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もっと手軽にクッキーハウス!フードプロセッサーで作るお手軽クッキー生地♪ 記事登録日:2013/03/09
最終更新日:2013/03/09
 
またまた「クッキー生地」です。
当サイトではすでに、クッキーハウス作りに最適なバターをクリーム状に練って作る型抜きクッキー用の生地をご紹介していますが、このレシピはちょっとめんどくさいと言いますか、素材の温度管理であったり、作り方にも注意点が多く、気軽さに欠けるのが難点です。
そこで、
フードプロセッサー利用のお手軽生地のご紹介。
材料の準備が済めば、10分かからず生地ができちゃうという・・・!
良い状態の生地に仕上げるためにいくつか注意点はありますが、うまくできればなかなかきれいな生地肌のクッキーが出来上がります。

気軽に楽しむ型抜きクッキー!ぜひ、お試しを♪

こちらのクッキーハウスは
フープロを利用した
こちらの生地を使い
100均の型を使って
つくったものです
詳細は
こちらでご紹介しています






 道具と材料の準備  ポイント&雑感
 作り方  このレシピについて
1.下準備について  使用する材料について
2.生地作り バター / 粉砂糖 /  / バニラビーンズ
3.成形と焼成について 薄力粉 / ベーキングパウダー
4.クッキー生地のアレンジについて  生地の状態についての解説
5.生地の活用法;タルトを作ろう!  




  Pâte Sucreé pour Hexenhaus ヘクセンハウス用シュクレ生地   こちらの型紙のヘクセンハウス1台分)
材料   我が家で使用している材料詳細
バター(食塩不使用) 150g よつ葉 食塩不使用バター
粉砂糖 100g カップ印の粉砂糖
全卵 50g Mサイズ卵/重量は白身を加減して合わせる
バニラビーンズ 適量 自家製バニラエッセンス/使用したバニラビーンズはこちらの商品
     
薄力粉 300g 北海道産小麦粉ドルチェ
ベーキングパウダー 小さじ1 省略可/使用するならロイヤル又は明治屋のものがオススメ





道具と材料の準備
 
今回は「お手軽」をキーワードに、道具も作り方も極力シンプルに。
思いっきり「手間を惜しんだ」レシピになっています。

生地づくりで使用するのはフードプロセッサーのみ。
材料の準備に必要な道具や、あれば便利な小物もいくらかはありますが、一応「フープロさえあれば」のレシピです。

我が家のフープロはクイジナートのDLC-10PLUS
いや、もう、10年近く昔の型なので仕様は随分変わったようですが・・・。
最近のフープロ事情はよくわからないのですが、こちらの製品は日本のものに比べ、パワーがあるのが売りでした。
今回も、結構無茶な使い方をしているので、これ以外の機種を使われる場合はモーターの調子を良く確認の上作業してください。
今回の主役はフードプロセッサー!
これ以外ではラップが必須
後は、生地をとりだすスパチュラや
めん棒があると便利です

写真奥に写っているのは
最近ハマっているコストコで購入した
ストレッチタイトフードラップ
914.4mの大容量サイズで
惜しみなく使えます♪



クッキー生地作りの材料がこちら。
基本的にはクレメ法で作るクッキー生地と同様。
上の表はプレーンの生地のみを作る場合の配合になります。
この他の生地配合については4.クッキー生地のアレンジについてをご覧ください。

下準備としてはバターを角切りにしておく、卵をなるべく泡立てないように均一に溶いておく、の二点。

角切りのバターですが、温度は高すぎず・低すぎず、が理想です。
扱いは季節によっても変わるので下記のポイント&雑感使用する材料について/バターの項をご覧ください。
卵についてはクレメ法の時ほど神経質になる必要はありませんが、数種類の生地を同時に作る場合には卵液を分割することになりますので黄身と白身の割合が同じになるよう、丁寧に溶いておく必要があります。

この他、材料に関する詳細はポイント&雑感使用する材料についてをご覧ください。

生地作りに必要な材料
写真は上記分量の1/4量になります

この他、生地によっては
ココアや抹茶などの副材料を用意

バターは写真のような
少し小さめの角切りにしておきます







作り方
1.下準備について
 
卵液の準備をします。
材料の全卵は個数ではなく重量で用意します。
だいたいMサイズくらいの卵であれば50g超だと思いますので、あとは白身を減らすことで分量に合わせます。

