野草と野菜
(卓効のある野草と健康野菜)


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32  コンフリー(高血圧、ぜんそくに)
 コンフリーはムラサキソウ科に属する多年草で中央アジアに自生し、昔から切り傷、やけどに効果があることが知られていました。コンフリーはフランス語で「治す」という意味なのです。
 わが国へは第二次大戦後に牧草として移入されてきましたが、乳牛ばかりでなく、人体にも優れた効能があるということで注目されるようになったものです。
 1度植えると、年々根が大きくなって長さ1メートルにも達し、葉はタバコの葉に似て肥料を充分に与えれば、長さ70〜80センチ、幅15〜20センチにもなります。
〔効用〕
 コンフリーの栄養成分はまだ充分わかっていませんが、タンパク質、カルシウム、鉄、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、E.、アラントインなどが多く含まれています。
 こうしたものの複合作用で夜盲症や、皮膚乾燥性がよくなります。ビタミンB12の働きで悪性貧血や妊娠性貧血が改善され、アラトインは白血球を増やし、新陳代謝を盛んにし、喘息の治療に役立ちます。
 ビタミンB2は口唇炎、舌炎、食欲不振などに効果があります。ニコチン酸は口内炎によく、パントテン酸は糖尿病、動脈硬化にもよいのです。ビタミンB1やB6、ピオチン、葉酸、コリン、ビタミンEなどは神経痛、肝臓病、肩こり、筋肉痛、皮膚病、流産予防、若返りに効果的です。カルシウムも含まれていますから、下痢を治し、骨軟化も防ぎます。
 コンフリーには、このほかに鎮痛作用、収れん作用があって、肺の病気や肺出血の治療にも有効だと評価されています。
〈用い方〉
 コンフリーは、葉と根の両方用いることができます。根をすりおろしたものは、サラダに加えたり、レタス、チーズ、セロリなどと野菜サンドにしたりします。
 ハチミツ煮や塩漬けにすれば保存食にもなります。葉は生食としてサラダに使っても、煮ものに加えて、煮て食べてもよいのです。葉の全面にトゲ状の短毛が生えていますが、アラントインやB12を含んでいるので、除いてはいけません。気になる人は揚げ物にすれば食べやすくなります。コンフリー茶や青汁も有効です。1日に20センチ足らずの若葉6枚が適量です。
 
【コンフリーの根のおろし方】
 直径4〜5センチくらいの大きな根を長さ15センチほどに切って、皮がはがれないようによく洗い、水分をふき取って、おろし金ですりおろします。これが1日分の適量です。
 
【コンフリー茶の作り方】
〈材料〉化学肥料を使わないで栽培した株の若葉を選びます。
〈作り方〉葉をよく洗って、沸騰している湯の中に30秒ほどつけ、細かく刻んでザルに上げて、、天日でよく乾燥させます。
〈用い方〉きゅうすにひとつまみ入れて湯を注ぎ、3〜4分おいてから茶こしでこして茶わんに注ぎます。
〔メモ〕コンフリー茶は、すり鉢でつぶして微粉末とすれば抹茶のようにもすることができます。