胚芽は食物の種の中にある発芽する部分で、保存されよければ、何十年たっても光と水さえあれば芽が出るほどに生命力の強いものです、。小麦胚芽の効用を広めたのはアメリカのハウザー博士で、長寿、若返りの強化食とされています。

　小麦胚芽はタンパク質の割合が多い食品で、肝機能を高めるメチオニンがあり、解毒作用を強化します。また、ビタミンＥが多いので、副腎脂質ホルモンの分泌が促され、皮膚を美しくし、過敏症をしずめ、精力を増す働きをします。筋肉の弱々しくなるのを防ぎ、月経を正常にし、性的発情や発毛を進める作用もあります。これは脳下垂体のホルモン分泌をよくする働きがあるからなのです。

　小麦胚芽には鉄分も多く、貧血防止にも役立ちます。さらにビタミンＢ群も多く、頭脳の栄養として、受験勉強する子供たちを大いに助けることもできるでしょう。

　小麦胚芽の適量は1日大さじ1と考えてください。

　牛乳やみそ汁に入れてもよく、パンにバターをぬって、その上にふりかけてもよいでしょう。ホットケーキや菓子を作るときに小麦粉に加えるのも良い方法です。

　小麦胚芽は長く保存すると油やけしてきます。不快な異臭を感じたら食べないようにしましょう。粉末状と扁平状のものがあって、健康食品店で入手できます。

 

　小麦胚芽油は動脈硬化、高血圧症などの血管性のほか、精力を強くする作用もあり、小麦胚芽の数倍強く働きます。

〈材料〉小麦胚芽、和紙、茶碗

〈作り方〉丈夫な和紙に針の先で小さな穴をたくさんあけ、それを茶碗にかぶせて中央を少しくぼませます。紙が動かないように茶碗の縁をセロハンテープで止めます。

　くぼみに小麦胚芽の粉末を山盛りにして、よくおこった炭火の上に金網を乗せておいておくと、胚芽粉末が焼けるしたがって、油がにじみ出し、小さな穴から茶腕の底にしたたり落ちます。これを適当な容器に移し替えて、冷暗所に保存します。

〈用い方〉飲む時はスポイトで吸い上げてから、白湯か水に浮かせて用います。