ガルテンマイスター・ボンシュテット (として入手)
1905年 Bonstedt (ドイツ) (data by CKL*)
ブッシュ、シングル
「obtained as」 の品種が登場することになりました。
「obtained as」 とは 「◯○として入手した」 の意味です。
ご存知の方も多いでしょうが、真正かどうか疑いがあることを示唆する表現です。
花は朱色のセルフカラーですが、気温によって色のりが変わります。
葉はダークグリーン。ベルベットのようなテクスチャです。葉脈は赤味を帯び、葉裏は赤紫です。満開時は実にゴージャス!
この品種は2003年前後に購入しました。ところが2010年に、ある老舗植物園で別の品種に Gartenmeister Bonstedt のラベルが付いていることに気付きました。その植物園は他の植物園から株を譲り受けたとのこと。
管理人の株を写真でオランダフクシア協会の人に見てもらったところ、 「Göttingen (ゲッティンゲン) 」 に見えるとの回答が到着。
購入店にはそのことを伝え済みです。
Göttingen は1905年にやはりCarl Bonstedt が作出したとされる品種です
1)。
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左は花と葉のアップです。
Göttingen との見解を得たものの、そのように確定したわけではありません。
Bonstedt が育種したトリフィラタイプのいくつかは、写真で判別が困難なほど似ています。
また、植物園が常に正しいとは限りません (植物園によく行く人ならご存知のとおりで、ミスラベルはあり得ます)。
今のところ言えるのは、日本では2つの品種が Gartenmeister Bonstedt の名で流通しているということです。
右の写真は植物園の株です。
上の写真と見比べてみてくださいね。
「名称不明のトリフィラ・タイプ」 も参照してください。
さて、管理人の株は尺鉢に植えて拙バルコニーで3年夏越ししています(この記事を書いた時点)。
葉は落とすものの、数週間にわたり30℃を少し切る程度の夜温に耐えるのですから、フクシアとしては極めて耐暑性があると言えるでしょう。
右の写真は2010年9月初旬の姿です。
最初の写真と同一の株です。
枯死しているわけではありません。
次の芽が用意されており、11月頃から咲き始めて翌年の6月まで楽しめます。つまり、7〜9月休眠、11〜6月開花を繰り返しながら栽培しています。
右の姿から、最初の写真の姿 (初夏) まで戻るとお考えください。
この品種の場合、葉を落とした夏は、切り戻して腰の据わった株にするチャンスです。
フクシアは春〜秋が観賞期間のように扱われておりますが、そうでない品種もあることをお忘れなく。
*The Checklist of Species, Hybrids and Cultivars of The Genus Fuchsia
参考 (数字をクリックするとページ内のリンク先へジャンプします):
- 1) BOULLEMIER. L.B.、The Checklist of Species, Hybrids and Cultivars
of the Genus Fuchsia、Blandford Press (1985)、p.167
(2010年5月19日)
【リンク /引用時のご注意】
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