興味を持つことが自分を助ける | |
3.組織で充実した時間を過ごすために 「興味を持つことが自分を助ける」 企業や組織の中で上司に指示された課題や仕事を遂行するときに、ほとんどの場合に上司や組織が想定したりあるいは予測したりしたシナリオに沿って実務が進められるのであろう。したがって、多くの場合には指示された内容そのものをを疑う余地なくそのまま実施することによって、そのミッションの重要性や必要性には関係なくほぼ間違いなく遂行できると思われるので、たとえ何かの障害があっても上司や仲間が助けてくれるために実施する側はどうしても受け身になってしまうと思われる。 一般的には、受け身になるとどうしても与えられた課題に対しても消極的になってしまい(つまり当事者意識が薄れて間接的な考えになる)言われたことだけを行う結果となってしまう。理想的には、実施する本人自身も考えながら、その実施する内容の重要性を原点から理解して進め方や方法を適時改善しながら刻々と変わる状況に合わせて創造的にテーマや業務を遂行していくことが必要となるのであろう。こうした創造的な仕事の流れが新人や若手の技術レベルを大きく向上させて、また多くの有用な議論の場となる人為的なネットワークも構築していくのであろう。 ただし、こうした理想的な仕事の進め方に対しては、実際に課題解決を遂行する本人が色々なことに対して創造的に対応していかねばならず、いわゆる消極的な進め方では実現が不可能である。ただし、理想的にはそうであっても、上司から指示を受ける場合や組織が決めたやり方では、全てのミッションに対して自発的に対応することもなかなか難しいと思われる。 例えば、本来業務が研究開発の仕事の場合には、当事者自身がそれぞれに対して興味を持って進められるかなどのハードルがあると考えられる。多くの場合には、学生時代に学んで研究して経験した技術や知識を企業や組織の中でそのままの延長線上で継続することはできないであろう。つまり、企業や組織の一員となれば、学生や研究生の時代とは全く異なる技術分野を組織の中で担当してその進め方ややり方も大きく異なる。また、例えば技術営業などの分野に配属されれば、さらに広い分野の技術者やあるいは顧客との直接的な交流によって拡販と言う「行動」の中で、別の面から自分たちの技術をフォローしていかねばならない。 そのためには、接触する多くの対象(ここでは技術分野)に対して意識的に興味を持つことが必要となる。自分自身の好きな趣味ややりたいことを実施するための時間を持つためにも、仕事としてのアクションを如何にしたら迅速に進められるのか、あるいは効果的な結果を得られるのか、なども考えておくべきであろう。色々なものに対して興味を持って欲しいものである。 たとえ与えられた仕事や指示の内容においてもある程度は好きになることも必要となる。「いやいやの気持ち」で担当してもプラスの結果は何も得られない。与えられた課題においても周辺の技術分野も良く理解して、どのような作用で生じる現象なのかあるいはそれらを改善するためにはどのようにすれば良いのかなどに対してプラス思考で考えたいものである。すなわち、指示されたあるいは与えられた技術内容においても、自分自身が当事者となってよく考える、理解する、さらには可能性のある展開まで考えていくなどのプラスの興味を持つことが求められているのであろう。 いろいろな可能性を試してみよう。自分で創造した仕事や研究だけでなく、与えられた業務に対してもたとえ今はオープンに出来なくても密かに自分自身の信ずる部分を進めて欲しい。多くの場合に、自分自身が意識的に進められる技術は後々の技術の大きなヒントとなる場合がある。
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