レシピにある分量すべてをプレーン生地にする場合はなめらかに溶いた卵液を用意するだけで十分ですが、卵液を分けて数種類の生地を作る場合は出来るだけ均一な卵液にしておく必要があるので、一度茶漉しなどで漉しておく方が無難です。

クレメ法で作るクッキー生地については、卵の温度をバターと同じにしておくことが生地づくり成功の秘訣でしたが、今回のフードプロセッサー利用の生地については卵の温度について特に注意すべき点はありません。
むしろ、カッターの刃による摩擦熱の生地への影響を減らす為、夏場などは卵の温度が冷たいほうが良い場合もあるかと思います。

例えばMサイズの赤玉
58gの場合・・・


白身を減らして50gにします

クッキーハウスやアイシングクッキーにする場合
除いた白身はアイシングを作るのに使えます



卵の下準備に便利なのがまぜ卵
白身を切り刻めるので
次の漉す作業が圧倒的に楽になります!!



卵1個から
数種類のクッキー生地を作る場合には
溶いた卵液を等分割することになります

その際には分割された卵液が
なるべく均一なものになるよう
あらかじめ茶漉しで漉しておくのがオススメです



写真は4種類の生地を一度に作る場合
50gを四分割で12.5gづつとなります

0.5gは計量しにくいので
とりあえず12gずつを計り取りました
最後に残る卵液は12gより多くなりがちなので
これを吸水率が高めの生地
例えばココア生地や抹茶生地などに
使うようにするとバランスが良くなります



この時には
プレーン・コーヒー・イチゴ・抹茶の生地を
作りました

フレーバーの付け方に応じて
下準備は若干異なります
基本的に
液体のフレーバーや
水に溶けるものは卵液に混ぜ込み
粉系のものは薄力粉に混ぜ込んでいます



バターは角切りにしておきます。
バターはフードプロセッサーの刃に効率よくかかるよう、1cm以下の小さい角切りにしておきます。
バターをフードプロセッサーにかける際、冷凍されたカチカチのものを使用することがよくあるのですが、今回のレシピでは室温や季節に応じて作業開始時点のバターの状態を変える方法を提案しています。
詳しくはポイント&雑感使用する材料について/バターの項をご覧ください。





2.生地作り (写真は上記レシピの分量を4等分し、バター32.5g・薄力粉75gで作業をした際のものです)
 
フードプロセッサー容器に粉類を入れ、一度撹拌します。
フープロ容器に計量した粉類を入れます。
薄力粉のみの場合はすぐに次の工程へ、ベーキングパウダーや抹茶、ココアなどの粉系の副材料がある場合は一度撹拌し、粉を混ぜ合わせておきます。
ベーキングパウダーの使用は任意です。
入れるかどうかについてはポイント&雑感ベーキングパウダーをご覧ください。

粉の中に角切りにしたバターを散らし、極力カッター刃にくっ付かないよう粉をまぶしつけておきます。
粉の入った容器の中に角切りにしたバターを入れたら、スパチュラなどで転がして粉をまぶしつけます。
この後カッター刃で切り刻まれますので効果のほどはわかりませんが、はねたバターが容器のフチにへばりつくことへの対策にはなっていると思います。

準備ができたらスイッチオン!その後、粉砂糖→卵液の順に加え生地を整えていきます。
まずは粉類とバターを切り混ぜ、バターをなるべく小さい粒状にします。
次に粉砂糖を入れ、同様に切り混ぜ、更になめらかな粒にします。(「粒」と言うよりも「粉」に近いくらい細かく粉砕しておくのが理想的)
その後、卵液を容器の外側付近に散らばるように回しかけ、スイッチを入れます。
この時には連続して動かさず、ガッガッと小刻みに生地をまとめるようにスイッチのON・OFFを繰り返します。
全体に卵液が行き渡り、生地がある程度まとまったら、少し連続して刃を回転させ、生地を練り上げて出来上がりです。

生地の状態については以下の写真を参考にしてください。
写真は色の変化がわかりやすい抹茶生地の例です。

抹茶などの粉類の副材料や
ベーキングパウダーを入れる場合は
事前に一度カッターを回して
切り混ぜておきます



均一になった粉類に
角切りにしたバターを散らします
フープロのカッター刃や
ワークボウルのフチにへばりつくのを防止するため
容器の中でバターを転がし
周りに粉をまぶしつけておきます



私はクイジナートのシンプルカバー
を利用していますが
隙間からの粉の飛散がひどいので
上からラップをかぶせて作業しています
これで飛び散りがかなり軽減できるので
オススメの方法!

