はじめに
旅は楽し特に海外旅行は、思えば1970年(昭和45年)秋の初めてのハワイ旅行から、2017年(平成29年)夏の
南米旅行
までの間に、毎年のように海外旅行を楽しんできた。その中でもやはり一番最初のハワイ旅行の印象
が強く、この旅行が海外旅行の楽しさ素晴らしさに目覚めさせてくれたようで、これをキッカケにその翌年
欧州・
米国8ケ月一人旅
へ、そして結婚、子供ができてからは家族旅行、最近は夫婦旅行へと変化してきた。

旅行中いろいろな出来事があった、幸いにしてたいして大きな事件・事故はなかったが小さなハプニングは数多
くある。
家族旅行中では、中国は広州の税関で出国のビザの紙切れを紛失して青くなったり、ハワイでは、炎天
下の浜辺に子供らと長く居すぎたため、皮膚が真っ赤なヤケド状態になって、帰国早々医者に駆け込んだりと青
くなったり赤くなったり忙しく、
夫婦旅行では妻がシンガポールで食中毒に倒れて残りのツアーをキャンセル、イタ
リアのミラノでは芸術的な腕前のスリに、これまた妻がサイフを盗まれア然、ボー然、カナダでは待ち合わせの場
所を勘違いしたりと……。
その時は、あわてふためくがいま思い返せば、その一つ一つが楽しい思い出となってよみがえる。

この旅行記は、そうした中から比較的新しい旅行を選んで書いたもの、ただし欧州・米国一人旅は、独身時代の
青春の思い出旅行を書いたもの。さて、最初のハワイ旅行から現在までに早いもので約50年もの年月が経過し
ている。当たり前だがこのあいだには旅行事情もいろいろと変化してきた。

第1に、円の対ドル相場の固定相場制から変動相場制に

 昔は
一ドルが360円の固定相場だった、と言ったら若い人は不思議に思うだろうがこれは事実
 である。一番最初のハワイ旅行と翌年の欧州・米国一人旅は一ドルが360円の時代だった。 
 丁度、米国旅行中(1971年、昭和46年夏)に、当時のニクソン米大統領のドル防衛策の発表が
 あって、日本も一ドル360円の固定相場制に終止符を打ち、変動相場制に移行した。 
 現在は
一ドル110円ほど、隔世の感がある。

第2に、航空機の進歩

 当時の日航の主力機はDC-8機(約150人乗り)で、ボーイング747いわゆるジャンボ機が日航
 に導入されたのは1970年、当時の海外便では、一週間のうち半分づつ交互にDC-8機とジャン
 ボ機が飛んでいる状況だった。今では、大量に燃料を消費するジャンボ機の時代は去り、効率化
 を追求した中型機の時代になり、低燃費、高速、長距離化した。

第3に、インターネットの普及進歩と旅行情報の豊富さ

 最近の
インターネットの普及進歩、格安航空券やツアーなどの情報の豊富さはすばらしい。
 欧州・米国一人旅の時、旅先で知り合った旅行者同士が互いに連絡を取り合うことはなかなか難
 しかった。何月ごろどの都市にいるかということを聞いて、その都市の中央郵便局止めで郵便を
出す。受け取る方は中央郵便局に出向いてパスポートを見せて、郵便物を受け取る。といった方法
 でしか連絡の取りようがなかった。 ところが今では、インターネットで簡単に連絡を取り合うことが
 出来る。 またノートパソコンをリュックに入れて世界各地から、
リアルタイムにその日の出来事を
 HPに載せてる旅行記のサイトもある、本当に便利になった。

第4に、写真フィルムのデジタル化

 インターネットの普及進歩とともに劇的に便利になったのが写真フィルムのデジタル化、昔は一本が
 36枚撮りのフイルムを20本もスーツケースに入れたらそれだけで重くかさばり、税関のX線検査でも
 感光しないように注意しなければならなかったが、今は手のひらに乗るような小さなメモリーカードに
 何千枚も写せる。欧州・米国一人旅の時は外貨持ち出しが厳しく制限され、フイルムも高かったから
 撮りたい景色も取らずに節約していたが、今ならその心配もなくパチパチ撮れると思うと、これも隔世
 の感がする。

旅行事情の変化とともに観光地も大きく変わってきた。
例えばハワイたが、行くたびに何かしら変わっていた。最初の旅行の時、ワイキキビーチ沿いのカラカウア
大通り、自動車は対面通行だったが、いつの間にか一方通行に。トロピカーナホテルという名の家族的雰囲
気のあった、木造3階建てのホテルは壊され、その跡地には巨大な
免税店が建ち、ワイキキビーチを目の
前にした横長の木造3階建ての想い出のゲートホテルもいつの間にか取り壊され、その跡にはツインタワー
ハイアットリージェンシーホテルがそびえ立ち、その前のビーチには交番まで出来た。

状況の変化は、私自身の中にもある。昔は一人旅万歳であったが、今では妻と二人の旅行が楽しみになって
いる。同じ景色を見て一人で美しいと思うよりも、二人で見て、いつまでもあのときの景色は素晴らしかったと、
感動を共有し後々共通の話題にする方がより楽しい。それに年と共に、体力も気力も衰えガッツもなくなってきた。
旅行中ぐらい煩わしさから解放されてノンビリしたいと思うので、個人旅行よりも気楽な添乗員同行、全食事付
のパック旅行コースを選ぶようになってきた。世界は広く、未知の場所はたくさんある。これからも出来るだけ
健康に注意し海外旅行に出かけたいと思う。
                                2017年(平成29年)10月記

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