野草と野菜
(卓効のある野草と健康野菜)


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21  じゃが芋(潰瘍によく効く黒焼き)
 じゃが芋はナス科に属する多年草で、南米のチリが原産です。フランス語で、ポンム・ド・テールと呼ぶのは「大地のりんご」という意味ですが、確かにじゃが芋にはりんごとよく似た性質があります。つまり、整腸作用と高血圧の防止効果が大きいという効用です。また、ビタミンCはりんごより多いばかりか、熱にも強い性質があるので、シベリア地方では冬期のビタミンC補給源として利用されています。
〔効用〕
 じゃが芋にはペクチン質が多く含まれ、これが下痢にも、便秘にも効果があります。ペクチンは消化器を保護する働きと同時に、消化しにくく、水分を含んで柔らかくふくれるので、便が出やすくなり、便秘防止にも効果があるのです。また、りんごと同様にカリウムを多量に含んでいるところから、高血圧の予防にも効果があるといわれています。こうした点から、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、やけど、切り傷、アレルギー体質、下痢、高血圧、乳児の消化不良などに有効です。
〈用い方〉
 料理としてじゃが芋を用いるのも、それなりに有効ですが、民間薬としては黒焼き、スープ、生の汁などが知られています。
 
【じゃが芋の黒焼きの作り方】
〈材料〉新鮮なじゃが芋20〜30個
〈作り方〉じゃが芋はよく洗って芽を除き、おろし金ですりおろしてから布で絞り、土鍋に入れてトロ火にかけます。かき回しながら水分を充分に蒸発させると、しだいに焦げてきて、最後に黒焼きなって鍋の底に残ります。これを空きびんに詰めて保存します。
〈用い方〉1日1回、朝か晩に5〜7グラムを水で服用します。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、アレルギー体質に効能があります。
 
【じゃが芋のスープの作り方】
〈材料〉鶏卵大のじゃが芋5個、玉ねぎ1個、水520ml
〈作り方〉じゃが芋はよく洗い、芽を取り除いて皮つきのまま薄く輪切りにし、玉ねぎ1個を八つ切りにして、水を加えて土鍋かホウロウの鍋で水が半量になるまで煮つめます。ニンジンなど好みの野菜を加えてもよいのです。出来上がったら、少量の食塩で味をつけます。
〈用い方〉1日3回、空腹時にコーヒーカップ2杯を飲みます。乳児の栄養不良、喘息、アレルギー性の皮膚病、高血圧、腎臓病に効能があります、乳児に与える場合は5分の1量でよいのですが、飲めないときは母親が普通に飲んで、母乳を与えるようにします。
 
【じゃが芋の生汁の作り方】
〈材料〉新鮮なじゃが芋3個
〈作り方〉じゃが芋は芽をとり、皮をむいて、おろし金ですりおろし、布でこしてその汁を用います。
〈用い方〉1日3回、コーヒーカップ半分ほどを空腹時に飲みます。作ってから時間がたつと酸化して色が変わり、効力が減じますから、手がかかっても飲用の都度、作るようにしてください。