野草と野菜
(卓効のある野草と健康野菜)


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26  たんぽぽ(母乳の出が良くなる)
 キク科に属するたんぽぽは早春に他の野花に先がけて咲く生命力の強い多年草です。昔は野菜のように食べられ、大黒花と呼ばれたりしましたが、今では食用としてはほとんど使われず、わずかに漢方薬、民間薬として用いられているだけです。味はほろにがく、おしたし、ごまあえ、油いためなどにして味のよいものです。カルシウム、鉄、ビタミンA、B1、B2、Cなどが含まれます。
〔効用〕
 漢方薬では蒲公英(ほこうえい)といって根を使い、健胃、浄血、母乳分泌促進に効く処方に入れています。一方、民間薬では花、葉、根のすべてを乾燥したものが使われ、この10グラムを水180CCで3分の2くらいに煎じたものを使います。精力増進、健胃、母乳分泌促進などのほか、胆汁分泌促進、胃酸過多、浄血、発汗、解熱などの効果が知られています。
 
【タンポポの民間薬の作り方】
 開化期の直前に採取するのが理想的です。草や茎の部分と根は直接日光に当てて乾燥します。つぼみは陰干しにします。
〈用い方〉
 根10グラムを360ミリリットルの水で2分の1まで煎じると、胃腸病一般に有効です。黄疸、慢性肝炎、肝臓病には根10グラムか葉と茎15グラムを360ミリリットルの水で2分の1まで煎じたものを服用します。
 母乳不足には根10グラム、はこべ5グラム、はとむぎ5グラムを合わせて、360ミリリットルの水で2分の1になるまで煎じて飲みます。
〔採取の際の注意〕
 たんぽぽは開花前に採取するのがよいのですが、慣れないとわかりにくいので、花が咲いて、ハッキリたんぽぽとわかってから摘み取っても構いません。