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マルツDクラスアンプの制作


サブシステム構想

いまのメインシステムは発熱がすごい。猫が乗りかけて慌てて足を外します。うかつに物は置けません。
電源の入切にも気を使います。ツレアイ曰く「CD聴きたいのに、めんどくさくて使う気になれない」だそうです。
そこでサブシステムを作ることにしました。

アンプユニットの選択

絶対にD級アンプ、実用的な出力で、安くて、いい音、
などと無茶な条件でネットサーフィンしてますと、面白いものが見つかりました。
マルツエレック株式会社が通販している「25Wモノラルパワーアンプ D級【MDAMP-TR0803】」というキットです。
https://www.marutsu.co.jp/pc/i/209827/
トランジスタ技術 2008年3月号に載った記事の抜粋もあり、基本データが確認できて安心です。
少し古いICですが、10W越えのモノラル基板1枚2500円弱は安い。キット4枚買ってしまいました。

電源部

電源は、マルツのおススメというのが既に販売していないので、 15V5Aの安いスイッチングACアダプタを2台買って±15Vを作りました。
電源部
念のため手持ちのリレーでラッシュカレント防止回路を入れて、
更に電源OFF時の逆流防止用に、直流出力にダイオードを入れました。
電源回路

アンプユニット基板の作成

部品数も少なく、割と簡単に作れます。
一応オーディオ用としては評判の悪いセラミックコンデンサーは、安いフィルムに置き換えました。
入力のカップリングコンデンサーもニチコンMUSE・ES無極性とフィルムを並列したものに変えました。
スイッチング周波数を半固定抵抗で450kHzに調整して出来上がり。
コンデンサ交換

注意点

実は1枚目を作って、スイッチング周波数調べたら、発振してませんでした。
いろいろと調べていたら、22μF電解コンデンサのハンダが基板から剥がれてました。
基板パターンの一部が酸化?されて接触不良だったようです(赤丸あたり)。長い間保管されていたせいかなぁ?
基板裏
念のため2枚目以降は元のハンダを取って、フラックス塗って熱かけてからハンダ付けしました。
これが結構手間でしたね。

入力バッファ追加

入力インピーダンスは3kΩと低く、この辺り(抵抗R2とR3)を変更するとスイッチング周波数にも影響するとのこと。
入口に可変抵抗を入れたいので、オペアンプのボルテージフォロワを基板入力の前に入れました。
バッファアンプ

内部の全体像です。ステレオアンプが2台入ってます。
内部全体像
ケースは5mmのSPF材で作りました。発火したらよく燃えるだろうなぁ...
手持ちのウレタン樹脂塗料を重ね塗りしたら、結構高級感が出ました。
外観

出力に4Ωと8Ω繋いで、f特取ってみるとこんな感じ
周波数特性
出力を開放すると、もっと高域が上がります。
高域インピーダンスが上がるスピーカーだと、インピーダンス補正がいるかもしれないです。
ただし、70歳超えの聴力の私には影響ないかもしれません。

音出し

10cmフルレンジ(CORAL 4A-70)に繋いでCDを聴いてみました。ダブルステレオアンプなので、半分使っています。
なんかラジオっぽい音、がっかりしながら聞いているとジャズ2曲再生する間にみるみるいい音になってきました。
エージングの効果?どこかの接触不良?
アンプのエージングなんてあるとしても極わずかと馬鹿にしていましたが、これには驚きました。

電源ON時のポップノイズはほとんどありません。動作開始遅延回路があるからでしょうか。
電源OFF時はボッと小さな音がしますが、問題ないレベルです。

音質

密閉箱の10cmフルレンジなので音質の細かい評価はできませんが、
パイオニアM22という純A級をFET化したアンプ(こちら)と聞き比べました。
パイオニアM22はピアノの低い鍵盤もそれらしく、バイオリンの艶やかな高音もきれいに再生してくれます。
これに比べると、マルツDアンプは重心が高いほうに移動します。
最初、バイオリンの高域に独特の艶と強調感を感じて、これもよいかなと思いましたが
やはり自然な艶ではないので聴き疲れします。
このスピーカーの高域のインピーダンスは20Ωを超えるので、かなり高域が盛り上がっているのではないでしょうか。
出口のフィルター係数を変えるか、スピーカーにインピーダンス補正回路を入れるかした方がよいでしょう。
(もっと後ですが、スピーカー端子に10Ω入れました(31Ω1Wを3本パラで)。
落ち着いて聞ける音になりました。

低域は押し出しが足りません。出てないわけではないのですが、力が足りません。
電源のコンデンサーは2200μF×2ですがパワーアンプとしては小さめです。
D級アンプはそういうものかと思っていましたが、大容量の電解コンデンサーが手に入ったら
電源に追加してみたいと思います。そのためにラッシュカレント防止リレーを入れてますので。
上手くいったらこのページに追記します。
追記
±電源にそれぞれ10000μF×2を足してみました。
電源コンデンサ
ちゃんと聞き比べたわけではありませんが、低域が少し良くなりました。
劇的な変化ではありませんが、不満はまあ解消されました。
高域はCR直列をスピーカーと並列に入れようか、とか考えたのですが
大きめの上質なコンデンサーが必要になりそうなので止めました。
チャンネルディバイダー通して高域は別アンプにしよう!

で、現在は、こんな感じで聴いています。
システム概要
サブシステムのつもりがメインシステム崩してしまいました。
チャンネルディバイダーはこちらに記載してます。
結局、中域と低域のアンプを置き換えただけになってしまいました。
しばらくはこれで鳴らしてみます。
発熱少し。スイッチ1つでONOFF(オムロンの遅延リレー使用)。手軽に音楽が聴けます。
その後
悪くはないのですが、何か生々しくありません。低域の力感でしょうか。そりゃあパイオニアM22と比べるのは気の毒ですね。
別部屋のサブシステムはパイオニアPE101復刻版を使っているのですが、10cmフルレンジのくせに低音がたっぷりです。
このD級アンプはこちらに使った方が相性がいいかも。
ということで、メインシステムはほぼ以前のシステム構成に戻りました。
サブシステムは別のページ(こちら)で紹介します。


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