コラム

社員の化学日記 −第49話 「ピンコロ」−

暑い・・・。 今年で人生で○○回目の夏本番がやって来た。

ただでさえうっとうしいのに「原稿を早く書け!」と口うるさく言ってきた。 最初は何度も「書くことが思い浮かばない」といつもの逃げ口上でかわしたが,根負けした。

こう暑くては頭もボーッとしてこれ以上の逃げ口上すらも続けて浮かんでこない。

地球温暖化だか異常気象だか知らないが,とにかく暑すぎるのだ。 昔はこんなに暑くなかったし,気温が35℃以上になる「猛暑日」なんてのも存在しなかった。 だからかもしれないが,エアコンはおろか扇風機さえも滅多にお目にかかれなかった昔でも暑くは感じなかった。

風鈴,すだれといった涼を呼ぶ手段を使うことで,十分に暑さを凌ぐことができた。 ところが今は省エネの名の下に密閉性の良い西洋建築が当たり前となり,人工エネルギーを使った空調管理下での生活に慣れてしまった。

そこへ来て「脱原発」の名の下に計画停電の可能性に怯えながら暑さに耐え,独居老人が日中の室内で熱中症になって救急車で運ばれるというニュースも珍しくなくなった。 いくら節電でも命懸けでは本末転倒。体力のない年寄りや子供ほど節電とは無関係に空調管理,水分補給を気遣うべきだろう。

ただし,歳をとってきたらきたでいずれ「お迎え」がくるであろう時のことも考えて,無理のない程度に体力を維持しておくことも必要。 人生の店じまいの準備。

小生はおじさんと呼ばれる年齢になってから始めた週末のテニスを今も続けている。

もちろん大会出場を目指した運動部のようなものではなく,同世代の趣味の集まりで無理はせず,運悪く病気やケガをして寝込んでしまっても周りに迷惑をかけないための体力維持が目的。 何のための体力維持かというと,普段から体力維持に心掛けてピンピンしておいて,逝く時はジタバタせず,周囲にも迷惑かけずにコロっと逝きたいのだ。 孫ができてからは特にこんなことを意識するようになった。

ただし,いくら無理がない程度の運動といってもこう暑くては屋外コートでの体力消耗は半端なものではない。 だから夏は特に水分補給に心掛けて「年寄りの冷や水」にならないようにしている。

【Y(ペンネーム)】

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