野草と野菜
(卓効のある野草と健康野菜)


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34  びわの葉(内臓疾患、リュウマチに)
 びわは昔から薬王樹と呼ばれて、奈良朝時代から寺院では葉を治療に用いるために、境内に必ずびわの木を植えていたということです。びわ療法の名で広く民間に伝えられてきました。
〔効用〕
 暑気当たり、リュウマチ、腎臓炎、慢性胃病、病後の衰弱からくる食欲不振など、きわめて広い範囲で使えます。
〈用い方〉
 びわ葉療法の特徴は飲むより、外用にした方が効果が多いということでしょう。びわの葉の光沢のある表側を、ぼうっと湯気が出るまで火で温め、これを痛む部位に押しつけるのです。重症の場合は1日3回ぐらい、1〜2時間ずつ行います。軽症なら1日1度、就寝前にやっておけばよいでしょう。
 リュウマチで手首の痛いときなどは、葉を温めて患部に当て、布で巻いておきます。これで、2〜3日で痛みが去ります。
 腎臓病の人は同じ要領で腹部に開当てて寝るとよいのです。食欲のない人も同様です。
 慢性胃病の人は左の胸骨の下に温めた葉を当て、テープで止めて寝るとよいです。
 びわの果実は約4分の1がタネて、果肉には糖分、こはく酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸と酵素、タンニンなどが含まれています。
 果実は口渇を防ぎ、皮膚病に効ありとされていますので、糖尿病とそれが原因の皮膚病に効くことも考えられます。
 種は漢方では枇杷仁と呼んで、セキ止めに使われます。
 びわの葉に不思議な効用があるのは、葉の中に青酸が含まれ、これが働くからだろうといわれています。びわの葉をアルコールにつけてびわ葉エキスを作り、ガーゼに浸して患部にのせ、上から熱を加えるエキス療法もあります。