野草と野菜
(卓効のある野草と健康野菜)


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15  くまざさ(貧血、胃潰瘍に良い)
 くまざさはイネ科に属する多年生植物で、日本が原産といわれています。わが国の山野ではよく見られますが、くまざさの先端のまだ開かない芯葉をかみながら歩くと疲れを感じないといって、登山家にも愛用されている植物です。竹もささの仲間ですが、ともに防腐効果を持つところから、すしの飾りになったり、食物の包装に用いられたりしてきました。
〔効用〕
 くまざさの濃い緑色は、葉緑素をたっぷり含んでいるからですが、この葉緑素は赤血球の中にあるヘモグロビンと化学構造がよく似ています。このため、ヘモグロビンづくりの素材として体内に吸収され、素晴らしい造血作用があります。これが貧血に効果的に働くのです。葉緑素は体の組織と臓器の働きを活発にする働きもします。これが疲労回復に効き、自然治癒力を高めて、間接的に病原菌の繁殖を抑えたり、炎症を鎮静させるのです。一般に制菌薬剤は悪い菌を殺すと同時に正常な細胞まで傷つけてしまいますが、葉緑素にはその心配がありません。また、くまざさには、バムフォリンという成分が含まれていて、これを飲むと、ガンの組織が崩壊するという説もあります。強精、利尿、緩下などの作用のほか、解熱、解毒、止血、鎮咳にも効果があります。
〈用い方〉
 ささの葉は煎じて使うのが一番でしょう。食当たりにはささの黒焼きを茶さじに軽く1杯服用します。
 
【ささの葉の煎じ汁の作り方】
〈材料〉ささの葉約100グラム
〈作り方〉ささの葉は丁寧に水で洗い、3mm幅程度に細かく刻んで、土鍋かホウロウの鍋に入れ、1リットルの水を注いで、水が半量になるまで煎じます。これを毎日コップ1杯分を3回に分けて、その都度温めて服用しましょう。