野草と野菜
(卓効のある野草と健康野菜)


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19  柿の葉(様々な成人病に有効)
 柿は柿の木科で、わが国では北海を除く全国どこにでも生育しています。晴れた秋の日差しに赤い実が輝いている風景は忘れがたい郷愁を誘います。何しろ、柿の原産はわが国だとと言われるくらいですから、それも当然といえるかもしれません。柿の果実は冷えるといわれ、酔い覚ましにはよく効くといわれますが、古くから民間薬として注目されてきたのは果実よりももむしろ柿の葉なのです。それは植物中でも最もビタミンCが多いといわれる特性によると考えてもよいでしょう。柿の青葉で100グラム中600ミリグラム程度含んでいるのが普通なのです。乾燥した葉では1000〜2000ミリグラムです。
〔効用〕
 ビタミンCの効用がさまざまな症状をよくするのでしょう。シミ、ソバカスを消したい人、夏の海山や冬のスキーでのひどい日焼けの防止、美肌、高血圧、コレステロールの高い人、肥満防止、便秘の解消、歯ぐきの出血、口臭を消したい人などに柿の葉は効果があります。また、柿の果実は脚気防止の妙薬とされ、柿のしぶは高血圧に良いとか、干し柿を酢につけた汁はハチや蚊などに刺されたときにつけるとよいとされています。干し柿やその表面につく柿霜はセキ止めの薬になります。不眠症には干し柿を煎じて飲むと良いとも言われています。
〈用い方〉
 柿の若葉は天ぷらにしてもおいしいものですが、より効果的にするには青汁がよいでしょう。料理に使いたいという人は、なるべく緑のまだ浅い若葉をサラダに使うと良いのです。作るときに、ちょっと手間がかかりますが、あとが手軽に使える柿の葉茶が日常の健康飲料としてはおすすめできます。
 
【柿の青汁の作り方】
〈材料〉大きな柿の生葉10〜20枚
〈作り方〉柿の生葉をきれいにに水洗いしてから0.5〜1cmに刻み、すり鉢ですって、ふきんに包み、絞りとります。これを1日分として、空腹時に飲みます。
〈メモ〉すり鉢を使わずに、ジューサーで汁をとってもかまいません。
 
【柿の葉汁の作り方】
 これは毎日柿の葉を入手できない人のための青汁代用法です。
〈材料〉柿の生葉500枚
〈作り方〉柿の生葉をよく洗って、太い葉脈を取り除いたら、3mm幅に刻んで、2リットルの沸騰した湯に入れてふたをし、約3分間で火からおろし、冷やしてからガーゼでこして冷暗所に保存します。
〈用い方〉空腹時に5ミリリットルずつ、3回に分けて服用します。
〈メモ〉この煎じ汁はあまり長期間保存に向かず、約1カ月間有効と考えてください。
 
【柿の葉茶の作り方】
〈材料〉6月ごろの若葉が最高です。なるべく大量に作っておきましょう
〈作り方〉柿の葉をよく洗って葉の裏側から葉脈を取り除き、2分間ほど熱湯に通します。水を拭き取ってから、細かく刻んでザルにあけ、陰干しで充分乾燥させたら、保存容器で湿けないように保存します。
〈用い方〉急須にひとつまみ入れ、ぬるめの湯で分ほどおいてから飲みます。