所見作成の手順

 情報収集場面

 具体的な情報収集場面をいくつかピックアップします。
そして、それを下記のエクセルのシートに記録しておきます。(エクセルでなくてもよいのですが)

 先生方が所見を作成されるときは、必ず各学期に各児童が努力したこと、伸張したこと、テストの結果、
人間関係等のデータを記録しておき、それらを基に作成していくと思います。

・行事 ・学習 ・係活動
各学期に一つは学校行事や学年行事があると思います。運動会、音楽や劇などの発表会、作品展など練習したり努力したりした成果を発揮する取り組みです。これらは一人ひとりの子どもの取り組む姿勢や様子がよく表れます。練習に向かう前の準備物の用意や練習時のがんばり(声の大きさ、目の輝き、動作など)必ずチェックしたいです。普段行動的でない子も、保護者が参観に来る行事となると普段には見られないがんばりを見せる子が多いです。
テストなどの成果物ばかりでなく、提出物や発表などの内容や取り組み方は必ず所見に含めます。音楽などは、鍵盤ハーモニカやリコーダーなどの日常の練習や演奏の上達状況を記録します。楽器が苦手な子であっても、一曲を毎日練習してやっと演奏できるようになったら、それを記録しておいて所見に書くと、努力してよかったと感じるはずです。図工の絵画や工作に取り組んでいる姿勢、理科の実験や観察の様子などは、子どもの姿がよく表れます。体育の鉄棒、マット運動、縄跳びなどできたかできないかがはっきりすることは、成績評価に表れにくいので、努力の様子と共に書いてあげたい内容です。
日常の係活動のがんばりも記録します。たとえば、配り係としてこちらが
指示するとさっと行動して配る子。生き物係として毎日忘れずの花の水やりや
小動物の世話をする子。遊び係としてクラスのみんなの意見を取り入れて、トラブル無く上手に運営する子。これらは生活・行動・性格などの記録と合わせてチェックしておきます。


チェックシート(例)

             名前         所見項目 1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 8番
何事にも意欲的でやる気いっぱいです。いつも学習用具を整え、いつでも学習できるようにしている。
一生懸命練習して、ひらがなのすべてがきちんと読み書きできるよになった。
『お手紙』の学習では、かえる君の気持ちを考えて、皆に伝えるように話ができた。
歌が大好きな○○さん。みんなの前でも恥ずかしがらずに、一人でも大きな声で歌えた。
朝のあいさつがとても大きい。授業中の返事も元気がよくて、発言も多い。
運動会で披露したキッズサンバが大好きで、練習も熱心。
休み時間も教室で友達と踊っていた。
音楽の鍵盤練習をよく頑張っていた。 きれいな音色で吹くことができました。

いざ、書き始めるとデータを見ながら、成績はまずまず、係はどうかな?、授業中の発言は・・・、
リコーダーや鍵盤ハーモニカなどよく練習していたかな?九九は何段まで進んだかな?などなど、
どの項目を記入しようか迷いに迷います。
 ここです!ここのところが、所見出ーたちゃんの活用で一気に解消されるのです。この迷って
いる時間は結構長いものです。書く作業そのものは、各学期の所見自体あまり量的に多くありま
せんので、時間はかかりませんが、書く内容を探し、選び、絞るのに時間がかかっていました。こ
の時間を解消するのが所見出ーたちゃんVER1.5.0です。

具体的な手順
具体的な使い方です。画面の切り替えは、「画面の移動」からできます。
 先ず、学習や生活、行事・行動など、所見内容がどの児童に当てはまるのかチェックしてあるデータを用意しましょう。

名簿枠にクラスの児童名を保存できるようにしました。これは、バージョンが1.6.1から可能になった機能です。
名簿データがある場合は、入力するか他のファイルがあればそこからコピーしてきます。
そして、右上の「クラス名簿」の枠に貼り付けます。


 画面Bでは名簿番号が標準で40人分用意されていますが、クラスの人数分ご使用できます。
(25人でも34人でも40人までなら可)
画面@、Aで作成した所見文が「選択所見文」に入っています。または画面@、Aで作成しなく
ても、画面Bで直接この枠内に入力することができます。まずは、所見文を作成し、次にその
所見文を当てはめたい児童の名簿番号にマウスを用いてチェックを付けます。これは40人分
でも良いし、数人分でもかまいません。

