フルミスト接種説明  接種に際しての重要事項



令和7年3月9日改訂

フルミスト接種ご希望の方は下記を 必ずお読みになりご理解下さい.

「フルミスト」 の特徴

 「フルミスト」 は弱毒化したインフルエンザウイルスを使った生ワクチンです.
A型2種類とB型1種類の合計3種類に有効な 3価ワクチン*です.
 鼻腔に噴霧して投与します。投与に伴う痛みはありません.
慣れれば幼児でも怖がらずに接種できます!
 効果は1シーズンですが,注射薬よりも長く持続します.
 他のワクチンと同様,100%予防効果があるワクチンではありません.
 鼻汁の多い状態で効果が減弱します.
 今シーズンから国内で販売されることになりました.

* 3価ワクチンとは
 フルミストにはA型ウイルス2種とB型ウイルス1種が含まれていますがインフルエンザB型の1種の山形系統は含まれません.
山形系統のウイルスは2020年3月以降世界的に見られなくなっており撲滅された可能性が指摘されています.
 アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)はインフルエンザワクチンから山形系統を除くよう勧告しており,今シーズンアメリカではフルミストと同じく山形系統を除いた3価ワクチンが用いられます.


「フルミスト」 の接種対象・回数・条件

  【対象】 2歳から18歳の健康な方  

国内承認に伴い接種対象年齢が狭くなりました.
輸入ワクチンでは49歳までが対象でしたが,残念ながら国内承認は18歳までとなりました.
今後適応拡大の可能性はあります.
接種不適当の判断基準は輸入ワクチンよりやや緩くなりました.

【接種回数】  基本1回 です  
  罹患したことがない人 2回(推奨)

2歳から8歳で,過去にインフルエンザワクチン接種が無いかインフルエンザに罹患したことのない方は2回をおすすめします.

【接種間隔】  生ワクチンです.
他の生ワクチンと4週間の間隔が必要です.

接種できない人】
@2歳未満または19歳以上の人
A妊娠中の女性,2ヶ月以内に妊娠を希望されている方,授乳中の方
B持病のため免疫力が低下していたり,免疫抑制剤やアスピリン内服中の人
Cその他慢性の持病があり接種が適当でない人
D重い鶏卵アレルギーのある人,アナフィラキシーを起こしたことのある人
E他の生ワクチンを4週間以内に接種した人、発熱や急性疾患に罹患している人
F周りに抵抗力の落ちた人がいて、長時間接触したり介護にかかわっている人
G経鼻接種をいやがり、協力できない人
H接種条件を理解していただけない方

 なお,1年以内に喘息症状を認めた方,5歳未満で過去に喘息症状を認めたことのある方は,接種に注意を要しますので申し出てください.


「フルミスト」 の接種価格
【価格】  1回 7400 円 (消費税込)  (令和6年シーズン)  

今年から輸入品ではなく国内承認された製品になり価格が下がりました.
注射ワクチンの2回接種した金額とあまり変わらない価格です.


「フルミスト」 の主な副反応

発熱,鼻汁,鼻閉,咽頭通,倦怠感等のインフルエンザ様症状が見られることがあります.


「フルミスト」 の接種で生じた副反応の補償について

 今年から「フルミスト」は日本国内でも医薬品として承認されました.
従いまして万一接種による重篤な健康被害が生じた場合は,他のワクチンと同様,
医薬品医療機器総合機構の医薬品副作用補償成制度の適応対象となります.
 他の任意接種ワクチンと同じ手厚い補償が受けられます.
「フルミスト」は欧米ではかなり以前から公的に承認されており広く使用されていましたが,
 昨年まで日本国内では承認されていませんでした.当院では昨年まで個人輸入したワクチンを
使用して多数の方に接種した実績がありますが,重大な副反応は一例もありませんでした.

   米国のメーカーのサイトです.一度ご覧ください.


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