「あ・・・・・ふっ・・・・・」
「どうだ、その気になったか?」
「・・・・・何の事?」
「あの話だよ。」
ベッドに仰向けに横たわったジャギは、機嫌の良さそうな声で言った。
「ああ・・・・、あの話。ふふっ、まだ二・三日しか経ってないじゃないか・・・・・。」
「二・三日考えりゃ十分だろう。」
「せっかちな男は・・・・・・んッ・・・・、嫌いだよ・・・・・」
ジャギの上で腰をくねらせながら、は不敵に笑ってみせた。
「それよりほら、もっとだよ、もっと・・・・・・あん、そう・・・・・、良い・・・・・!」
「ヘッ、この好き者が。」
そう言いつつも、ジャギはの動きに合わせて腰を強く突き上げながら、ますます歓喜の色を濃くした声で言った。
「そんなに良けりゃ、あの話も呑めば良いだろう。違うか?」
「あんッ、どうでも良いじゃないかそんな事・・・・・・、結局今だって似たような状況だろ・・・・・?」
「そうとも限らんぞ。少なくとも承知しない限りは、外へは出られん。」
「じゃあ呑めば・・・・・、外に出してくれるのかい?」
「この町の中ぐらいならな。」
「なんだ・・・・・、じゃあ幾らも変わらないじゃないか・・・・・」
皮肉な笑みを浮かべて、は腰を激しく動かし始めた。
その動きに合わせて揺れる乳房が、酷く扇情的だ。
「んっ、あんッ、あぁッ!」
「くっ・・・・・・、手放すのは惜しいぜ、俺の女になれ・・・・!」
「黙りな、ゴチャゴチャ五月蝿いよ!話なら後で良いだろう!?良いからもっと・・・・」
「チッ、何を片意地張ってやがんだ。まあ良い、腰が抜ける程イカせてやる。」
の腰を強く掴み、ジャギは思いきり揺さぶりをかけた。
「ふあッ・・・・あぁッ!!あぁッ、はァッ・・・ン!!」
「オラ、どうだ、良いか!?」
「あん、良い・・・・、ああん・・・・・・・・!」
「くっそ・・・・・、いくぜ・・・・・、しっかり受け止めろ!」
「あぅッ、あぁーーーッ!!」
大きく爆ぜた楔から迸った欲望を一滴残らず胎内に注ぎ込まれ、は力なくジャギの胸に崩れ落ちた。
「ほら見ろ。お前だって満足してるんじゃねえか。」
精液と蜜に塗れてひくひくと蠢く花弁をヘルメットの奥から一瞥して、ジャギは満足そうに言った。
「何を勿体つけてやがる?どうせ似たようなものだって言うなら、承知すれば良いだろうが。」
「・・・・・承知したって、ろくに自由に出歩かせても貰えないんなら嫌だね。」
「分かった、じゃあお前が行きたい所には、何処だって連れて行ってやろうじゃねえか。」
連れて行くという事は、一人では行かせないという事だ。
辟易したは、呆れたように言った。
「アンタって独占欲強いの?うざったいったらありゃしない。」
「馬鹿言うな。お前みたいな女が一人でフラフラ好き勝手出歩いてみろ。五分と経たねえ内にとっ捕まって、死ぬまで犯されるぞ。」
そう、こんな世になってから、危険は遥かに増えた。
物的なものなら、かつては有り得なかった水や食料が盗まれる危険。
人的なものなら命の危険。
女はそれに加えて貞操の危険まである。いや、むしろこちらの方が格段に大きい。
だから女達は皆、肌を極力露出させない服を着て、昼間でも決して一人では村や町の外に出歩いたりしないものなのだが。
「それはアンタも同じなんじゃないの?あたしをここに閉じ込めて、死ぬまで弄ぶ気なんだろう?」
「さあな、それはお前次第だ。それより、前から訊こうと思っていたんだがな。」
「何さ?」
「お前一体あの町で何をしてた?」
ジャギの鋭い質問に、は暫し返す言葉を失った。
「盗みに入って捕まって袋にされたというには、洒落にならねえ怪我だったぜ?なんだ、一人で戦争でもしてたか?」
「・・・・・・・・・・」
「俺に投げたあの手榴弾、不良品だったろう?クククッ、粋がってる割には案外抜けたとこもあるじゃねぇか。あんな物じゃドアの一枚も吹き飛びゃしねえ。何処で手に入れたか知らんが、あんなガラクタ掴まされるなんざ可哀相になぁ。まあ、女だてらに暴れるのは良くねえってこった。大人しく俺の女になっておけ。」