(リンク先の商品は
私のものとは随分形が変わってますが)



まずはバターと粉類を切り混ぜ
細かい粒状になったら
粉砂糖を加え
再びスイッチを入れて切り混ぜます



粉砂糖を混ぜたら
卵液を全体に回しかけます
写真では若干中心部分にも
卵液がかかっていますが
なるべくボウルのフチよりに卵を散らすようにすると
カッターの下の部分に入り込む卵液が少なくなり
材料のロスが減ります



ガッガッと
小刻みにスイッチのON・OFFを繰り返し
卵液を全体に行き渡らせます



ガッガッを繰り返すうち
次第に生地がまとまってきます

更にON・OFFを繰り返します



大きな生地の塊ができ始めました

ここまで来たら
一度ガーッと長めにスイッチを入れて
生地を切り練りします



抹茶生地は硬めなので
どこまで混ぜてもこんな感じですが
プレーンだと次第にボウルのフチに
粘った生地がつき始めます

生地が粘った瞬間が
スイッチを切るタイミングです



こちらはストロベリーパウダー使用の
イチゴ生地の例

ストロベリーパウダーは熱湯で溶いて
イチゴ液にして生地に添加されるので
粘りのあるゆるい生地になりがちです

生地を切り練りすると
写真のように随分とねちねち状態になります
ある程度練らないと
生地肌がまだらになるのですが
練り過ぎると気泡が入り
でこぼこの生地になるので
生地の状態によって手加減が必要です



生地が出来上がったら
空気を抜くように一つにまとめ
ラップの上に取り出します

私は少し手で練るようにまとめていますが
あまり練り過ぎるとバターが溶けだしますので
いじりすぎないのも大事なポイント



ラップの端を四角に折りたたみ
めん棒で生地を均します

生地の塊の中心から
四隅に向かって
余計な空気を押し出すように
めん棒で広げていきます



出来上がった抹茶生地をよく見ると
抹茶の濃いところと薄いところで
ムラができているのがわかります

フードプロセッサーを使用すると
どうしてもこういう
仕上がりの粗い部分ができてしまいます

この点についてはクレメで作る生地のような
丁寧な手作業には勝てません!



使用後の容器

カッターを抜くと
このような生地が残ることがあります

続けて別の生地を作る際、私は
この部分を拭き取って作業を継続しました



今回作った生地は4種類
プレーン→イチゴ→器具洗浄
→抹茶→コーヒーの順で作りました

出来上がった生地はトレイに入れて
冷蔵庫へ
出来るだけ一晩寝かせて使用します
急ぐ場合でも3時間くらいは
休ませてから使用する方が
生地が扱いやすいと思います







3.成形と焼成について
 
成形についても簡略化(?)
手抜きバージョンはラップにて♪
90度回転やひっくり返すときにも直接生地に触れることなくラップごと動かせるので、本格的にペストリーマットなどを敷いて作業するよりもやりやすいかもしれません。

打ち粉は、お化粧でチークを塗る時みたいに、刷毛に粉を取り、直接はたくと付け過ぎを防げます。

仕上がりの質にこだわるなら、生地の厚みが均一であることは絶対条件。
プロは感覚で厚みがわかるそうですが、素人の我々は、素直に充て木を利用しましょう。
製菓用品として専用のルーラー(またはケーキバールともいう)もありますが、クッキー生地の厚みをそろえるだけならばホームセンターなどで売っているヒノキの角棒がオススメです。
クッキー生地の厚みをそろえる、という目的に置いては、木製のルーラーはめん棒が滑らない点でも高価な金属棒より使いやすくて◎。
ホームセンターでのお値段は一本50円程度、厚みは1mmから1mm単位で選べます
たいていは90cm売りなので半分に切って使っています。(3mm厚くらいまでならカッターで簡単に切れます)

ラップに挟んで作業すると、表面にラップのシワがついたりしますが、気になる場合は最後の数回、上面のラップをはずして直接生地を伸ばすようにすればシワを軽減できます。

お手軽クッキー生地は
成形方法もお手軽に♪

タッパーに打ち粉(強力粉)を用意
おしろいみたいに刷毛で粉を取り
生地にはたいて使っています

打ち粉を両面にはたいたら
ラップに挟んで生地をのばしていきます

初めのうちはラップに生地がくっついて
クルンとめん棒に巻いてきたりしますが
適宜生地を回転させつつ
打ち粉をはたいて
すこしづつ平らにしていけばOK



焼成は一応「3mm厚の場合170度で合計13分程度(7分30秒・反転後5分30秒)」というのが今の私のスタイルです。
ただし、これについてはオーブンの癖(温風の吹き出し口の位置)や設定温度と庫内の実温度との差などもありますので、焼き上がり時のきれいな焼き色や生地肌を目指すなら各自のアレンジは必須です。