 このとき、例えば係活動をがんばったことを記入したい場合、それに該当する児童が
15人いたとしたら・・・。
係というのは、児童によってバラバラですね。遊び係、学習係、体育係等々。しかも頑張り
の内容にも違いがあります。
しかしここでは、最大公約数的に文章を決めてしまいます。例えば、「学習係として忘れ物
の点検、宿題の点検、朝自習の課題の提示など、責任を持って取り組むことができました。」
と「代表委員の仕事にも意欲的で、遊び係としてもクラス遊びの内容を公平に決めようと努力
していました。」は内容がまるで違います。
「○○係に積極的に取り組み、やり始めた事は、途中で止めず、最後までやりれました。」
または、「○○係を意欲的に頑張った。」と簡単に書いておいてもよいでしょう。

そして、15人分コピーします。このとき「個別コピー」ボタンを押します。今はあくまで素案作り
と言うことを考え、後で、1人1人にあった所見に修正すると言うことを覚えておきましょう。修
正するときに、「○○係をがんばった」ということが書いてあれば、修正するのに時間はかか
りません。
 その他、学習態度や家庭学習の状況、行事等々も大まかに当てはまる児童にそれぞれチ
ェックを入れて、どんどん素案文を各児童の所見枠にコピーしていきます。


 必ず保存します。このように少しずつつくっては保存、つくっては保存を繰り返すことで必要なデー
タをどんどんためていきます。
つくったデータの保存は、「全データの保存とコピー」をクリックします。(初めて保存する場合は、必
ずファイルに名前を付けましょう)名前は、アルファベットでも「三の一2学期所見」でも「5年1組2学
期用所見」でもかまいません。次回保存するときは、前回保存したファイル名が付いているはずで
す。そのままのファイル名でよければ、そのままOKボタンをクリックします。

 作った保存データを呼び出すときは、「作成データの読み込み」ボタンをクリックします。前回保存
したデータが読み込まれているはずです。
 これらの作業を繰り返しながら、当てはまる項目について、「個別コピー」を繰り返します。そして
「全データの保存とコピー」を押します。

 ようやくできあがったデータは保存直後であれば、ワードやエクセルや一太郎に貼り付けること
ができます。直後でなくても、メニューの「全員分所見を開く」から呼び出すことができますので、メ
モ帳のそのデータを、いつでもお好みのソフトに「コピーアンドペースト」で貼り付けることができます。

 さて、全員分の所見の素案が出来上がりました。
この段階ではあくまで素案です。各児童の名簿番号に該当所見内容が書いてあるに過ぎません。
これを一人一人に当てはまる内容に修正していきます。書き漏らしたくない内容については、全て
記入されているはずなので、もう一度各学期に記録したデータを見ながら、その子にあった所見に
していきます。

まず、「全員分所見を開く」から作成済み所見を呼び出してみてください。
ここには今学期の子ども達の行動や学習の様子や成長したことがいっぱい詰まっています。

子どもによって、10項目もの事柄が書いてある児童もいれば、

中には1項目のことしか書いていない児童もあります。
おそらくその児童は、あまり目立たず、学習面や行動面などがマイナスに表出してきた児童でしょう。
つまり何をしても進歩がなかったか、やっても熱心でなく適当にやっていたか、もっと悪いことに、
先生にまで反抗的で、褒めることがなかった児童でしょう。
宿題もいい加減でしっかりやれず、忘れ物も多い。
他の児童ともよくトラブルを起こす。
授業中は手を挙げないか、ちゃかしたような発言をおもしろ半分にする。
行動はいつも遅く、だらだらしていてルーズ。
給食だけは、おかわりをいつもして、そのくせ嫌いなものは食べないなどなど。

こんな児童も時にはいます。その子はおそらく前の学年でも、あまり褒められることがなかった児童でしょう。
かつては、ちょっとがんばって学習したけど、うまくいかず、褒めてももらえなかったり、1番になれなかった。
他の子もがんばっているので、よほどがんばらないと、認めてもらうことができないことをよく知っているのでしょう。
そんな生活に疲れているのかもしれません。楽(らく)したり、さぼったり、トラブルを起こしたりしたほうが
先生に注目してもらえる、事をよく知っているのでしょう。

しかし、
探しましょう。必ず褒めるところは見つかります。

悪いことばかりしている子なのに、何故か女子には人気があるとか、
授業中はいい加減な態度ばかり取っているけど、宿題は決して忘れたことがないとか、
行事となると目の色を変えて熱心だとか、
遊び係になってクラス遊びを組織させると、てきぱき指示して、リーダー性を発揮するなど、
必ずどこかにその子の「良いところ」があるはずです。
今まで褒められた経験が少ないので、通知表の所見で褒められると、
ものすごく喜ぶし、きっと先生のことを見直して、
次の学期からは、突然先生に近づいてきたり、よく言うことを聞いたり、優しくなったりするかも。

これも、学期途中から所見出ーたちゃんで、1人1人の所見文をチェックしているからこそ、
気づくことです!

次のページも是非参考にしてください!
「よりよい所見を書くために」
「更に有効な使い方」