コラム
社員の化学日記 −第139話 「無題」−
今,放送中の朝ドラでは,信楽の女性陶芸家が主人公になっています。
そういえば,昔,友人が信楽で暮らしていたときに,陶芸がしたいとか言い出しました。紹介してくれる人がいるということで,一緒に訪ねて行ったことがあります。
陶芸をしたいと思っていない僕がどうして一緒についていく必要があったのか,よく覚えていませんが,信楽だけあって,タヌキの置物がいっぱい並んでいるなぁと感じたのは何となく覚えています。
陶器の作り方として思い浮かぶのは,粘土をこねて,ろくろで形を作って乾燥させた後,うわぐすりをというものを塗って焼くという作業です。
うわぐすりというのは,どのようなものだろうと思って,調べてみたところ,釉薬(ゆうやく)と呼ばれていて,塗ったあとに焼くと,ガラス成分が熔けて表面をコーティングすることで強度を上げたり,水が染み込まないようにしたり,色を着けたりすることができるもののようです。
釉薬は,次のものから成り立っています。出来上がりを考えて,調合する割合を変えるそうです。
・熔けてガラスになるもの(珪酸) →珪石,長石,粘土等に含まれている。 ・素地と接着させるもの(アルミナ) →粘土,長石等に含まれている。 ・熔ける温度を調整するもの(アルカリ及びアルカリ土類) →灰,石灰,長石等に含まれている。 ・色を着けるもの(金属) →鉄,銅,マンガン,コバルト,クロム,ニッケル等。
【三津和次郎(ペンネーム)】