石川虚舟
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ミーソン遺跡
ヴェトナム紀行

織女と牛郎
 
ダナンの勾玉
 
フエの赤光
 
大理石製の遅延

玉山祠(三教総合)

錬気化神

鎮武観の龍魚

亀/寿老人

騎牛帰家

阮宣杖頭

船の文化

ライン紀行
 
 

「ヨーニとリンガ」(ミーソン遺跡展示館) 
    photo 2016. 3. 7
 
2016年3月7日、ダナン南西70キロの山中に位置する世界遺産、ミーソン(My Son、美山)遺跡を見学。紀元後3世紀以降、13世紀までのチャンパ王国の聖地であるが、ヴェトナム戦争時に、B52の空爆によってその建築群は8割がた破壊され、現在も修復中。 しかしながら、そこにあった砂岩の魅惑的な彫刻群のほとんどは、19世紀にフランス人が収集し、ダナンのチャンパ美術博物館に展示されている。
 
Shiva神を表象するLinga(男性器像)の多くは、上の写真のようにYoni(女性器像)と一体であり、下部に数多くの乳房を環状に配置する等のヴァリエーションがある。 しかし右の写真のLingaは、単独で大地に直立している。下段の方形はBrahmaを、中段の八角はVishuuを、上段の円柱形がShivaを表象する。 ヴェトナム中部は、紀元後にヒンドゥー等の様々な文化の影響を受けるが、紀元前から中国に支配されていた。多分、下段の方形は中国の四神(白虎、青龍、玄武、朱雀)、八角は易経の八卦、そして円柱は太極図に由来しているのであろう。
因みに、Brahmaは宇宙の創造者であり、Vishuuは宇宙の守護者、Shivaは宇宙溶解の責任を負い、現象界の創造と破壊のダンスを踊る。
 
    cf. Tran Ky Phuong, Vestiges of Champa Civilization, 2012
 
 
 

「リンガ」(ミーソン遺跡、GroupsG-5)
    photo 2016. 3. 7
 
ミーソン遺跡のGroupsGは、ミーソンの最後期で、13世紀とされる。
 
⇒ 石川虚舟《太極台》 2016〜