例えば我が家の場合、設定温度は170度ですが庫内にオーブン温度計を入れるとだいたい160度を指していますので、焼成温度は160度ですと言った方が正確なのかもしれません。
経験から、(設定温度が)180度では焼きむらが激しくなり、160度では焼き上がりの生地肌が荒れたので170度がベストという結論に落ち着きました。(レシピ本での指示は150度から180度まで、著者により幅があります。)
また、コンベクションオーブンなので、庫内向かって右手奥に温風の吹き出し口があり、この風の当たる部分に焼き色がつきやすい為、なるべく均一に焼き色を付けるために途中天板を反転しています。

ところで、最近弓田亨氏の著書「Patisserie françaiseそのimagination (1)」を読んで知ったことですが、サブレなどは下火を押さえて焼く方が良いそうです。
それに倣って焼成したところ、焼き上がりの生地肌が安定して、特に二番生地によく見られる生地の凸凹が軽減されたような気がします。
我が家のコンベクションオーブンは上下に電熱線があるので、左の写真の通り、アレンジを加えました。
国産のオーブンレンジではこういう調節はなかなか難しいかもしれませんが、ご参考までに。

オーブン下段に網を上向き置き
天板を二枚重ねて(写真では1枚ですが・・・)
その上に生地を置きます

生地は銅板の上にシルパンを敷き
その上に並べています
生地の変な浮きを抑えるためにも
シルパンは必須です

下火を弱くするためとはいえ、
あまり上火に近くなると
焼きむらがひどくなるので
色々と考えた末のセッティングです







4.クッキー生地のアレンジについて
 
クッキーハウスを作る際、プレーンのみの単色でも十分素敵な作品は出来上がります。
ただやはり、クッキー生地のバリエーションが増えると、家を構成するパーツの色みが増し、見栄えがぐんと良くなります。
また、いざ食べる段になると、同じ味では食べ飽きてしまう、という問題があったりするわけですが、味にも変化があるとこちらも解消されるわけです。

ということで、手元にはクッキー生地の色みと味に変化を付けるべく、いくつか試作してみたレシピがあります。
ただ、今のところまだまだ実験中と言いますか、これ!と言えるレシピはあまりありません。
また、分量的なものをわかりやすくまとめるページの構成方法を考えている段階なので公開しているレシピは少ないのですが、とりあえず、左のミニクッキーハウスに使用されているプレーン・イチゴ・コーヒー・抹茶の生地を一気に作る方法をクックパッドに投稿していますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

Cpicon FPで!イチゴ・コーヒー・抹茶のクッキー

2013年バレンタイン用に製作した
ミニクッキーハウス
土台が98mmの手のひらサイズです

100均で購入した型をアレンジして作りました

組み立てについてやデコレーションの小技等
アレンジの詳細についてや
これまで作成したクッキーハウスについては
ヘクセンハウス作品集でご紹介しています







5.生地の活用法;タルトを作ろう!
 
このサイトでご紹介しているクッキー生地は主にパート・シュクレ(シュクレ生地)のレシピを参考にしています。
パート・シュクレはタルトの土台に使われる生地ですが、いわゆるクッキー生地であるサブレ生地にくらべ、しっかりと材料同士をつなげることで焼成後の生地の強度を高めてあることから、クッキーハウス作り用のレシピに適していると考えたからです。

ということで、このサイトでご紹介しているクッキー生地はタルトの土台にも◎!なわけです。

個人的に、手間のかかるクレメ法で作った生地(特に一番生地)についてはせっかくの綺麗な生地肌が隠れてしまうタルト台に使うのはもったいないと感じてしまうのですが、今回ご紹介したフードプロセッサー利用の生地については、簡単に生地ができますので、タルト作りにも大いにオススメいたします。

タルト作りは残り生地の活用にも有効です。
一度生地を取った残りの生地(二番生地)はどうしてもまとめる時に空気が入ってしまうので、きれいな型抜きクッキーはできづらいことから、これらの生地をその時々で冷凍庫に保存し、まとまったところでタルト台に成形してしまう!、というもの。
種類の違うクッキー生地でも、よほど味がかけ離れたものでない限り、練り混ぜてマーブル状にするなどすればこれまた変わったタルト台ができておもしろいと思います。

