「楽しく仕事が出来ているかい?」 | |
1.部下を伸ばす上司と部下を駄目にする上司 部下の能力を伸ばす技 「機能組織」と「仲良しクラブ」 我々が企業や研究所などの組織にその社員や構成員として所属する場合には、我々の役割の大きなものの1つとして企業や組織の成長に貢献するための行動が強く求められる。つまり、社長方針とか組織の運営方針とか売上目標や営業方針、あるいは年計といわれるものに対する行動である。これは、我々自身がその企業や組織に属して給与という形で報酬を受け取るためには当然のことであろう。 したがって、夫々の社員や研究員は与えられた目標に向かって具体的な計画をたてそして活動をするわけであるが、しばしば(場合によっては頻繁に)組織の本来の目的を外れて個々にばらばらに行動することがある。多分、前者を「機能組織」と呼び、また後者を「仲良しクラブ」と呼ぶのであろう。 それでは、「仲良しクラブ」では何が悪いのであろうか。人間同士の関係としては、組織の長を頂点として日常の仕事や人材の育成などに対してはそれなりに回転しているのかも知れない。しかし、そのような「仲良しクラブ」的な状態は、見かけ上では和やかに安定している状態であり、組織としての本来の機能を有していないのである。つまり、企業や研究所の大きな方針に対してベクトルを合わせて組織としてすべき内容を遂行できているとは言い難い。多くの場面で人間同士の甘えがあり、また筋を通した大きな目標もないのだから、人材育成においてもいわゆる「骨太の人材」を育成できるわけがないと考える。すなわち、「仲良しクラブ」では、事業(ビジネス)に対する意識を仕事や業務の中で感じ取ることは難しい。 若手や新人に対しても日々の業務がOJT(On-the-Job Training)にはなっていないのである。おそらく安全・衛生的なとにかく優先順位で一番の重要な取り組みにおいても危機感が欠如しているので、組織としては緊急時の適時対応が困難であろうと思われる。 将来的に、組織の中でオンリーワンとなれる優秀な若手の技術者を育てるためには「仲良しクラブ」の全てが決して悪いとは言えない。しかしながら、給与と言う報酬をもらって活動する企業や組織は、事業(ビジネスや研究開発)を行うために活動する場であり、決して本来業務に対しては、「仲良しクラブ」的な行動ではその全てを遂行することはできないと考える。 社長方針や企業の年計を考慮した組織の運営方針や営業の展開を指導者は教育の中で建設的に考慮していくことが重要である。若手の技術者の教育や育成においては、「機能組織」的な考え方や指導方針を第一の基本として、日々の人間的な交流においては「仲良しクラブ」的な交流も必用に応じて活用することが良いと思われる。
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