コラム

社員の化学日記 −第137話 「永久磁石」−

ビンテージギター高騰していますね。まるでバイオリンのストラビバリウスのよう億超えるものもでてくるのではないでしょうか。20年前とは桁が違ってきています。びっくりしますね。

私が学生だった頃,ビンテージギターはアルニコピックアップ(ギターのマイク)で量産のギターはフェライト(セラミック)ピックアップと雑誌で読んだ記憶があり,そこにはアルニコピックアップは減磁で時間と共にサウンドが変わってしまう,だけどフェライトピックアップは永久磁石でサウンドは変わっていかないとの記事があったように思う。お金がない学生にとっては,時間と共に音が変わってしまうアルニコピックアップ搭載ギターよりもずっと使用可能な,フェライトピックアップ搭載品に魅力を感じた。とにかく長く使用したかったのでフェライト一択でした。(実際アルニコ搭載ギター高くて買えませんでした)。

しかし,当時アルニコピックアップ搭載のビンテージギターを使用しているプロギタリストがたくさんいて,なぜ生産から時間のたったギターを使用しているのかわからなかった。そのギター賞味期限が切れて使用出来なくなると思い込みがありますした。それとのプロはお金があるので,ダメになったピックアップはすぐ交換なのかなと。まあ,つい最近までその認識でした。

アルニコピックアップが永久磁石であることを,つい最近知った。以前読んだ記事は,自分の読み間違えだったのかな?それとも記事が間違っていたのだろうか?永久磁石であればそれなりの期間しようできそうですね。

アルニコピックアップはアルミニウム(Al),ニッケル(Ni),コバルト(Co)を主成分とした合金で出来た磁石を使用。

フェライトピックアップは酸化鉄(Fe2O3)を主原料にしてバリウム(Ba)ストロンチウム(Sr)を微量くわえた化合物できた磁石。

また,永久磁石とは,それ自身が磁石の性質を持つものです。永久磁石の定義を知っていれば,おかしな勘違いはなかったですね。

磁石は,原子核の周りを電子が回転することによって,磁力を生み出す。鉄などは原子そのものが,永久磁石になっています。しかし,鉄全体では磁極の向きがバラバラのため磁力を打ち消し合っています。磁極の向きをそろえるため,他の材料と化合また,溶かして合金にすることで磁極の向きを揃え,向きを固定し永久磁石として機能するようになります。

製造の仕方で磁力の強さなどに影響が出るため,ギターのピックアップなどにしようすると音色に影響が出てきます。エレキギターが作られた当初は,アルニコ磁石主流の為アルニコピックアップの音はビンテージの風のサウンドといわれます。

また,永久磁石とはいえ本当に永久なわけではなく,温度や物理的な衝撃等により磁力を失います。

化合物や合金,まったく同じものを作るのは難しい,コスト等の問題もある。エレキギター製造当初の音は,当時の物を使うしかなさそうですね。

将来ピックアップだけでもとんでもなく高価で取引されるときが来るかもしれないですね。

ではまた次回。

【白色林檎】

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