私が作っているタルトのご紹介やその際に役立つレシピなどについては、また改めてページを作成したいと思っています。

あまったクッキー生地をタルトに転用♪
といいながらも、
18cmのタルト一台を作るのには
2mm厚に伸しても
だいたい150gの生地が必要になりますので
余り生地消費用には
少し小さめのタルト型がある方が
良いかもしれませんね

初めからタルト用のシュクレ生地を、
という場合には
小麦粉の一部を
アーモンド・パウダーに置き換えるのもおすすめ
さっくり感と香ばしさが増します

その場合薄力粉の15%程度を
アーモンド・パウダーに置き換えます



ブラックココアのシュクレ生地
+ チーズケーキ生地
+ 生クリーム&イチゴ

18cmのパンドジェンヌ型

生クリームの絞り出しはサントノレ口金で♪
(個人的にはポリカのものがおすすめ、
ステンのものに比べぷっくり感がありキュート)
サントノレ口金は、いくらか慣れが必要ですが
デコレーションが苦手な私でも
星口金を使うよりかは
マシな仕上がりに・・・



プレーンのシュクレ生地
+ フォンダンショコラのベース生地
+ チョコレートムース
+ ココアパウダーでお化粧

20cmのタルト型

試作のタルトの中では一番の自信作
ここで使っているチョコレートムースは
近日中にご紹介予定です

そのチョコレートムースですが、
丸口金で絞り出してデコレーションしています
クリームほどなめらかではなく
絞り出し後は「ブツッ」と切れる感じになるので
特に終盤のまとめ方にはコツが必要


ココアのシュクレ生地
+ アーモンドクリーム&洋梨
+ 生クリーム&マロングラッセ
+ バターベースのモンブランクリーム
+ 粉砂糖でお化粧

18cmのパンドジェンヌ型でで

私にとっては初モンブランクリームでした
皆さん簡単に作られてますが
意外に難しかったです
絞り出しはぐるぐると円状に絞り出すより
直線を重ねるほうが断然作りやすかったです
また、太めの口金よりも
細めのもので何往復もする方が
品良く仕上がる気がします













ポイント&雑感

  • このレシピについて

    今回ご紹介しているレシピはサブラージュ法という作り方を参考にアレンジしたクッキー生地になります。

    いわゆる「クッキー生地」(≒シュクレ生地)の作り方には、このサブラージュ法の他にクレメ法というのがあります。
    サブラージュとは、バターと小麦粉をすり合わせ砂(=サブレ)のようにする(=サブラージュ)ことを言い、クレメとはバターをクリーム状に練って(=クレメ)作業することを言います。

    「サブラージュ」を行う製菓の代表はブリゼ生地。(練りパイとも呼ばれます)
    素材同士のつながりが浅く、サクサクとした食感が特徴の、砂糖が入らないタルト生地です。
    サブラージュはもともとお菓子の「サブレ」を作る際の手順だったようですが、日本で公開されているレシピではそのサブレもクレメでつくられるケースがほとんどのようですね。
    「クッキー生地」(≒シュクレ生地)に至っては(フードプロセッサー利用のレシピ以外)クレメ法で作られるものが完全に主流になるかと思います。

    ただ、手順として「サブラージュ」を選択するか「クレメ」を選択するかは、仕上がった生地に求める食感や作業環境、技術的要因等の絡みで選択されるもので、必ずしも「サブラージュ=ブリゼ生地」・「クレメ=シュクレ生地」と言うわけではなさそうです。
    (サブラージュとクレメの手順の違いによる生地への影響はこの下のバターの項に記述しています)

    ご参考までに、サブラージュ法で作るシュクレ生地の動画がこちら。
    解説はフランス語ですが、作業手順はお分かり頂けると思います。
    コメント欄に「これはブリゼ生地じゃないのか?」との質問に「たしかに!これは砂糖入りのブリゼ生地と言えると思います」との回答が付いています。
    が、個人的にはブリゼ生地では普通フラゼ(親指の付け根で生地をすり合わせる作業)を行わないので、これは「ブリゼ生地ではない」と言えると思います。





    クレメ法に倣った作り方についてはこちらでご紹介しています。

    また配合について、ですが、こちらのレシピはクレメ法のものと同じく以下の書籍を参考にして分量をアレンジしました。
     - チャレンジホビー めざせ!あこがれのパティシエ (趣味工房シリーズ) 青木定治氏のクッキー生地
     - 弓田亨のフランス菓子 弓田亨氏のシュクレ生地
     - お菓子の基本大図鑑 ガトー・マルシェ シュクレ生地
     - 「FAITES VOTRE PATISSERIE」 Gaston Lenôtre氏のシュクレ生地
     - もっと知りたいお菓子作りのなぜ?がわかる本 相原一吉氏のシュクレ生地
     - ケーキ作りは基本が決めて 安井寿一氏のサブレ生地

