京都市左京区の内科・リウマチ科・アレルギー科クリニック。臼井医院です。

最近、関節エコー検査が関節リウマチ診療のトピックとなっています。
これは超音波で関節滑膜を栄養する血管血流の豊富さを半定量あるいは３D技術で定量化し、
特にその治療効果判定に利用しようとするものです。
下の画像は、炎症の無い手根部のカラードップラー(e-flow)画像です。
正常な表在静脈以外の血流はほとんど見えません。


次は炎症の強い手根部の画像です。左上の楕円は表在静脈です。
ピンクが上（皮下）に向う血流、青が下（関節）に向う0.05-0.1mmの新生毛細血管がたくさん見えます。

これまで関節の炎症強度の客観的指標として、主に血液検査（CRP、MMP-3）が用いられてきましたが、これらの数字は必ずしも触診所見や患者さんの訴えと一致しないことがありました。またアクテムラ使用中の症例では、CRPが強制的に陰性化してしまうため、治療効果判定にCRPは利用できませんでした。さらには現在の関節リウマチ治療目標である”寛解”の判定に客観的指標が不足し、治療を弱めるあるいは中止する判断が困難でした。
関節エコーでは微細に観察できる深さは限られてきますが、関節の炎症強度を新生血管密度によって直接的に評価できるため、特に治療効果判定や寛解判定に有用であると考えられています。
当院でも、関節エコー検査を積極的に取り入れ、関節リウマチ診療向上させるべく研究・努力してまいります。

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