野草と野菜
(卓効のある野草と健康野菜)


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36  つるむらさき(美容と内臓疾患の治療に)
 ビタミン、ミネラル類をたっぷり含んだ食品として注目されています。
〔効用〕
 つるむらさきは糖質の少ない植物なので、食べ過ぎても太らないのです。なにしろ、にんじんの5分の1程度なのですから。
 カルシウムも多く、かぼちゃの3倍、鉄分はほうれんそうの10倍、ビタミンAはほうれんそうの3倍弱で、ビタミンCも豊富です。ビタミンB1、B2は葉より茎の方に多くあります。こうしたことから貧血症、胃腸の弱い人、胃潰瘍、肝臓病、バセドウ氏病などによく、肥満防止や健康増進の効果も少なくありません。
〈用い方〉
 つるむらさきの種を園芸店などで入手して、5月初旬から7月下旬まで5回に分けて種をまくと、順を追って葉や実が食べられます。あさがおを育てた経験があれば、それほど難しい植物ではありません。葉も実も食べられるので、毎日少しずつ摘んで常食するとよいでしょう。
 若葉はフライにして食べるとおいしいものです。葉は柔らかくて、食べやすいのでおしたしやごまあえなど、日本料理のどんなものにでも使いこなすのは簡単です。
 葉が厚くて、大きくなり、1枚の重さが40グラム以上にも育つ10月以降には糖分が多くなり、味もリンゴのように甘くなるので、サラダにも使えます。この葉を5〜6枚ずつラップに包んで冷凍保存すると半年以上ももたせることができますから、1年中かかさず食べることもできるのです。沖縄ではピン・ハーと呼んで、汁の実にしたり、炒め物にして食べられています。
〔メモ〕
 垣根や軒のひさしにいっぱいに茂らせて、夏の日よけとして活用しながら、思いついたときに、その葉や実を採って料理に使えるといった楽しみがつるむらさきの利点が一つでもあるのです。