    それぞれの材料に書かれている重量は一見大きく異なるようですが、生地に占める割合で考えるとおおむね似通った値に落ち着きます。
    特に青木氏・弓田氏・ルノートル氏のバターと全卵の比率はほぼ同じ(バター150gに対する全卵の量は誤差1g)でした。
    あとは砂糖や薄力粉の量、アーモンドプードルを加えるかどうかでいくらかの差があるものの、伝統的な生地というのはベストバランスがすでに確立しているものなんだなぁと、ちょっと感動。
    今回のレシピではこの「ベストバランス」を拝借し、卵1個分(50g)を基準にしてアレンジしたものをご紹介しています。


  • 使用する材料について

    クッキー生地に使用する材料について、素材の選び方や扱い方、アレンジをする際の注意点を挙げておきます。

    • バター
      生地の出来上がりを左右するのは、今回もやはりバターの状態です。

      フードプロセッサーでバターと粉をあわせる際、冷凍庫でカチカチに凍った状態で作業する方法をよく見かけます。
      これはブリゼ生地やサブレ生地など、「ざっくり」や「ぼろっ」とした食感を求める際の方法だと思います。
      ただ、このようにサラサラの生地・バターの粒が生地の中に点在しており、材料のつながりが浅い生地は、焼成後の生地表面に焼きむらが出やすいように思います。
      これはバター・砂糖・卵・小麦粉、それぞれの焼き色と焼き色がつく温度が違う事が原因ではないか・・・と、私は考えています。

      この点においてクレメ法で作る生地は、バターと粉砂糖、卵をしっかりとクリーム状にした後に粉と併せ、更にしっかりと練ってつないでいるので焼成後の生地肌についてはこれに勝るものは無いと考えています。

      そこで今回のレシピでは、「粉とあわせる時点で、バターが若干クリーム状になりかけている状態」を逆算してバターの準備をすることをオススメします。
      具体的には、冬場・室温が15度程度の時にはあえて室温で放置しておいたバターを使う、春秋の室温が20度前後の時期には冷蔵庫から出したてのものを、夏場・室温が30度前後になったら冷凍庫で凍らせたものを使用する、という方法です。
      目指すのは、生地づくりの最後に卵液が入って生地がひとまとまりになった後、少し容器の周囲に張り付くくらい生地に粘りを持たせられるようにすること。
      バターが溶けだして容器やカッターにねっちょり付くのはダメですが(余計な空気が入って焼き上がりがぼこぼこになります)、生地がぽろぽろと砕けてまとまらないのも理想的ではありません。
      いずれも食べられないクッキーが出来上がるわけではありませんが、見た目も重要な型抜き&クッキーハウス作りでは焼き上がりの生地肌は綺麗にこしたことは無いと思います。

      クレメ法で作った理想的な状態の生地
      焼き上がりの生地肌がなめらかで
      焼き色のムラもありません

      気泡が入っていない
      まっ平らな焼き上がりを理想としています



      フードプロセッサー利用のレシピを
      凍った状態のバターで作業したもの

      生地肌はザラザラ&細かいでこぼこ
      焼き色は細かい斑で
      浅黒い印象の仕上がりになりました



      フードプロセッサー利用のレシピを
      柔らかめのバターで作ったもの
      (冬場につき室温のバターで作業)

      なめらかな生地肌で
      焼き色もきれいです





      使用するバターですが、食塩不使用のものが理想です。
      バターの銘柄によって作業性に若干の違いがあります。(風味や味も違うと思いますが、その辺は私にはよくわかりません。)
      今回はバターがある程度硬い状態で作業が終始しますので、クレメ法ほど銘柄による出来上がりの差は無いと思います。
      また、コンパウンドマーガリンの使用については、まだこちらのレシピで作ったことがないので今のところなんとも言えません。
      機会があったら試してみようと思います。


