コラム

社員の化学日記 −第125話 「無題」−

最近,チキンラーメンが期間限定の復刻版として発売当初のパッケージで出ていたので,何かあるのかと思っていたら,今年で60周年とのことでした。

子供のころから食べていますが,たまごポケットが無かった頃は,卵を入れてからお湯をかけると真中からずれてうまくできなかったので, 目玉焼きを別に作って,後から入れていましたが,たまごポケットができてからは,真中からずれなくなったのでとても便利になりました。

チキンラーメンといえば,世界初のインスタントラーメンですが,JAS規格では,インスタントラーメンのことを,即席めんと呼び, 小麦粉又はそば粉を主原料とし,これに食塩又はかんすいその他めんの弾力性,粘性等を高めるもの等を加えて練り合わせた後,製めんしたもののうち, 添付調味料を添付したもの又は調味料で味付けしたものであって,簡便な調理操作で食用に供することができるものであるとされています。

めんの処理方法としては,「フライめん」,「ノンフライめん」,「生タイプめん」の3種類があります。 「フライめん」は,チキンラーメンで使われている方法で,油で揚げて乾燥しています。 こうすると,水分が抜けた後に無数の穴が開き,お湯を注ぐとそこから吸収されて元に戻ります。 てんぷらの衣の表面に無数の穴が開いているのを見て思いついた方法とのことで,「瞬間油熱乾燥法」と命名されています。

「ノンフライめん」は油で揚げずに乾燥させており,「生タイプめん」は有機酸溶液中で処理した後に加熱殺菌しています。

また,それぞれのめんの特性に基づいて,主な品質項目が定められていて,「フライめん」は油脂の酸価 1.5以下,「ノンフライめん」は水分 14.5%以下, 「生タイプめん」は水素イオン濃度 pH3.8以上pH4.8以下となっています。

【三津 和次郎(ペンネーム)】

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