コラム
社員の化学日記 −第206話「イカすくい」
何か月か前の話ですが、ホタルイカを取りに行きました。
毎年春頃には富山湾で"ホタルイカの身投げ"と呼ばれる現象が起こります。 イカが身投げ?なんじゃそら??と思われる方もいると思いますが、 普段海の底に住むホタルイカはこの時期産卵のために沿岸部に上がってくるのですが、そのホタルイカが浜辺に打ち上げられてしまいます。 打ち上げられて光っている姿がホタルイカの身投げと呼ばれています。 なぜ打ち上げられるのかはまだ解明されていないそうですが、産卵で体力がなくなった説や、帰る方向が分からなくなった説等々、諸説あります。
ホタルと言えば、今まで源氏や平家ホタル、海ホタル、土ホタルは見たことがありますが、ホタルイカはスーパーで茹でた後の姿しか見たことがなく、 一度光った姿を見てみたい!&とれたてを食べてみたい!という物欲満々で漁に臨みました。
まぁ漁と言っても一般人が漁をするわけにはいきませんので、ホタルイカを取っても良い限られたエリアで、アミを手にもってじっと水面を見て探すスタイルです。 なので釣りでも漁でもない、単にアミで掬うだけのイカすくいになります。
時期は3月末、まだまだ寒さが残る夜の海は冷たいのでしっかりと防寒防水の準備が必要です。
・足から胸元までを防水仕様に→チェストウェダー ・真っ暗海を照らす→ヘッドライト ・浜辺に打ち上げられる前に救う、いや掬う→たもアミ ・大量ゲットに備える→大容量クーラーボックス
これらを新しく準備し、大阪から富山湾まで4時間半ドライブ。 家族が眠った静かな車内で眠気覚ましのスルメイカを噛みつつ、夜中に目的地到着。
が、その日は波が高く、浜辺にはぽつぽつ人がいるものの海に入っている人はゼロ。イカも全く見つからない。 駐車場はほぼ満車でしたが皆さんホタルイカが現れるまで車内で待機しているようでした。
ホタルイカの身投げは条件が揃っている時に発生しやすいそうです。 新月前後であること、波が少ないことや風の方向、海水温度等、ホタルイカの気持ちが高ぶらないと湧いてくれません。
外は寒いし仕方がないので私も車で仮眠、のつもりが起きたら朝になってました(徹夜ができない年齢に...) 他の人の様子を見てもその日は結局イカが全く現れなかったみたいです。 結局、浜辺から移動して近く「ホタルイカミュージアム」へ。 暗幕の中光っているホタルイカを見ることができましたし、揚げたて(とれたて?)のホタルイカフライもおいしくいただくことができました。 タッチプールで生きたホタルイカに触ることもできてなかなか楽しい場所でした。
あ、ここまで化学の話がまったく出てませんね。。 ホタルイカの発光の原理は、ルシフェリン(発光基質)という物質がルシフェラーゼ(酵素)の働きにより酸化される際に発光するとのこと。 強い光ではありませんが、ホタルイカの発光は青白くきれいな光です。
ということで、準備した道具は全部新品未使用のまま。 もったいないので来年再チャレンジするつもりです。
【栗正(ペンネーム)】
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