイ人の神殿がある。ペトラがローマ帝国に併合された(紀元後106年)後、このあたりに多くのキリスト教の修道士が住んでいたので修道院跡の意味で、エド・デイル(修道院)と呼ばれている。
 
昼食後少し休憩しいよいよ登頂だが、体調の関係もあって他の年配のツアー客2名と一緒にロバで行くことにした。


エド・デイルへの山道をロバに乗って

エド・デイルへの険しい山道


このような山道・階段でもロバは実に力強く登っていく


エド・デイルへの険しい山道

途中には断崖絶壁もある

いままで馬とラクダには乗ったがロバは初めてで、こんな小さな体躯であの山道を登れるのかと少々不安だったが、乗って歩きだすとその力強さ、馬力に不安も直ぐに吹っ飛んでしまった。
それにじつに頭脳的な歩き方をする。山道や階段は一直線に登っていくものと思ったが、そうではなく右に左にと斜め斜めに「く」の字型に進んでいく。調教の結果だとは思うがこれだと一直線よりはロバの体力消耗も少しは防げるし、乗り心地も悪くない。

それに危ない個所もあったりして大丈夫かなと一瞬心配するが、それも上手く避けて歩いて行く、ロバでも危険なところは判っているのだろう。平地を行くようにロバの背にゆったりと乗ってとはいかないが、それでもなかなか快適でそれにスピードもあり徒歩組をはるかに置き去りにして早々に到着だ、料金は10ドル、降りてから支払う。徒歩組の家内の到着を待ち合流して再びエド・デイルを目指す。エド・デイルへはまだここから6、7分ほど歩いていかなければならない。

山を登りきって平地になったところで右手にエド・デイルが姿を現す、これもやはり感動もんだ。
見た目はエル・ハズネ(宝物殿)より小さく見えるが、実際はエド・デイル(修道院)の方が規模は大きい。
エル・ハズネは高さ70mぐらいの岩山に彫られている分だけ大きく見え、エド・デイルは正味の高さだけで青空の下の広い空間にあり、どうしても小さく見えてしまう。


エド・デイル(修道院)


一段高い所から見たエド・デイルの全景

エド・デイル(高さ45m、幅50m)とエル・カズネ(高さ43m幅30m)はいずれもギリシャ神殿風の造りでデザイン的にも良く似ている。ただ岩山の色合いが少し違うのか、エル・カズネのように朝日を浴びて薔薇色に輝いている訳ではないが、青空の下、間近くで見る壮大なエド・デイルには圧倒される感じがする。
ロバに乗ってここまでやっとこさやって来たが、ペトラまで来たからにはやはりエド・デイルまで来なければ魅力も半減してしまうと思えるほどそれなりの値打ちは充分にあると思う。

エド・デイルよりもう少し登って行くと素晴らしい眺望の広がりを見ることが出来る。そしてエド・デイルの対面にあるカフェでしばし休憩し、今度はロバの助けを借りずに徒歩で下山だ。下りは楽だったとはいえ、やはり疲れる、レストランに到着したところでまた一休み。


帰りのロバの背から写した列柱道路及びペトラ都市遺跡


レストランからロバに乗って
ペトラ遺跡の中は入場口からエル・カズネを通りレストランからエル・ハズネまで一本道で迷うことはない。が、帰途の炎天下の下の歩きには自信がないのでレストランから再びロバでサンドボトル屋さん近くまで行き、そこから歩いてエル・カズネへ、最後にその壮麗な神殿を目に焼き付けてまたシークの中を戻る。

このシークは日陰で涼しいが全体的に緩やかな傾斜があって帰り道は緩やかな上り坂、行く時は下りで楽だったが帰りは疲れた体にはこたえる。
シークを抜け出て、来るときに乗った馬にも乗らず、炎天下の最後の道をフウフウ言いながら歩いて入場ゲートまでツアーの最後尾でやっとこさたどり着いた。




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