「・・・・うるさいね、アンタに同情なんざされたくないんだよ。」
手榴弾の事は、実は未だに腹立たしく思っていた。
あれさえちゃんとした物だったなら、今頃は目的を果たせていたのだ。
その悔しさは、忘れようとてそう簡単には忘れられない。
不機嫌な声で言い返したは、冷ややかな目でジャギを一瞥した。
「ケンシロウ、アンタこそ何だいそれ?」
「あぁ?」
「そのヘルメットだよ。セックスの時にまで被るようなものかい?色気がないね。」
「・・・・・うるせえ。お前には関係ねえ事だ。」
馬鹿にしたように笑うに、ジャギは低い声で唸った。
その声は先程までとは打って変わって凄みを増し、これには流石のも口を閉ざすしかなかった。
ヘルメットの事は禁句なようだ。
とすれば、余程顔が不味いのか、頭髪が薄いのか。
それとも・・・・、これは考え難いが、余程小心者か。
抱いている女とすら、目を合わせたくない程の。
いずれにしても、可笑しな話だ。
このヘルメットの下が、おどおどした禿の醜男である事を想像して、はつい吹き出してしまった。
「なんだ、何が可笑しい?」
「ククッ・・・・・、別に。」
「気に入らねえな。」
怒りを含んだ声でそう呟くと、ジャギは不意にの髪を掴んで、その頭を己の股間に押し付けた。
「うぐっ・・・・・、何しやが・・・・!?」
「笑ってる余裕があるなら、コイツでもしゃぶれ。」
「うっ・・・・、あふっ・・・・・・!」
怒張した分身を無理矢理口内に押し込まれ、は激しくむせた。
だが、ジャギの手は頭を強く押さえたまま、びくともしない。
このままもがいていても、余計に窒息しそうになるだけだ。
仕方なしには、口内の楔に吸い付いた。
「うっ・・・・・、あぁ・・・・・、そうだ・・・・・。いいか、俺をコケにしやがったら・・・・こうだ。」
「ううっ・・・・!」
ジャギは突如、四つん這いになっているの白い尻を掌で打った。
乾いた小気味の良い音が鳴るが、当のはそれどころではない。
痛みと屈辱に顔を顰めて、再び逃れようともがき始めた。
「無駄な抵抗はよせ、逃げられねえぜ。ちゃ〜んとお仕置きを喰らうまではな。オラッ!」
「ううっ!!」
「おい、口がおろそかになってるじゃねえか。しっかりしゃぶれ!」
「ぐぅっ・・・・!」
一発、また一発と尻を打たれる。
鞭打たれる事なら何度も経験したが、その方がまだマシだ。
まるで悪戯をした子供に対する仕置きのような、何とも屈辱的な格好が我慢出来ない。
腹を立てたは、口内の楔に歯を立てた。
「ぐあっ・・・・・!テメェ・・・・、何しやがる!?」
「ハァッ、ハァッ・・・・・!フン、ふざけた真似するからだよ。」
ジャギの拘束からすり抜けたは、濡れた唇を手の甲で拭い、痛みで力を失いかけた楔の根元を強く握って、その上に跨った。
「いいかい?あたしをコケにすると・・・・・、こうだよ。」
「テメェ・・・・・・!ぐぅッ・・・・・!」
戒めの為に爪を立てながら、は楔の先端を己の秘裂に擦りつけた。
泉に沈んでしまわないように、わざと焦らせて何度も何度も。
その感触が痛みに勝ち始めたのか、楔の芯がまた硬くなり出した。
「ふふっ、こんなにおっ立てちまって・・・・・。ねえ、欲しい?」
「チッ・・・・・・、良いから早く入れさせろ・・・・・!」
時折先端が泉の中に滑り込むも、すぐさま離されてしまう。
正に蛇の生殺しだ。
苛立ったジャギはもどかしそうにの腰を掴んだが、その手はによって阻まれてしまった。
「あん、駄目・・・・・。まだお仕置きは終わってないよ。ほら、あたしが欲しいんだろう?」
「クソッ、早くしろ!」
「・・・・・・・・だったら、二度とあたしを馬鹿にすんじゃないよ。」
「お前もな。次にしやがったら殺すぞ。」
お互い恐ろしい程の冷静な声でそう言い合った後、二人はどちらからともなく笑みを浮かべた。
そして。
「あ・・・・・、あぁ・・・・ん・・・・・・!」
「くッ・・・・・・・!」
ゆっくりと深く、身体を繋げていった。
再び快楽を貪る為に。