    • 粉砂糖
      粉砂糖は「純粉糖」と呼ばれる一切混ぜものが入っていないものと、防湿の為にオリゴ糖が添加されているもの、同じく防湿の為にコーンスターチが添加されているもの、以上の、大きく分けて3種類があります。
      シュクレ生地には純粉糖の使用が理想的なようですが、湿気に弱く良い状態での保存が難しいことから一般家庭では混ぜ物入りの粉糖で十分だと思います。
      「純粉糖を使用するほうがさっくり仕上がる」と聞きましたが、いずれにしても配合量は微量なので、私にはそれぞれで作った際の味の違いはわかりません。

      レシピの分量ですが、アイシングでデコレーションすることを考慮し、控えめの甘さにしてあります。
      好みによりバターと同量程度(上記分量で150gまで)増やすことが出来ます。

      グラニュー糖100%の純粉糖

      こちらの商品は
      500g355円と少々お高めですが
      500g210円の商品もあります
      湿気による硬いダマが出来やすいので
      マカロンやアイシングで
      大量に使用する場合を除き
      小分けパックの少量買いがオススメ

      グラニュー糖をミルサーにかけて
      純粉糖を手作りするという話も
      聞いたことがありますが
      私はやったことがないです


      オリゴ糖入りの粉糖
      湿気防止の為に3%のオリゴ糖が
      添加されています

      粉糖に特有のダマは出来ますが
      スパチュラで潰せる程度の
      軟らかいものです
      純粉糖よりは湿気に強いので
      そこそこ製菓を楽しむ方なら
      1kg買いをしても大丈夫

      コーンスターチ入りに比べ
      若干お値段が高めです


      コーンスターチ入りの粉糖
      湿気防止の為に数%の
      コーンスターチが
      添加されています

      こちらは富澤商店さんで購入したもの
      安さにつられて買っちゃいましたが
      コーンスターチ入りでした

      クッキー生地作りでは
      違いはわからない気がしますが
      アイシングにすると違いが出るようで
      良く言うとサクイ、悪く言うとモロイ?
      あと、つやも悪い?
      ものになるみたいです


      粉末水飴入りの粉糖

      こちらは富澤商店さんで発見しました

      おそらくあまり一般的でない
      粉末水飴入りの商品です

      「粉末水飴」というと
      シュガークラフト用のパウダーシュガー
      によく入っていますね

      他の粉糖に比べお値段高めなので
      クッキー生地への使用には
      躊躇しますが、
      アイシングをするのに
      よさそうな感じがしてお試し購入
      使用感は後日UP予定です





    • 今回のレシピでは、卵はMサイズを使うのが一番ロスが少なく黄身と白身のバランスが良いと思います。
      シュクレ生地のレシピでは卵黄のみを使うレシピと卵白も入れる全卵使用レシピの両方があります。
      今回はアイシングなど焼成後にも作業をすることを考え、強度のある焼き上がりを目指したので卵白も加えるレシピにしてありますが、よりさっくりと、もろくても良いのでコクがあり舌触りの良い生地を狙うなら卵黄のみにする方が良いようです。

      余談ですが、卵黄の色が濃い卵を使うと、生地の色は黄色が強くなり、焼き上がりも黄色の濃いクッキーになります。
      青や紫の着色料などで生地の色付けを考えている場合は卵黄の色が発色にも影響するのでこの点には少し注意する必要があります。

    • バニラビーンズ・バニラエッセンス
      バニラビーンズは、ココアや抹茶入りなどプレーンクッキー(バニラクッキー)以外の生地では入れないもののようですので、場合によっては省略可です。
      (私は常に入れています)
      バニラクッキーにする場合には上記分量で1/2本分のバニラ棒を用意し、さやを割って中の種を取り出し生地に加えます。

      私はまとめ買いしたバニラのさやを割り、取り出したビーンズとさやをブランデーに漬けて保存、自家製バニラエッセンスとして利用しています。
      ブランデーにバニラの香りが移り、これだけでもエッセンスの代用になりますし、ビーンズも入れてやるようにすれば本格的な仕上がりになります。
      この時便利なのがラー油の空ビン
      ちょっと粘りのあるバニラビーンズを扱うのにちょうど良くてオススメの容器です。

      市販の香料を使う場合には、焼き菓子ですのでエッセンスでなくオイルを使います。
      本物のバニラビーンズを使用して香り付けをするのが理想ではありますが、もっとお手軽にこだわりを楽しむにはモンレニオンのヴァニラエキストラクトがオススメです。

