コラム

社員の化学日記 −第120話 「酒よ−夏のビール編−」−

6月になった。

梅雨入りもしたらしいが,近畿地方では今のところ大きく荒れた天候の日もなく,雨が降っては何日か晴れの日が続く日々が続いている。

でも,さすがに晴れた日は気温も上がって汗をかく量も増える。 通勤時に背広やジャケットを羽織っている人はまばらになり,ほとんどの人がノーネクタイ,ワイシャツ1枚の「クールビズ」を実践している。

筆者も通勤時はネクタイはしていない。 確かに,ネクタイをしているのと,していないとでは体感温度はかなり変わってくる。汗のかき方も違ってくる。

でも,この季節,汗をかけばかくほど美味くなってくるもの,それはビール。

最近は年齢のせいもあって飲酒量は非常に少なくなったが,飲んだ時にトイレが近くなる頻度はそれに反比例して増えてきた。

特に,真冬に熱燗で一杯,という時に比べると夏にビールを飲むときの方が頻度が多い気もする。

アルコールには利尿作用があるらしいが,アルコールと水分を摂取することによって,単純に腎臓の尿の生産量が通常より多くなるだけではないらしい。

アルコールには,体内の視床下部というところでつくられる「バソプレシン」というホルモンの分泌を抑える性質があるらしい。

この「バソプレシン」,体内の水分が少ないときに「尿の生産中止」を腎臓に伝達する役目があるとのこと。 結果,飲酒するとアルコールによって「バソプレシン」の分泌が抑えられ,「尿の生産中止」が中止,すなわち腎臓での尿の生産が通常よりも活発に行われることになって,トイレが近くなるのである。

ビールに限らず,ウィスキーや日本酒等他の酒類でも同様らしいが,ビールを飲んだ時の方がトイレが近く感じるのは飲む量が多いから,・・・らしい。

汗をかいて体内の水分量が少ないはずのに,トイレに行きたくなるのはこのホルモンの働きが鈍くなるのが原因だったのか。 お酒を飲まなくても,歳を重ねるごとにトイレに行く間隔が短くなっている気もするが,それもこのホルモンの分泌量が減ってきているからかも・・・。

【YS(ペンネーム)】

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