コラム

社員の化学日記 −第126話 「夫はイクメン,妻にはゴメン」−

夜も長くなりもう年の瀬です。今年を表す漢字は"災"だそうで,西日本豪雨や台風21号,災害級の暑さ等,確かに災いに苛まれた一年でした。当社がある大阪も,台風21号や大阪北部地震と被害に遭いました。

今年の流行語も発表されました。 一位はカーリング女子チームがよく使っていた言葉の「そだねー」で,今年を表す漢字とは真逆の明るい雰囲気が感じられる言葉が選ばれました。 はたしてこの言葉が全国で流行したのかは知りませんが,まあ関西では日常ほとんど使われない言葉でしょう。 「そやねー」「せやなー」のクセの強さはなかなか抜けません。

流行語にノミネートされる中には育児に関する言葉もチラチラ見かけます。 「ワンオペ育児」や「保育園落ちた日本死ね」等がそうで,少子化が進む日本の中で育児環境の問題が呈されている状態なのが分かります。 私自身が育児中ということもあり,それらの言葉には関心があるのですが,いまいちはっきりとしない言葉があります。

それは「イクメン」です。 何年か前に流行語にノミネートされ,今でも時々聞くこの言葉なのですが,この言葉を聞くたびに考えてしまいます。 イクメンの定義ってなんなんでしょう?以前妻に言われたことがあります。 「イクメンイクメン言うけど,じゃあ家事育児を頑張ってる世のお母さん達は何て呼ぶんだ」と。 まるで「アンタ(私のこと)はイクメンじゃない!」と言われているようだったのですが,「イクメンって何をしたらいいの?」 なんて聞いたら火に油を注ぐことになりそうで,その場では何も言いません,いや,言えませんでした。

イクメンの定義があるのか調べてみたのですが,はっきりとした定義は見つかりません。 各家庭の事情,環境が違いますからはっきりとは定義づけられないとは思います。

ただはっきりしたのは世のお父さんが想像するイクメン像と,世のお母さんが理想とするイクメン像に差があるってことです。 あるネットの掲示板に「こんな夫はイクメンでしょうか?」という質問がありました。 自称イクメンの男性が答えていたり,その自称イクメンを否定する女性もいたりで質問の決着はついてませんでした。

思うのですが,そもそもイクメンという言葉があるからややこしくなるのではないのでしょうか。 流行語なんかにならなければ,"家事育児に協力的な夫"という括りで世のお父さん達は平穏に過ごせていたのではないのでしょうか。

協力的という言葉が重要で,協力といっても度合いは大中小さまざまです。幅があるからこそいいのです。 「アンタはイクメンじゃない!」と白黒はっきりさせるのではなく,「アンタはあまり協力的じゃない!」とぼかして否定するほうが言われた方も少しは頑張る気持ちが出るのではないでしょうか。

・・・熱く語り過ぎました。イクメンじゃない私がする話ではないですね。

とりあえずうちの家ではイクメンという言葉は発しないようにして,今夜もわが子のおむつの交換をしようと思います。

どうかこの文を妻が読みませんように・・・

【栗林】

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