    • 薄力粉
      クッキー作りに使用する薄力粉は、スポンジケーキのように銘柄によって出来が違うということは起こりにくいと思うのでお好みの銘柄で大丈夫だと思います。
      この件について、先日、愛用の北海道産薄力粉ドルチェを切らしてしまいスーパーバイオレットで代用して生地を作ったのですが、なんとも私好みでない食感に仕上がってしまいました。
      おそらく粉のキメが細かすぎるのだと思います。
      食べた時に卵ボーロのようなサラサラ?カスカス?感があって、さらっとして口溶けは良い?のですが、味気ない印象。
      好みの問題はあるかと思いますが、よほどそういう食感を狙っているのでない限り、おすすめはしない選択です。

      実は粉の持ち味の違いを認識したのはこれがはじめてで、「私って、馬鹿舌じゃ、なかったんだね♪」と、ほんのりうれしかった出来事。
      それはさておき、粉にはクッキーなどに向くといわれている商品(個人的にはドルチェがオススメ!)を選ぶのが無難だと思いました。

      粉類ではさっくり感と香ばしさを出すために薄力粉総量の15%程度をアーモンド・パウダーに置き換えることもありますが(今回のレシピの場合、薄力粉255g・アーモンド・パウダー45gにする)ナッツ類は酸化が速いので、今回は日持ちをさせるために使用を控えています。

      レシピ内の薄力粉の量ですが、今回は300gと少し多めになっています。
      「クッキー生地」としてはお好みにより250gから320gくらいまでアレンジが可能で、薄力粉の量が少ない方がよりサックリとバターの風味を感じる生地に、多いと目の詰まった食べ応えのある仕上がりになります。
      型抜きクッキーの生地としては少ないと軟らかい生地になり若干抜きづらく、多いと硬いので抜きやすい生地になります。
      (ただし、硬い生地は伸す時に少し割れやすくなる欠点もあります)

      以下はクレメ法で作った生地の写真ですが、ある程度しっかりと混ぜる作り方では、薄力粉の量が少ないと焼成時に溶け出したバターが打ち粉と層を作ってしまい下の写真のような生地肌になりがちです。
      薄力粉の量を減らしたレシピでは、混ぜすぎないほうがより配合の特徴を生かした仕上がりになると思われます。

      薄力粉300g
      ベーキングパウダーなしの生地

      個人的にはこれが一番理想に近い状態です

      薄力粉260g
      ベーキングパウダーなしの生地

      バターに対し薄力粉の量が少ないのか
      表面にパイ生地のような薄い層が出来ています


      薄力粉260g
      ロイヤルベーキングパウダー使用の生地

      薄い層がより目立つ焼き上がりに・・・
      左の生地とのこの差はBPによるものなのか
      実は定かではないですが・・・



    • ベーキングパウダー
      ベーキングパウダーはお好みで使用を判断してください。
      参考までに、使用しない場合と使用した場合の見た目の違いを下記で比べてみました。
      下の写真では分かり難いですが、動物などの抜き型で抜くと、BPを使用した方が少し膨らんで角が取れるので、いくらか優しい印象の焼き上がりになりました。
      ちなみに肝心の食感ですが、食べた感じは2mmや3mm厚の生地では違いはわかりませんでした。

      ベーキングパウダーを使用するならロイヤル又は明治屋のものがオススメです。
      理由については別ページでベーキングパウダーの使用感をレポートしていますのでそちらを参考にしてください。
       → アルミニウムフリー・ベーキングパウダー 使用感覚書

      ベーキングパウダー不使用

      マットな生地肌です


      明治屋ベーキングパウダー使用

      若干生地が波打っています


      上段:左の二枚を重ねて真上から撮影
      BP入りの方が若干サイズが
      大きくなっているのがわかります

      下段:クッキーを焼いたとき、まれに
      このような黒点が出ることがありますが
      これはBPの質によるものです
      詳しくはBP使用感覚書をご覧ください


  • 生地の状態についての解説

    生地の状態を表現するために、レシピ中で使っている用語ですが、これらは製菓用語ではなく、私が勝手に名付けて(?)使っているものです。
    どういった状態のことを言っているのか、写真でご説明しておきます。

    「生地に油がにじむ」とは

    写真の上段が冷蔵庫から出したての
    油のにじんでいない生地
    下段が温かい手でネリネリして
    わざと油をにじませた生地


    「生地がダレる」とは

    上段は型抜きした生地を
    持ち上げているところです
    これがダレていない状態
    下段がダレてしまった生地です


    「生地に気泡が入る」とは

    上段は終始スパチュラで作業した生地
    気泡が入っていないなめらかな焼き上がり
    下段は泡だて器で生地作りをしたもの
    気泡が入り凸凹の焼き上がりに・・・










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