野草と野菜
(卓効のある野草と健康野菜)


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4  しょうが(健胃、カゼ、冷え性に)
 しょうがはインドが原産といわれ、古代中国でも芳香健胃剤として用いられていますが、わが国でも、二千年にわたって、健胃や、カゼの初期症状を治す特効薬として珍重されてきた、民間薬の王様といえる日常薬で、私たちの食生活には薬味という形で、深く生き続けている食品でもあるのです。
〔効用〕
 胃の具合いが悪い、胃がムカムカして吐き気がする、おなかがシクシク痛むなどという胃腸の障害、セキが出て困る、タンが喉にからむという症状、カゼのひき始め、暑気当たり、冷え性、中風などにしょうがは効果的です。漢方では生のしょうがを生姜(しょうきょう)といい、ひねしょうがを乾姜(かんきょう)と呼んでいます。生姜は健胃鎮吐剤、うがい薬、腹痛、冷え性、中風などに用いられ、乾姜は駆風消化剤とされていますが、いずれも、しょうがの中に含まれている、呼吸中枢や血管、運動中枢を興奮させ、新陳代謝を高める成分を生かしたものといえるでしょう。発汗作用もよく知られています。
〈用い方〉
 薬効はありますが、刺激成分の多いものですから、それほど大量に用いてはいけません。漢方では1回4グラムほどを煎じるように言っていますが、民間薬としても、料理の薬味としても、この程度が良いところでしょう。
 
【しょうがの発汗剤の作り方】
〈材料〉しょうが1かけ(小)、熱湯200ミリリットル
〈作り方〉しょうがはすりおろしてコップに入れ、熱湯を注ぎます。飲みにくいときは、ハチミツを少量加えます。
〈用い方〉しょうがの諸成分で発汗作用を促進し、初期のカゼに有効です。飲んだら暖かくして眠ること。
 
【しょうが黒砂糖湯】
〈材料〉おろしたしょうがのしぼり汁小さじ3分の2、黒砂糖(細かく砕いたもの)大さじ1、レモン汁4分の1個分、熱湯150ミリリットル
〈作り方〉温めたカップにしょうが汁、黒砂糖を入れ、熱湯を注ぎます。さらにレモン汁を加えて、よく混ぜて飲みます。
〈用い方〉しょうがの刺激と黒砂糖の作用で、頭痛や鼻詰まり、のどの痛み、カゼのひきはじめに有効です。飲んだ後は、暖かくして寝るのが一番。
〔注意〕
 しょうがは刺激性の強い香辛料で、食べると、そのまま腸管から排出されるため、痔の悪い人は症状を悪化させる恐れがあります。また、のぼせ症の人が食べ過ぎると、のぼせが一層激しくなります。炎症性の皮膚疾患のある人も、皮膚のほてりが強くなり、かゆみがひどくなって、発疹が出たりすることがあるので注意してください。