画像 ピロリ菌の除菌(除去)

 夏目漱石が胃かいようで苦しんでいたことは有名な話である。明治43年(1910年)6月、43歳の時に東京・内幸町の長与胃腸病院で胃かいようと診断され、6週間の入院生活を送った。その時の治療法が腹部を二枚のこんにゃくで温める方法だったという。退院後、修善寺温泉で療養したが、そこで大吐血し、人事不省に陥った。大正5年(1916年)、4度目の吐血後享年49歳で漱石はなくなった。  現在では、胃かいようの患者がいたらピロリ菌を見つけ、除菌することが消化管専門医の常識。漱石がもし今生きていれば、ピロリ菌を取り除き、治すことができたと彼らは思っているだろう。  漱石の胃壁にピロリ菌か巣くっていたことはほぽ間遠いない。一世紀前の日本人は99%がピロリ菌感染者だったからだ。ピロリ菌は五万八千年前のアフリカにいた人類にも見つかっており、今日まで人類と長い間共生してきた。  明治、大正時代には日本人は一家だんらんで食事をしていた。夕食は鍋を囲み、各自が同じ鍋の中に、はしを突っ込んでいた。家族全員がピロリ菌に感染していた。  昔の日本人はほぽ100%がピロり菌に感染していたのに、なぜ今ほど問題にならなかったのだろうか。  ピロリ菌は胃の粘膜を柔らかくし、胃酸が食道に逆流するのを防いでいた。胃にいいピロリ菌が、悪者にされるようになったのは、現在がストレス社会になったからだ。ストレスが絶えず胃に加わり、胃壁が荒れてくると、ピロリ菌が悪さをし始め、慢性胃炎や胃かいよう、胃がんまでを引き起こすという。  ストレスがなく、胃に何ら症状のない人からピロリ菌を完全に除菌すると、かえって弊害が出ることになる。  胃かいようや胃炎を診たらピロリ菌を除菌することが消化管診療の大きな目的となって十数年たった。確かに日本人のピロリ菌感染者は急減し、今日では4割しか感染していないという。しかし、消化管の異常を訴える人が増加してきたのもまた現実だ。


 ピロリ菌のニュース(2)ピロリ菌の功罪

ニュース(1)(ピロリ菌を抑え疲労回復)
ニュース(2)(ピロリ菌の功罪)
ニュース(3)(ピロリ菌除去の判断は負の側面も考えて)
ニュース(4)(ピロリ菌に高率感染)
 

ピロリ菌のニュース画像(2)
ニュース(1)(ピロリ菌を抑え疲労回復)
ニュース(2)(ピロリ菌の功罪)
ニュース(3)(ピロリ菌除去の判断は負の側面も考えて)
ニュース(4)(ピロリ菌に高率感染)
 





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